過活動膀胱治療剤ビベグロンのASEAN 4カ国における開発・販売に関するライセンス契約締結について

キョーリン製薬ホールディングス株式会社

エーザイ株式会社

  

 キョーリン製薬ホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:荻原豊)の子会社である杏林製薬株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:荻原茂、以下 杏林製薬)とエーザイ株式会社(本社:東京都文京区、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)は、過活動膀胱治療剤ビベグロン(一般名、以下 本剤)について、東南アジア諸国連合(ASEAN)のタイ、フィリピン、マレーシアおよびブルネイにおける開発・販売に関するライセンス契約を締結しました。本契約に基づき、エーザイは杏林製薬より、当該諸国における本剤の独占的開発権および販売権を獲得し、新薬承認申請を行います。

 

 過活動膀胱(OAB:Overactive Bladder)は、尿意切迫感を必須の症状とし、通常は頻尿と夜間頻尿を伴う症状症候群です。場合によっては切迫性尿失禁を伴うこともあります。トイレの不安のために外出を控える、睡眠が十分取れないなど、患者様の日常生活に支障をきたし、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を低下させるとされています。

 

 本剤は1日1回投与の新規β3アドレナリン受容体作動薬で、膀胱のβ3受容体に選択的に作用し、膀胱を弛緩させることで、蓄尿機能を高め、OABにおける尿意切迫感、頻尿および切迫性尿失禁の症状を改善します。

 

 杏林製薬は、日本国内での早期市場浸透を図りOABの患者様のQOL向上に貢献する一方、このたびのエーザイとの提携により契約対象国で本剤の普及を図り、海外における事業展開を推進します。

 エーザイは、今回の契約対象国において、各国市場の多様なニーズの把握・充足に努め、地域特性に合致した戦略的な製品ラインナップの拡充を積極的に推進してまいります。

 

 杏林製薬とエーザイは、杏林製薬が創製したOAB治療剤「ウリトス®錠」(一般名:イミダフェナシン)について、アジアにおける開発・販売に関するライセンス契約を2009年9月に締結し、エーザイはタイ、フィリピン、インドネシアおよびミャンマーで販売を行っています。両社は本契約により、「ウリトス」に加えてビベグロンを開発・商業化することにより、過活動膀胱に対する新たな治療選択肢を提供し、患者様のQOLの向上により一層貢献してまいります。

 

以上

 

本件に関する報道関係お問い合わせ先

  • キョーリン製薬ホールディングス株式会社

    グループ経営企画統轄部

    TEL  03-3525-4707

  • エーザイ株式会社

    PR部

    TEL  03-3817-5120

<参考資料> 

1. 杏林製薬株式会社について

 杏林製薬は患者様や医療に携わる方々から信頼され、社会に存在意義を認められる医薬品メーカーを目指して、特定領域におけるプレゼンス向上とグローバルな新薬の創製に取り組んでいます。営業においては呼吸器科、耳鼻科、泌尿器科を中心とするユーザーに重点化するFC(フランチャイズ・カスタマー)戦略を展開、創薬においては選択と集中を進め、重層的なプログラム開発への取り組みと共に外部創薬テーマの積極的な探索・導入を行なう等、ファースト・イン・クラス創薬に向けた活動を展開しています。

杏林製薬株式会社の詳細情報は、https://www.kyorin-pharm.co.jp/をご覧ください。

 

2. エーザイ株式会社について

 エーザイは、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念としています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において、世界で約1万人の社員が革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。

 また、当社は開発途上国・新興国における医薬品アクセスの改善に向け主要なステークホルダーズとの連携を通じ積極的な活動を展開しています。

 エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jpをご覧ください。

 

3. ビベグロン(一般名)について

 本剤は、Merck & Co., Inc. Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)により創製された1日1回経口投与の選択的β3アドレナリン受容体作動性のOAB治療薬です。膀胱のβ3受容体に選択的に作用し、蓄尿期におけるノルアドレナリンによる膀胱弛緩作用増強により膀胱容量を増大させることで、OABにおける尿意切迫感、頻尿および切迫性尿失禁の症状を改善します。杏林製薬は、本剤について、Merck & Co., Inc. Kenilworth, N.J., U.S.A.より日本(2014年7月)ならびにアジア地域(2017年4月)における独占的な開発権、製造権および販売権を取得しました。また、日本においては、キッセイ薬品工業株式会社と共同開発・共同販売契約を締結(2016年3月)し、両社で開発を進め、2018年11月より「ベオーバ®錠50mg」の製品名で共同販売しています。

韓国、台湾、香港、ASEAN10カ国

 

4. 過活動膀胱(OAB:Overactive Bladder)について

 OABは、尿意切迫感を必須の症状とし、通常は頻尿と夜間頻尿を伴う症状症候群です。場合によっては切迫性尿失禁を伴うこともあります。トイレの不安のために外出を控える、睡眠が十分取れないなど、患者様の日常生活に支障をきたし、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を低下させるとされています。

 一般的にOABは加齢に伴い患者数が増加すると言われており、アジアでは、有症状者実数は不明であるものの、18歳以上において男性の29.9%、女性の34.7%が何らかのOABの症状を経験していると報告されています1

 

1. J Med Assoc Thai. 2007; 90 (11): 2316-20