第44回サンアントニオ乳がんシンポジウムにおけるエーザイのがん領域の製品・開発品に関する演題について

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、2021年12月7日から10日まで米国テキサス州サンアントニオおよびバーチャル形式で開催される「第44回サンアントニオ乳がんシンポジウム(San Antonio Breast Cancer Symposium:SABCS2021)」において、自社創製のエリブリンメシル酸塩(製品名:「ハラヴェン®」、ハリコンドリン系微小管ダイナミクス阻害剤、以下 エリブリン)および抗体薬物複合体(Antibody Drug Conjugate:ADC)のMORAb-202に加え、当社の米国研究子会社であるH3 Biomedicine Inc.創製のH3B-6545(選択的エストロゲン受容体α共有結合型アンタゴニスト)に関する最新情報を発表することをお知らせします。

 

 本学会では、エリブリンについて、本剤が間葉上皮転換の誘導を介して後治療の効果に与える影響に関する非臨床検討結果(抄録番号:P3-06-01)の発表が予定されています。

 また、自社創製の抗葉酸受容体α抗体に酵素切断リンカーを介して、同じく自社創製の抗がん剤エリブリンを化学結合させたエーザイ初のADCであるMORAb-202について、トリプルネガティブ乳がんのPatient-Derived Xenograftモデルにおける抗腫瘍効果の検討結果(抄録番号:P5-08-02)の発表が予定されています。MORAb‐202について、当社は、2021年6月にブリストル マイヤーズ スクイブ(本社:米国)と共同開発・共同商業化に関するグローバルな独占的戦略的提携契約を締結しています。

 さらに、H3B-6545については、エストロゲン受容体陽性、HER2陰性進行性乳がんを対象とした、単剤の臨床第Ⅱ相試験(抄録番号:P1-17-10)およびパルボシクリブとの併用療法の臨床第Ⅰb相試験(抄録番号:P1-17-03)の結果に関する発表が予定されています。

 

 当社は、がん領域を重点領域の一つと位置づけており、がんの「治癒」に向けた画期的な新薬創出をめざしています。最先端のがん研究から革新的な創薬を行い、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

 

 

■SABCS2021における主なポスター発表演題

※左右にスクロールできます

製品・化合物
抄録番号
発表演題・予定日時(現地時間:米国中部標準時)
エリブリン
P3-06-01
エリブリンは、クロマチン構造を変化させ、間葉上皮転換を誘導することにより、転移性病勢進行を抑制し、後治療としての化学療法の乳がんに対する効果を高める
12月9日(木)7:00 AM - 8:30 AM
MORAb-202
P5-08-02
葉酸受容体αをターゲットとした抗体薬物複合体MORAb-202は、トリプルネガティブ乳がんのPatient-Derived Xenograftモデルにおいて、持続的抗腫瘍効果を示す
12月10日(金)7:00 AM - 8:30 AM
H3B-6545
P1-17-10
エストロゲン受容体陽性、HER2陰性進行性乳がん患者様を対象とした新規選択的エストロゲン受容体共有結合型アンタゴニストH3B-6545の臨床第Ⅱ相試験
12月8日(水)7:00 AM - 8:30 AM
H3B-6545
P1-17-03
エストロゲン受容体陽性、HER2陰性転移性乳がん女性患者様を対象としたH3B-6545とパルボシクリブの併用療法の臨床第Ⅰb相試験
12月8日(水)7:00 AM - 8:30 AM

以上

 

<参考資料>

1. エーザイのがん領域の取り組みについて

 エーザイは、がん領域において、真の患者様ニーズが満たされておらず、かつ当社がフロントランナーとなり得る機会(立地)として、「ハラヴェン」(一般名:エリブリンメシル酸塩)や「レンビマ」での経験知を活かした「がん微小環境」とRNAスプライシングプラットフォーム等を用いた「ドライバー遺伝子変異とスプライシング異常」を標的とした抗がん剤の開発にフォーカスしています。これらの立地から新たな標的や作用機序を有する革新的新薬を創出し、がんの治癒の実現に向けて貢献することをめざしています。