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- 2021年3月5日
エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、2021年3月9日から14日に バーチャルで開催される「第15回アルツハイマー・パーキンソン病学会 (International Conference on Alzheimer’s & Parkinson’s Diseases: AD/PD2021)」において、抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル 抗体lecanemab(開発品コード:BAN2401)を含む当社のアルツハイマー病/認知症パイプラインに関する最新データを発表することをお知らせします。
Lecanemabについて、早期アルツハイマー病(AD)を対象として実施した臨床第Ⅱ相試験(201試験)の非盲検継続投与期におけるアミロイドPETデータの予備的解析結果を口頭発表します。
米国、欧州および日本において承認申請中のアデュカヌマブについて、バイオジェン・インク(本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、以下バイオジェン)が臨床第Ⅲ相試験(EMERGE/ENGAGE試験)におけるアミロイドPETと脳脊髄液(CSF)バイオマーカーの相関、また早期AD当事者様における アデュカヌマブの有効性および安全性の評価について口頭発表を行います。
当社は、lecanemabとアデュカヌマブについて、バイオジェンと共同開発しています。
また、シスメックス株式会社(本社:兵庫県、以下 シスメックス)と当社が共同開発している血液を用いた簡便なAD診断法の創出に関して、シスメックスが全自動免疫測定装置HISCL™*による血漿Aβ測定結果にApoE4ステータスを加味した際のアミロイド病理予測に関する新たなデータについて口頭発表を行います。
最新データの発表に加えて、当社とバイオジェンは、ADの病態生理におけるAβの役割に焦点を当てたシンポジウム「ADにおけるAβパスウェイの裏に潜む科学」の開催を予定しています。この分野において著名な4名の研究者/臨床医であるDr. Jeffrey Cummings、Dr. John Hardy、Dr. Colin Masters、Dr. Philip Scheltenより、アルツハイマー病の連続する病勢進行(AD Continuum)の初期に生ずる病態生理に関する話題提供やAβのバイオマーカーに関する最新技術の発表を予定しています。
当社は、アルツハイマー病/認知症領域分野における35年以上の創薬活動の経験を基盤に、多元的かつ包括的なアプローチによる創薬研究を通じて、認知症の予防と治癒の実現をめざしています。革新的な治療薬を一日も早く創出し、アンメット・メディカル・ニーズの充足と認知症当事者様とそのご家族のベネフィット向上に、より一層貢献してまいります。
*HISCL™ (ヒスクル)はシスメックス株式会社の商標です。
■エーザイ 口頭発表演題
開発品・セッション名 | 発表演題・予定日時(中央ヨーロッパ標準時) |
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Lecanemab ADに対する抗Aβ療法2 |
BAN2401臨床第Ⅱ相試験のコア試験でイメージングサブグループに参加した
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Elenbecestat ADに対する抗Aβ療法1 |
早期AD当事者様におけるエレンベセスタットの有効性と安全性:
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アルツハイマー病全般 神経変性の疫学と遺伝学 |
米国退役軍人当事者様における軽度認知障害、ADおよび関連する認知症の疫学
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■エーザイ ポスター発表演題
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開発品・ポスター番号 | 発表演題・予定日時(中央ヨーロッパ標準時) |
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Elenbecestat ポスター:P220 / #1487 |
早期ADのアミロイドPETの陽性予測に対するCSFのADバイオマーカーの成績:MissionADデータより 3月9日(火)より公開 |
E2027 ポスター:P153 / #535 |
ADモデルマウスTG2576における認知機能および海馬cGMPに対する新規ホスホジエステラーゼ-9阻害剤E2027の効果 3月9日(火)より公開 |
一般 ポスター:P704 / #1636 |
特定の薬剤の投与とAD発症の可能性との関連性のモデル化:アトルバスタチンとリシノプリルはシンバスタチンを上回る 3月9日(火)より公開 |
一般 ポスター:P696 / #1644 |
米国退役軍人保健局におけるAD治療に向けた医療制度の準備 3月9日(火)より公開 |
■バイオジェン 口頭発表演題
※左右にスクロールできます
