エーザイと富士薬品 痛風・高尿酸血症治療剤ドチヌラドについて中国における開発・販売に関するライセンス契約を締結

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役 CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)と株式会社富士薬品(本社:埼玉県、代表取締役社長:高柳昌幸、以下 富士薬品)は、このたび、富士薬品が創出した痛風・高尿酸血症治療剤ドチヌラド(一般名)について、中国における開発・販売に関するライセンス契約を締結しましたのでお知らせします。

 

 本契約により、エーザイは富士薬品より、中国におけるドチヌラドに関する独占的開発権・販売権を獲得します。製剤は富士薬品が生産し、エーザイに供給します。エーザイは富士薬品に対して契約一時金と開発ならびに販売マイルストンを支払うとともに、中国における新薬承認申請を担います。

 

 高尿酸血症は、中国において、糖尿病に次いで2番目に多い代謝性疾患であり、痛風をはじめ、泌尿器系、内分泌系、代謝系、脳心血管系などにおける様々な疾患に関連していることが知られています。中国における現在の高尿酸血症患者数は約1.9億人、痛風患者数については約1,600万人と推定されています1。これらの患者様の数は、社会経済の発展に伴う生活習慣や食嗜好の変化等に伴い、今後もさらに増加することが予想されています。

 ドチヌラドは、富士薬品が創出した新規の痛風・高尿酸血症治療剤です。腎臓での尿酸再吸収に関与するトランスポーター(URAT1)を選択的に阻害することにより、尿酸の再吸収を抑制し、血中尿酸値を低下させます。

 

 本契約により、エーザイは、中国において本剤の開発を進め、商業化後は、中国事業において培ったナレッジやネットワークを活用し、アンメット・メディカル・ニーズを有する患者様への貢献をめざします。 富士薬品は、ドチヌラドの世界展開への第一歩として、エーザイの中国事業の基盤活用により、本剤の中国における価値最大化を期待しています。

 両社は、本剤の開発・商業化により、中国における痛風・高尿酸血症に対する新たな治療選択肢を提供し、患者様のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上に貢献してまいります。

 

以上

  

本件に関する報道関係お問い合わせ先

<参考資料>

1. エーザイ株式会社について

 エーザイは、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する 「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念としています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において、世界で約1万人の社員が革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。

 また、当社は開発途上国・新興国における医薬品アクセスの改善に向け主要なステークホルダーズとの連携を通じ積極的な活動を展開しています。

 エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jpをご覧ください。

 

2.株式会社富士薬品について

 富士薬品は、医療用医薬品販売、配置薬販売、ドラッグストアー事業と、それを支える医薬品製造事業という製販一貫体制を有する複合型医薬品企業です。医療用医薬品につきましては、痛風・高尿酸血症を適応症とするトピロキソスタットとドチヌラドという異なる作用機序の2剤を創出いたしました。

 富士薬品株式会社の詳細情報は、https://www.fujiyakuhin.co.jp/を参照ください。

 

3.ドチヌラドについて

 ドチヌラドは富士薬品が創出した痛風・高尿酸血症治療剤です。選択的にURAT1を阻害しその他のトランスポーターなどへの影響が少ないため、より少ない用量で血清尿酸値を低下させ、副作用や薬物相互作用のリスクが低い事が期待されています。

 国内では2020年1月23日に富士薬品が製造販売承認を取得いたしました。

 

1 Rui Liu et al., Prevalence of Hyperuricemia and Gout in Mainland China from 2000 to 2014: A Systematic Review and Meta-Analysis, BioMed Research International, Volume 2015, Article ID 762820の有病率データと国際連合による世界人口推計(URL:http://www.un.org/en/development/desa/population/)から算出した推計データ