欧州臨床腫瘍学会年次総会におけるエーザイのがん領域の開発品・製品に関する演題について

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、2020年9月19日から21日にバーチャル形式で開催される「欧州臨床腫瘍学会年次総会 (ESMO Virtual Congress 2020)」において、自社創製の「レンビマ®」(一般名:レンバチニブメシル酸塩、経口マルチキナーゼ阻害剤、以下 レンバチニブ)に加え、「ハラヴェン®」(一般名:エリブリンメシル酸塩、ハリコンドリン系微小管ダイナミクス阻害剤、以下 エリブリン)およびそのリポソーム製剤に関する最新試験データを発表しますのでお知らせします。

 

 レンバチニブとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. (米国とカナダ以外ではMSD)の抗PD-1抗体「キイトルーダ®」(一般名:ペムブロリズマブ、以下 ペムブロリズマブ)との併用療法に関し、2演題がLate-Breaking Abstractsに採択され、口頭発表を行います。発表内容として、PD-1/PD-L1免疫チェックポイント阻害剤(ICI)による治療後に増悪した進行性メラノーマを対象とした臨床第Ⅱ相試験(LEAP-004)の中間解析結果(抄録番号:LBA44)、および治療歴のある6種の進行性固形がん(トリプルネガティブ乳がん、卵巣がん、胃がん、大腸がん、膠芽腫、胆道がん)を対象としたバスケット型臨床第Ⅱ相試験(LEAP-005)の中間解析結果(抄録番号:LBA41)の報告が予定されています。

 また、エリブリンについては、より効率的な腫瘍組織への送達を企図したリポソーム製剤(E7389-LF)の臨床第Ⅰ相試験(114試験)のHER2陰性乳がん拡大コホートにおける結果についてポスター発表(抄録番号:346P)が予定されています。

 

 レンバチニブについて、当社は、2018年3月にMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.とグローバルな共同開発と共同販促を行う戦略的提携契約を締結しています。

 

 当社は、がん領域を重点領域の一つと位置づけており、がんの「治癒」に向けた画期的な新薬創出をめざしています。最先端のがん研究から革新的な創薬を行い、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

  

■口頭発表(Late-Breaking Abstracts)*

※左右にスクロールできます

製品・化合物
抄録番号
発表演題と発表日時(中央ヨーロッパ夏時間)
レンバチニブ
LBA44
LEAP-004試験:PD-1/PD-L1免疫チェックポイント阻害剤(ICI)による治療後に増悪した進行性メラノーマを対象としたレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法
口頭発表:9月19日(土)16:32-16:44
レンバチニブ
LBA41
LEAP-005試験:治療歴のある進行性固形がんを対象としたレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法を評価する臨床第Ⅱ相試験
口頭発表:9月20日(日)14:25-14:37

* 抄録は9月19日にESMOウェブサイトに公開されます

 

■主なポスター発表**

※左右にスクロールできます

製品・化合物
抄録番号
発表演題
レンバチニブ
1313P
LEAP-006試験の安全性導入パート1:転移性非小細胞肺がんを対象とした一次療法としてのペムブロリズマブと化学療法の併用療法に対し、レンバチニブ併用の有無を評価する臨床第Ⅲ相試験
レンバチニブ
973TiP
LEAP-010試験:再発・転移性頭頸部扁平上皮がんを対象とした一次療法としてのペムブロリズマブとレンバチニブの併用療法をペムブロリズマブ単剤と比較する臨床第Ⅲ相試験
レンバチニブ
1016TiP
LEAP-012試験:根治治療が不適な中間期の肝細胞がんに対するレンバチニブとペムブロリズマブおよび肝動脈化学塞栓療法(TACE)の併用療法
レンバチニブ
710P

PD-1/PD-L1免疫チェックポイント阻害剤(ICI)治療後に増悪した転移性淡明細胞型腎細胞がんを対象としたレンバチニブとペムブロリズマブ併用療法の臨床第Ⅱ相試験(111/Keynote-146試験):独立画像判定による結果とサブグループ解析

レンバチニブ
719P

進行性腎細胞がんを対象としたレンバチニブとペムブロリズマブ併用療法の臨床第Ⅰb/Ⅱ相試験(111/Keynote-146試験)における血清バイオマーカー相関解析

レンバチニブ
1668TiP
小児、AYA世代の再発または難治性骨肉腫を対象としたレンバチニブ、イホスファミド、エトポシドの併用療法と、イホスファミドとエトポシド併用療法の有効性と安全性を比較する多施設共同、非盲検、ランダム化臨床第Ⅱ相試験 (OLIE; ITCC-082)
レンバチニブ
1923P
ロシアでの実臨床における放射性ヨウ素治療抵抗性甲状腺がんに対するレンバチニブによる治療の有効性と安全性の評価
E7389-LF
346P
エリブリンリポソーム製剤(E7389-LF)の臨床第Ⅰ相試験:
HER2陰性乳がんコホート結果
E7389-LF
583P
点滴速度、ステロイドや抗ヒスタミン薬の前投与、ペグフィルグラスチムの予防的投与がエリブリンリポソーム製剤(E7389-LF)の安全性に与える影響:臨床第Ⅰ相試験の拡大コホートの結果
エリブリン
316P
米国コミュニティオンコロジーセンターにおける転移性乳がんに対するエリブリンの実臨床の治療パターンと臨床成果

** 抄録は9月14日、発表資料は9月17日にESMOウェブサイトに公開されます

 以上

<参考資料>

1. エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による戦略的提携について

2018年3月に、エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. (米国とカナダ以外ではMSD)は、「レンビマ」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)のグローバルな共同開発および共同販促を行う戦略的提携に合意しました。本合意に基づき、両社は、「レンビマ」について、単剤療法およびMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の抗PD-1抗体「キイトルーダ」(一般名:ペムブロリズマブ)との併用療法における共同開発、共同販促を行います。
 既に実施している併用試験に加え、両社は新たに LEAP(LEnvatinib And Pembrolizumab)臨床プログラムを開始しました。これにより、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法は 13 種類のがん(子宮内膜がん、肝細胞がん、メラノーマ、非小細胞肺がん、腎細胞がん、頭頸部扁平上皮がん、尿路上皮がん、トリプルネガティブ乳がん、卵巣がん、胃がん、大腸がん、膠芽腫、胆道がん)における 19 の臨床試験が進行中です。

2. エーザイのがん領域の取り組みについて

エーザイは、がん領域において、真の患者様ニーズが満たされておらず、かつ当社がフロントランナーとなり得る機会(立地)として、「ハラヴェン」や「レンビマ」で経験知のある「がん微小環境」とRNAスプライシングプラットフォーム等を用いた「ドライバー遺伝子変異とスプライシング異常」を標的とした抗がん剤の開発にフォーカスしています。これらの立地から新たな標的や作用機序を有する革新的新薬を創出し、がんの治癒の実現に向けて貢献することをめざしています。

 キイトルーダ®は Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の子会社であるMerck Sharp & Dohme Corpの登録商標です。