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- 2021年5月20日
エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、2021年6月4日~8日にバーチャル形式で開催される「米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology:ASCO)年次総会」(2021 ASCO Annual Meeting*)において、当社が創製したレンバチニブメシル酸塩(マルチキナーゼ阻害剤、製品名: 「レンビマ®」、以下 レンバチニブ)、エリブリンメシル酸塩(ハリコンドリン系微小管ダイナミクス阻害剤、製品名: 「ハラヴェン®」、以下 エリブリン)など、がん領域の開発品や製品に関する最新知見を発表することをお知らせします。
本学会では、進行性腎細胞がんの一次治療を対象に、レンバチニブとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. (米国とカナダ以外ではMSD)の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(製品名:「キイトルーダ®」、以下 ペムブロリズマブ)との併用療法あるいはレンバチニブとエベロリムスとの併用療法をスニチニブと比較する臨床第Ⅲ相CLEAR試験(307/KEYNOTE-581試験)に関して、健康関連クオリティ・オブ・ライフ(Health Related Quality of Life、以下 HRQoL)の解析(抄録番号:4502)についての口頭発表のほか、同試験における奏効の程度と薬効の解析(抄録番号:4560)および全身療法による後治療の効果に関する事後解析(抄録番号:4562)についてのポスター発表が予定されています。
また、少なくとも1レジメンのプラチナ製剤による前治療歴のある進行性子宮内膜がん(日本においては子宮体がん)を対象に、レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法を治験医師選択化学療法と比較する臨床第Ⅲ相試験(309/KEYNOTE-775試験)におけるHRQoLの解析(抄録番号:5570)についてのポスター発表が予定されています。
さらに、PD-1/PD-L1免疫チェックポイント阻害剤による治療後に増悪した進行性メラノーマを対象として、レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法を評価する臨床第Ⅱ相試験(LEAP-004)の最新解析結果(抄録番号:9504)に関する口頭発表も予定されています。
レンバチニブについて、当社は、2018年3月にMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.とグローバルな共同開発と共同販促を行う戦略的提携契約を締結しています。
当社は、がん領域を重点領域の一つと位置づけており、がんの「治癒」に向けた革新的な新薬創出をめざしています。最先端のがん研究から革新的な創薬を行い、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。
*米国東部時間5月19日午後5時より抄録(アブストラクト)がASCOウェブサイトにて公開されています。
■レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法に関連する発表演題
がん種 | 形式・抄録番号 | 発表演題 |
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腎細胞がん |
口頭発表
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進行性腎細胞がん患者様を対象とした、スニチニブと比較してレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法あるいはレンバチニブとエベロリムスの併用療法を評価する臨床第Ⅲ相CLEAR試験における健康関連クオリティ・オブ・ライフ(HRQoL)の解析(307/KEYNOTE-581試験)
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ポスター
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進行性腎細胞がん患者様を対象としたCLEAR試験のレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法投与群およびスニチニブ投与群の特定のサブグループにおける奏効の程度と薬効の解析(307/KEYNOTE-581試験) |
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ポスター
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進行性腎細胞がんを対象としたCLEAR試験における事後解析:レンバチニブとエベロリムスの併用療法投与群およびスニチニブ投与群における後治療の生存への効果(307/KEYNOTE-581試験) |
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オンライン発表
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レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法における、転移性淡明細胞型腎細胞がん患者様を対象としたⅠb/Ⅱ相試験の最終解析結果(111/KEYNOTE-146試験) |
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ポスター
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進行性腎細胞がん患者様に対する一次治療として免疫治療薬および分子標的薬の併用療法を評価する臨床第Ⅰb/Ⅱ相アンブレラ試験 | |
ポスター
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非淡明細胞型腎細胞がんの一次治療としてペムブロリズマブとレンバチニブの併用療法を評価する非盲検臨床第Ⅱ相試験KEYNOTE-B61(KEYNOTE-B61試験) |
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子宮内膜がん |
ポスター
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レンバチニブとペムブロリズマブ併用療法あるいは医師選択療法で治療された進行性子宮内膜がん患者様における健康関連クオリティ・オブ・ライフ(HRQoL)(309/KEYNOTE-775試験) |
オンライン発表
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進行性または再発性子宮内膜がんを対象とした化学療法のリアルワールドでの負担と使用に関するシステマティック文献レビュー | |
ポスター
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米国におけるマイクロサテライト安定性を有する進行性子宮内膜がん患者様の治療パターンと治療成績:子宮内膜がんヘルスアウトカム(Endometrial Cancer Health Outcomes (ECHO))レトロスペクティブチャートレビュー試験(ECHO-USA RWD試験) | |
メラノーマ |
口頭発表
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レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法におけるPD-1阻害剤またはPD-L1阻害剤による治療後に増悪した進行性メラノーマ患者様を対象としたLEAP-004試験の最新解析結果(LEAP-004試験)