開発品・セッション名 | 発表演題・予定日時(中央ヨーロッパ標準時) |
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アデュカヌマブ ADに対する抗Aβ療法1 |
早期AD当事者様を対象としたアデュカヌマブの臨床第Ⅲ相試験(EMERGE/ENGAGE)におけるCSFバイオマーカーのアミロイドPETとの一致
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アデュカヌマブ ADに対する抗Aβ療法2 |
早期AD当事者様におけるアデュカヌマブの有効性の評価
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アデュカヌマブ ADに対する抗Aβ療法2 |
早期AD当事者様におけるアデュカヌマブの安全性の評価
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■シスメックス・エーザイ 口頭発表演題
※左右にスクロールできます
開発品・セッション名 | 発表演題・予定日時(中央ヨーロッパ標準時) |
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AD診断法 アミロイド、タウ、シナプスPETイメージング |
APOE4ステータスを加味した全自動化血漿Aβアッセイの
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■エーザイ・バイオジェン共同シンポジウム
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シンポジウム形式 | トピック・予定日時(中央ヨーロッパ標準時) |
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バーチャルシンポジウム |
ADにおけるAβパスウェイの裏に潜む科学
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以上
<参考資料>
1.エーザイとバイオジェンによるAD領域の提携について
エーザイとバイオジェンは、AD治療剤の共同開発・共同販売に関して、幅広い提携を行っています。抗Aβプロトフィブリル抗体lecanemab(開発品コード:BAN2401)についてはエーザイ主導のもとで、抗Aβ抗体アデュカヌマブについてはバイオジェン主導のもとで、グローバルでの承認取得に向けた開発を進め、承認取得後は米国、欧州、日本といった主要市場で共同販促を行います。
2.エーザイとシスメックスのコラボレーションについて
エーザイとシスメックスは2016年2月に、認知症領域に関する新たな診断薬創出に向けた非独占的包括契約を締結しています。両社は、互いの技術・ナレッジを活用し、認知症の早期診断や治療法の選択、治療効果の定期的確認が可能な次世代診断薬の創出を目指します。
3.Lecanemab(開発品コード:BAN2401)について
Lecanemabは、BioArctic AB(本社:スウェーデン)とエーザイの共同研究から得られた、可溶性のAβ凝集体(プロトフィブリル)に対するヒト化モノクローナル抗体です。Lecanemabは、ADを惹起させる因子の一つと考えられている、神経毒性を有するAβプロトフィブリルに選択的に結合して無毒化し、脳内からこれを除去することでADの病態進行を抑制する疾患修飾作用が示唆されています。早期ADを対象とした大規模臨床第Ⅱ相試験(201試験)においては、世界で初めて後期臨床試験として臨床症状評価による進行抑制と脳内Aβ蓄積量の減少を統計学的有意差をもって達成し、疾患修飾効果を示しました。エーザイは、本抗体について、2007年12月にバイオアークティックとのライセンス契約により、全世界におけるアルツハイマー病を対象とした研究・開発・製造・販売に関する権利を獲得しています。現在、臨床第Ⅱ相試験(201試験)の非盲検投与延長試験および早期ADを対象とした検証用の一本の臨床第Ⅲ相試験(Clarity AD)を実施中です。また,プレクリニカルADを対象とした臨床第Ⅲ相試験(AHEAD 3-45試験)も実施中です。National Institutes of Health、National Institute on Agingは、AHEAD 3-45試験(A45 TrialおよびA3 Trial)に資金を提供しています。エーザイとバイオジェンはlecanemabの共同開発・共同販促に関する契約を締結しています。
4.アデュカヌマブについて
アデュカヌマブ(開発コード:BIIB037)はADの治療薬候補として開発されたモノクローナル抗体です。臨床試験データに基づき、ADによるMCIおよび軽度ADにおいて、アデュカヌマブは、疾患の原因となる病態生理に作用し、認知機能の低下(悪化)を抑制し、金銭管理、家事(掃除、買い物、洗濯など)や単独での外出などの日常生活動作におけるベネフィットが得られると期待されます。承認された場合、アデュカヌマブは、AD当事者様の疾患の経過に本源的な変化をもたらす初めての治療薬となります。アデュカヌマブは、共同開発ライセンス契約に基づきNeurimmune社から導入されました。2017年10月より、バイオジェンとエーザイは全世界的にアデュカヌマブの開発ならびに製品化を共同で実施しています。