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- 2020年9月30日
エーザイ株式会社
生化学工業株式会社
エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)と生化学工業株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:水谷建、以下 生化学工業)は、このたび、生化学工業が創出した変形性関節症治療剤SI-613(ジクロフェナク結合ヒアルロン酸)について、韓国における販売提携に関する契約を締結しましたのでお知らせします。エーザイと生化学工業は、SI-613について、2020年4月1日に中国における共同開発及び販売提携に関する契約を締結しており、2カ国目の提携となります。
本契約に基づき、エーザイの子会社であるエーザイ・コリア・インクが韓国におけるSI-613の独占的販売権を取得し、製造販売承認申請を行います。承認取得後は、生化学工業が製品をエーザイに供給し、販売はエーザイが担当します。なお、エーザイは生化学工業に対して契約一時金と販売マイルストンを支払います。
変形性関節症は、加齢などの要因により、関節の軟骨が傷つき炎症を起こすことで痛みが生じる疾患であり、罹患するとQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の低下につながります。中でも発生頻度が高い変形性膝関節症については、韓国での患者数が約320万人と推計されており*1、今後も高齢化の進展により増加していくことが予想されています。
SI-613は、生化学工業が独自の薬剤結合技術を用いてヒアルロン酸とジクロフェナク(抗炎症薬)を化学結合した薬剤です。ヒアルロン酸による関節機能改善効果に加え、ドラッグデリバリーシステム*2により徐放*3されるように設計されたジクロフェナクの鎮痛・抗炎症作用を併せ持つことから、変形性関節症に見られる痛みや炎症を速やかに、かつ持続的に改善することが期待されます。
本契約により、エーザイは、韓国事業で培ったナレッジやネットワークを活用し、患者様のアンメット・メディカル・ニーズの充足をめざします。生化学工業は、エーザイの韓国事業の基盤を活用することにより、本剤の韓国における価値最大化をはかります。
両社は、本剤の商業化により、韓国における変形性膝関節症に対する新たな治療選択肢を提供し、患者様のQOLの向上に貢献してまいります。
以上
本件に関する報道関係お問い合わせ先
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エーザイ株式会社
PR部
TEL:03-3817-5120
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生化学工業株式会社
総務部 IR・広報担当
E-mail:ir@seikagaku.co.jp
TEL:03-5220-8950
<参考資料>
1.SI-613について
SI-613は、生化学工業独自の薬剤結合技術を用いてヒアルロン酸とジクロフェナク(抗炎症薬)を化学結合した薬剤です。ヒアルロン酸による関節機能改善効果に加え、ドラッグデリバリーシステム*2により徐放*3されるように設計されたジクロフェナクの鎮痛・抗炎症作用を併せ持つことから、変形性関節症(膝関節など)に見られる痛みや炎症を速やかに、かつ持続的に改善することが期待されます。また、注射剤として関節腔内に直接投与するため、ジクロフェナクの全身曝露量が少なく、全身性の副作用のリスクが低いと考えています。
生化学工業は、2020年1月6日に日本国内において、変形性関節症(膝関節、股関節、足関節)に係る製造販売承認を申請しました。また、エーザイと生化学工業は、2020年4月1日に中国における共同開発及び販売提携に関する契約を締結しています。
2.エーザイ株式会社について
エーザイは、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する 「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念としています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において、世界で約1万人の社員が革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。
また、当社は開発途上国・新興国における医薬品アクセスの改善に向け主要なステークホルダーズとの連携を通じ積極的な活動を展開しています。
エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jpをご覧ください。
3.生化学工業株式会社について
生化学工業は、糖質科学を専門分野とする研究開発型の製薬企業です。1947年の創業以来、糖質科学の可能性に着目し、運動器疾患や眼科疾患領域において独創的で有用な医薬品・医療機器を創製し続けています。また、医薬品の販売部門を持たず、研究開発と製造に特化したビジネスモデルのもと、それぞれの国や製品領域で強みを持つ会社と販売提携することでグローバルに製品を展開し、世界の人々の健康で心豊かな生活に貢献しています。
生化学工業株式会社の詳細情報は、https://www.seikagaku.co.jp をご覧ください。
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*1
Korea Statistical Information Service(人口動態データ、URL: http://kosis.kr/index/index.do)とHealthcare Bigdata Hub(患者数データ、URL : https://opendata.hira.or.kr/home.do)から算出した推計データ。
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*2
ドラッグデリバリーシステム:薬物の量や放出する部位・期間を狙いどおりにコントロールする技術。
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*3
徐放:薬剤の有効成分が徐々に放出されるよう調節し、治療効果を持続させること。