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肝細胞がん |
ポスター
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切除不能肝細胞がんを対象とした臨床第Ⅰb試験におけるレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法の探索的血液循環バイオマーカー解析(116試験) |
胃がん |
ポスター
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前治療歴のある、特定の固形がんの患者様を対象としたレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法を評価する、臨床第Ⅱ相マルチコホート試験:胃がんコホートの試験結果(LEAP-005試験) |
大腸がん |
ポスター
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前治療歴のある、特定の固形がんの患者様を対象としたレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法を評価する、臨床第Ⅱ相マルチコホート試験:大腸がんコホートの試験結果(LEAP-005試験) |
胆道がん |
ポスター
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前治療歴のある、特定の固形がんの患者様を対象としたレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法を評価する、臨床第Ⅱ相マルチコホート試験:胆道がんコホートの試験結果(LEAP-005試験) |
* 抄録番号にTPS (Trial in Progress Submission)が付与されている発表内容は、当該試験が途中段階にあることを表し、最終試験結果を発表するものではありません。
■レンバチニブ単剤に関連するポスター発表演題
がん種 | 形式・抄録番号 | 発表演題 |
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肝細胞がん |
ポスター
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カナダの切除不能肝細胞がん患者様における、アテゾリズマブとベバシズマブ併用療法あるいはソラフェニブに対するレンバチニブの費用対効果 |
オンライン発表
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米国の実臨床における前治療歴のある切除不能肝細胞がん患者様を対象としたレンバチニブ単剤療法のリアルワールドでの有用性 | |
オンライン発表
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肝細胞がん患者様を対象としたレンバチニブの治療における体重に基づいた投与開始用量設定の安全性と有効性への影響(304/202試験) | |
オンライン発表
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切除不能肝細胞がん患者様におけるアテゾリズマブとベバシズマブの併用療法に対するレンバチニブの有効性の比較 | |
オンライン発表
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日本における切除不能肝細胞がんを対象としたレンバチニブの多施設共同観察研究 |
■エリブリンに関連するポスター発表演題
がん種 | 形式・抄録番号 | 発表演題 |
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乳がん |
オンライン発表
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米国における内臓移転を有する転移性乳がん患者様を対象としたエリブリンのリアルワールドでの臨床有用性 |
胃がん |
ポスター
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エリブリンリポソーム製剤(E7389-LF)の臨床第Ⅰ相試験:
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■パイプラインおよびその他に関連するポスター発表演題
形式・抄録番号 | 発表演題 |
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オンライン発表
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再発難治性濾胞性リンパ腫の三次治療における有害事象に関連した医療費への影響について |
ポスター
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肝細胞がんまたは肝内胆管がんにおけるH3B-6527の臨床第Ⅰ相試験
(101試験) |
オンライン発表
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転移性エストロゲン受容体陽性(ER+)ヒト上皮細胞増殖因子受容体2陰性(HER2-)乳がん女性を対象としたH3B-6545とパルボシクリブ併用療法の臨床第Ⅰb相試験(102試験) |
オンライン発表
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H3B-6545の錠剤とカプセルにおける相対生物学的利用率の比較およびH3B-6545とpantoprazoleの相互作用(薬物動態試験) |
ポスター
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エストロゲン受容体陽性(ER+)ヒト上皮細胞増殖因子受容体2陰性(HER2-)進行性乳がんを対象とした新規選択的エストロゲン受容体共有結合型アンタゴニスト(SERCA)
H3B-6545の臨床第Ⅰ/Ⅱ相試験 |
ポスター
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オンコロジーコミュニティにおける#ASCOのツイッターインプレッションの影響 |
オンライン発表
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臨床試験におけるマイノリティー患者様の不足についての考察 |
以上
<参考資料>
- 1. エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による戦略的提携について
2018年3月に、エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. (米国とカナダ以外ではMSD)は、「レンビマ®」のグローバルな共同開発および共同販促を行う戦略的提携に合意しました。本合意に基づき、両社は、「レンビマ」について、単剤療法およびMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の抗PD-1抗体「キイトルーダ®」の併用療法における共同開発、共同製造、共同販促を行います。
既に実施している併用試験に加え、両社は新たにLEAP(LEnvatinib And Pembrolizumab)臨床プログラムを開始しました。これにより、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法は14種類のがん(子宮内膜がん、肝細胞がん、メラノーマ、非小細胞肺がん、腎細胞がん、頭頸部扁平上皮がん、尿路上皮がん、胆道がん、大腸がん、胃がん、膠芽腫、卵巣がん、膵臓がん、トリプルネガティブ乳がん)における20を超える臨床試験が進行中です。
「キイトルーダ®」は Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の子会社であるMerck Sharp & Dohme Corpの登録商標です。