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- 2020年6月10日
エーザイ株式会社（本社：東京都、代表執行役CEO：内藤晴夫）は、このたび、アフリカ地域における新型コロナウイルス感染症の感染拡大に際して、以下の支援活動をはじめとする100万米ドル規模の支援を行うことを決定しましたのでお知らせします。当社は、これらの支援を通じて、アフリカ地域における新型コロナウイルス感染症の拡大抑制を支援するとともに、顧みられない熱帯病（NTDs）の制圧に向けた取り組みの遅延の防止に貢献します。
1．NTDｓ制圧活動の推進を支援
当社は、NTDsの一つであるリンパ系フィラリア症（LF）の治療薬であるジエチルカルバマジン（DEC）錠を自社インド・バイザッグ工場で製造し、世界保健機関（WHO）の制圧プログラムを通じて無償で提供しているほか、マイセトーマ（菌腫）への新薬開発を進めるなど、NTDsの制圧活動を支援しています。今回の新型コロナウイルス感染症の拡大によって、特にアフリカ地域では、NTDsの蔓延地域における集団投薬（MDA）の延期や、新薬の臨床開発の遅れが発生するなど、NTDs制圧活動の推進に深刻な影響が生じています。当社は、アフリカ地域における持続的なNTDs制圧活動の推進を図るため、非営利の研究開発組織であるDNDi （Drugs for Neglected Diseases initiative : 顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ）のアフリカ地域事務局の協力のもと、現地医療機関への支援を検討しています。このたび、アフリカ地域の感染症研究の基幹病院であり、NTDs等に対する治療法の臨床研究が行われる施設に、保護具（マスク、ゴーグル、フェイスシールド等）の提供を開始しました。
2．モバイルヘルスプラットフォームの開発・普及を支援
当社は、アフリカ拠点の最大の国際非政府組織の一つで健康医療に関する支援を行うAmref Health Africa（本部：ケニア共和国ナイロビ、 以下Amref）が開発し、普及をはかっている医療関係者や住民に向けたモバイルヘルスプラットフォーム「LEAP」について、ケニアやウガンダ、ルワンダなどのサハラ以南の国々における開発・普及を支援するため、Amrefに対し義援金を拠出します。「LEAP」は、Amrefのヘルスケアトレーニング教育プログラムとそのコンテンツに基づきサハラ以南のアフリカにおける様々な感染症予防に関する認識を高め、最新の正確な疾患情報を発信することを目的としています。疾患情報の共有やグループチャットの機能に加え、ショート・メッセージ・サービス（SMS）や双方向のボイスメッセージ機能があり、インターネット環境が悪い地域でも利用可能です。「LEAP」は、疾患に対する適切な対応の推進に向けた住民と医療関係者の関係構築に役割を果たすと考えられます。アフリカ地域では、デジタルやモバイル技術が急速に普及しており、「LEAP」は新型コロナウイルス感染症拡大の防止やその他の疾患の予防にも役立つ重要なツールになると期待しています。
以上
＜参考資料＞
- 1. Amref Health Africaについて
Amref Health Africa（本部：ケニア共和国ナイロビ、 以下Amref）は、アフリカの35カ国以上で、持続可能なヘルスアクセスの向上を目的とした、アフリカを拠点とする最大の国際非政府組織（INGO）の一つです。過去60 年以上にわたり、各国政府、コミュニティー、パートナーと共に活動を行っています。Amrefは、プログラム開発、資金調達、パートナーシップ、アドボカシー活動、監視および評価活動も取り入れています。欧州と北米にオフィスがあり、子会社として、Amref Flying Doctors、Amref Enterprises および the Amref International Universityがあります。
- 2. LEAPについて
「LEAP」は拡張性を備えた統合モバイル学習ソリューションで、継続的なトレーニングの機会、仲間同士でのコラボレーション、同時評価レポート、監視強化を提供する機能を備えています。スマートフォン、携帯電話のいずれのデバイスでも使用でき、モバイル学習プログラムを通じて医療関係者にトレーニングと能力開発の機会を提供します。これにより、医療関係者は、コミュニティーに居ながら自身のモバイル端末を使って自分のペースで学習することができ、個人間とコミュニティー双方の観点からの学習が可能です。「LEAP」はケニア共和国保健省、Amref Health Africa、Accenture、Safaricom、MPESA FoundationおよびMezzanineからなるセクターの枠を超えたパートナーシップにより開発されました。
これまで「LEAP」によって、ケニア国内の7万人以上の医療関係者がトレーニングを受け、約500万人の医療サービスへのアクセスが向上しました。「LEAP」は、現在、エチオピアやウガンダ、マラウイ、セネガルなど、ケニア以外の国々にも拡大しています。