欧州臨床腫瘍学会年次総会におけるエーザイのがん領域の開発品・製品等に関する演題について

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、2021年9月16日から21日にバーチャル形式で開催される「欧州臨床腫瘍学会年次総会(ESMO Virtual Congress 2021)」において、自社創製のレンバチニブメシル酸塩(製品名:「レンビマ®」、経口マルチキナーゼ阻害剤、以下レンバチニブ)、エリブリンメシル酸塩(製品名:「ハラヴェン®」、およびハリコンドリン系微小管ダイナミクス阻害剤、以下 エリブリン)などのがん領域の開発品や製品等に関する最新情報を発表することをお知らせします。

 

 本学会では、少なくとも1レジメンのプラチナ製剤による前治療歴のある進行性子宮内膜がんを対象に、レンバチニブとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. (米国とカナダ以外ではMSD)の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(製品名:「キイトルーダ®」)の併用療法を治験医師選択療法と比較した臨床第Ⅲ相試験(309/KEYNOTE-775試験)における、組織型別および前治療歴別のアウトカムの違い(抄録番号:726MO)について、口頭発表が予定されています。

 また、進行性腎細胞がんの一次治療を対象に、レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法をスニチニブと比較した臨床第Ⅲ相CLEAR試験(307/KEYNOTE-581試験)におけるサブグループ解析(抄録番号:660P)および安全性情報のアップデートについて、eポスター発表が予定されています。

 その他、エリブリンリポソーム製剤とニボルマブ併用(抄録番号:980P)、CREB-binding protein (CBP)/β-catenin阻害剤E7386(抄録番号:473P)、およびハリコンドリン全合成由来の化合物E7130(抄録番号:545P)に関する早期臨床試験の結果について、eポスター発表が予定されています。

 

 レンバチニブについて、当社は、2018年3月にMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.とグローバルな共同開発と共同販促を行う戦略的提携契約を締結しています。

 

 当社は、がん領域を重点領域の一つと位置づけており、がんの「治癒」に向けた革新的な新薬創出をめざしています。最先端のがん研究から革新的な創薬を行い、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

 

■レンバチニブに関連する発表演題

製品・化合物
形式
抄録番号
発表演題

レンバチニブ
+ペムブロリズマブ
口頭発表:
726MO

進行性子宮内膜がん患者様におけるレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法と治験医師選択療法を比較した、組織型別および前治療歴別の治療成績の違いについて
(309/KEYNOTE-775試験)
発表日時:9月19日(日)PM 5:55(現地時間: 中央ヨーロッパ夏時間)

レンバチニブ
+ペムブロリズマブ
eポスター
660P

進行性腎細胞がんを対象とした臨床第Ⅲ相CLEAR試験:サブグループにおけるアウトカム、および安全性情報のアップデート
(307/KEYNOTE-581試験)

レンバチニブ
+ペムブロリズマブ
eポスター
506TiP

前治療歴のある転移性大腸がんにおける、レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法を標準療法と比較する
臨床第Ⅲ相LEAP-017試験

レンバチニブ
+ペムブロリズマブ
eポスター
796P
進行性子宮内膜がん患者様におけるレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法に関するバイオマーカーと臨床治療成績の関連性
(111/KEYNOTE-146試験)

レンバチニブ
eポスター
1746P

放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がんの患者様を対象とした臨床第Ⅱ相211試験におけるレンバチニブの2つの異なる開始用量での健康関連クオリティ・オブ・ライフ(HRQoL)解析

レンバチニブ
+抗PD-1抗体
eポスター
8P
マウス同系移植モデルにおける、レンバチニブと抗PD-1抗体の併用抗腫瘍活性に関連した腫瘍特性評価

 

■エリブリンに関連する発表演題

製品・化合物
形式
抄録番号
発表演題

エリブリン
eポスター
304P

局所進行または転移性乳がん患者様におけるエリブリンによって引き起こされる末梢性神経障害の発生率と回復率
(IRENE試験/504試験)

エリブリンリポソーム製剤
+ニボルマブ
eポスター
980P

進行性固形がん患者様における エリブリンリポソーム製剤とニボルマブの併用療法を評価する臨床第Ⅰb相試験
(120試験)

 

■他の開発品に関連する発表演題

製品・化合物
形式
抄録番号
発表演題

E7386
eポスター
473P

大腸がんを含む進行性固形がん患者様を対象とした、CREB-binding protein (CBP)/β-catenin阻害剤 E7386を評価する臨床第Ⅰ相試験
(103試験)

E7130
eポスター
545P

進行性固形がん患者様におけるE7130の First-in-Human試験:用量漸増パートの主要解析結果
(101試験)

 

■その他の発表演題

形式
抄録番号
発表演題

eポスター
954P

肝細胞がんにおける肝切除術と経皮的ラジオ波焼灼術の医療コストおよび治療成績の比較(日本におけるリアルワールドエビデンス)

eポスター
305P

EU3カ国(フランス、イタリア、スペイン)および米国におけるHER2陰性進行性乳がん患者様のリアルワールド健康関連クオリティ・オブ・ライフ(HRQoL)

eポスター
306P

EU3カ国(フランス、イタリア、スペイン)および米国におけるHER2陰性進行性乳がん患者様の受けた治療および治療満足度に関するリアルワールド試験

 

以上

 

<参考資料>

1.エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による戦略的提携について

 2018年3月に、エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. (米国とカナダ以外ではMSD)は、「レンビマ®」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)のグローバルな共同開発および共同販促を行う戦略的提携に合意しました。本合意に基づき、両社は、「レンビマ」について、単剤療法およびMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の抗PD-1抗体「キイトルーダ®」(一般名:ペムブロリズマブ)の併用療法における共同開発、共同製造、共同販促を行います。

 既に実施している併用試験に加え、両社は新たにLEAP(LEnvatinib And Pembrolizumab)臨床プログラムを開始しました。これにより、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法は13種類のがんにおける20を超える臨床試験が進行中です。

 

2.エーザイのがん領域の取り組みについて

 エーザイは、がん領域において、真の患者様ニーズが満たされておらず、かつ当社がフロントランナーとなり得る機会(立地)として、「ハラヴェン」(一般名:エリブリンメシル酸塩)や「レンビマ」での経験知を活かした「がん微小環境」とRNAスプライシングプラットフォーム等を用いた「ドライバー遺伝子変異とスプライシング異常」を標的とした抗がん剤の開発にフォーカスしています。これらの立地から新たな標的や作用機序を有する革新的新薬を創出し、がんの治癒の実現に向けて貢献することをめざしています。

 

「キイトルーダ®」は Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の子会社であるMerck Sharp & Dohme Corpの登録商標です。