JAK阻害剤フィルゴチニブのアジアにおける商業化・販売契約をギリアド社と締結

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、経口のヤヌスキナーゼ1(JAK1)選択的阻害剤フィルゴチニブ(一般名、海外製品名「Jyseleca®」、日本製品名:「ジセレカ®」)について、アジア(韓国、台湾、香港、シンガポール)における関節リウマチと炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)の適応(以下 本適応)に関する商業化・販売契約をギリアド・サイエンシズ・インク(本社:カリフォルニア州フォスターシティ、以下 ギリアド社)と締結しましたのでお知らせします。当社は、フィルゴチニブについて、2019年12月にギリアド社の日本法人ギリアド・サイエンシズ株式会社(本社 東京都)と日本での販売提携契約を締結しています。

 

 今回の契約に基づいて、当社は、ギリアド社より、韓国、台湾、香港、シンガポールにおけるフィルゴチニブの本適応に関する独占的販売権を獲得します。ギリアド社は、関節リウマチの適応で台湾においては新薬承認を取得し、韓国では承認申請を行っており、いずれも当社が製造販売承認を承継する予定です。香港・シンガポールにおいては、当社が新薬承認申請を行います。本契約に伴い、当社はギリアド社に対し契約一時金のほか、薬事および販売マイルストンを支払います。

 

 フィルゴチニブは、JAK1に選択性を有する新規経口JAK阻害剤(1日1回投与)です。本剤は、日本においては、「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」の適応を有しています。2021年4月にギリアド・サイエンシズ株式会社が、中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎を有する患者様の治療薬として適応追加を申請しています。

 

 当社は、アジアにおける強固な事業基盤を活用して、関節リウマチと炎症性腸疾患に対する新たな治療選択肢を提供し、患者様とそのご家族、さらには医療従事者の皆様の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

 

 

以上


 

<参考資料> 

1. フィルゴチニブについて

 フィルゴチニブは、JAK1に選択性を有する新規経口JAK阻害剤(1日1回投与)です。本剤は、日本においては、「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」の適応を有しています。2021年4月にギリアド・サイエンシズ株式会社が、中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎を有する患者様の治療薬として適応追加を申請しています。

 欧州連合(EU)および英国においては、「1種類以上の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)の効果が不十分または忍容性のない中等症から重症の活動性を有する成人の関節リウマチ」の適応を有しています。また、EUにおいては、「従来の治療法または生物学的製剤のいずれかで十分な効果が得られなかった、または効果がなくなった、あるいは忍容性のない中等症から重症の活動性を有する潰瘍性大腸炎」の適応を有しています。英国では、中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎を有する成人患者の治療薬として、英国の医薬品・医療製品規制庁(MHRA)が現在審査中です。

 

  1. 2. 韓国、台湾、香港、シンガポールの生物学的製剤の市場について

 2020年の韓国、台湾、香港、シンガポールにおける生物学的製剤の市場は約400百万米ドルであり、アジア(香港、インド、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、ベトナム)における生物学的製剤の市場の約8割以上を占めています1。なお、生物学的製剤の多くは、関節リウマチや炎症性腸疾患の治療に使用されています。

 

 

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