第73回米国てんかん学会にてペランパネルに関する最新データを発表

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、2019年12月6日から12月10日まで米国メリーランド州ボルチモアで開催される「第73回米国てんかん学会年次総会(American Epilepsy Society Annual Meeting:AES2019)」において、抗てんかん剤ペランパネル(製品名「フィコンパ®」、英名「Fycompa®」)に関する最新データを発表しますのでお知らせします。

 

 本総会では、ペランパネルに関して、12歳以上74歳以下の部分発作を有する未治療てんかんの患者様を対象とした単剤療法の有効性および安全性を検討する臨床第Ⅲ相試験(342試験)の結果や実臨床下におけるてんかん患者様を対象としたレトロスペクティブ臨床第Ⅳ相試験(506試験)の結果など、合計38演題のポスター発表が予定されています。研究者主導研究(IIS:Investigator Initiated Study)を含めるとペランパネルに関する40以上のポスター発表が行われる予定です。

 

 ペランパネルは、当社筑波研究所で創製されたファースト・イン・クラスの抗てんかん剤であり、1日1回投与の錠剤です。米国および欧州では、経口懸濁液も販売しています。本剤は、グルタミン酸によるシナプス後膜のAMPA受容体の活性化を高選択的かつ非競合的に阻害し、神経の過興奮を抑制します。世界各国において、12歳以上のてんかん患者様の部分発作(二次性全般化発作を含む)ならびに強直間代発作に対する併用療法として承認を取得しています。また、米国では、4歳以上のてんかん患者様の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する単剤療法および併用療法の承認も取得しています。

 

 当社は、てんかんを含む神経領域を重点疾患領域と位置づけており、ペランパネルをグローバルに提供することで、より多くのてんかん患者様に発作フリー(seizure freedom)をお届けする使命を追求し、患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

    

■ペランパネルに関する主なポスター発表

※左右にスクロールできます

演題番号予定日時
(現地時間・東部標準時)
発表演題
342試験(FREEDOM試験)
ポスター番号 : 2.215
発表:12月8日(日)10:00-16:00
ポスター議論:12:00-14:00
未治療の新たに診断されたまたは再発した部分発作を有するてんかん患者様におけるペランパネル単剤療法の有効性と安全性:342試験(FREEDOM試験)の最終解析4、8 mg /日の主要データ
ポスター番号 : 3.318
発表:12月9日(月)8:00-14:00
ポスター議論:12:00-14:00
未治療の新たに診断されたまたは再発した部分発作を有するてんかん患者様でのペランパネル単剤療法:342試験(FREEDOM試験)の延長段階での有効性と安全性
506試験(PROVE試験)
ポスター番号 : 1.304
発表:12月7日(土)12:00-18:00
ポスター議論:12:00-14:00
PROVE 506試験:てんかん患者様の実臨床下治療における併用療法もしくは単剤療法としてのペランパネル
ポスター番号 : 1.306
発表:12月7日(土)12:00-18:00
ポスター議論:12:00-14:00
ノースカロライナ州ダーハム デューク大学医療センターでのてんかん患者様の実臨床下治療におけるペランパネル:PROVE 506試験の地域比較の結果
ポスター番号 : 1.311
発表:12月7日(土)12:00-18:00
ポスター議論:12:00-14:00
PROVE 506試験:18歳以上のてんかん患者様の実臨床下治療におけるペランパネルのレトロスペクティブ・臨床第IV相試験
ポスター番号 : 1.312
発表:12月7日(土)12:00-18:00
ポスター議論:12:00-14:00
てんかん患者様の実臨床下治療におけるペランパネル:レトロスペクティブ、臨床第IV相PROV E506試験の結果
ポスター番号 : 1.313
発表:12月7日(土)12:00-18:00
ポスター議論:12:00-14:00
PROVE 506試験:4歳未満のてんかん患者様の実臨床下治療におけるペランパネルのレトロスペクティブ、臨床IV第相試験
ポスター番号 : 2.209
発表:12月8日(日)10:00-16:00
ポスター議論:12:00-14:00
PROVE 506試験:12歳以上18歳未満のてんかん患者様の実臨床下治療におけるペランパネルのレトロスペクティブ、臨床第IV相試験
ポスター番号 : 3.301
発表:12月9日(月)8:00-14:00
ポスター議論:12:00-14:00
てんかん患者様の実臨床下治療におけるペランパネル:レトロスペクティブ臨床第IV相 PROVE 506試験の有効性に対する酵素誘導抗てんかん薬の影響
ポスター番号 : 3.303
発表:12月9日(月)8:00-14:00
ポスター議論:12:00-14:00
PROVE 506試験:てんかんの4歳から12歳未満の患者様の実臨床下治療におけるペランパネルのレトロスペクティブ臨床第IV相試験
ポスター番号 : 3.316
発表:12月9日(月)8:00-14:00
ポスター議論:12:00-14:00
ニュージャージー州北東部ハッケンサック地域てんかんグループのてんかん患者様の実臨床下治療におけるペランパネル:
PROVE 506試験結果の地域比較
その他主要な発表
ポスター番号 : 1.303
発表:12月7日(土)12:00-18:00
ポスター議論:12:00-14:00
ELEVATE 410試験登録状況アップデート:部分発作または強直間代発作を伴う12歳以上のてんかん患者様を対象とした単剤療法または初回併用療法としてのペランパネルの第IV相試験
ポスター番号 : 1.305
発表:12月7日(土)12:00-18:00
ポスター議論:12:00-14:00
部分てんかん患者様における初回の併用療法としてのペランパネルの有効性と安全性:ファーストライン抗てんかん薬使用によるFAME試験の事後解析(412試験)
ポスター番号 : 2.207
発表:12月8日(日)10:00-16:00
ポスター議論:12:00-14:00
小児てんかん患者様(4歳以上12歳未満)のペランパネルの暴露量と認知・安全性の関係(311、232試験)
ポスター番号 : 2.216
発表:12月8日(日)10:00-16:00
ポスター議論:12:00-14:00
部分てんかん患者様における初回の併用療法としてのペランパネルによる有害事象プロファイル:FAME試験の解析(412試験)

以上

 

<参考資料>

1. 「フィコンパ」(一般名:ペランパネル、海外製品名「Fycompa」)について

 「フィコンパ」は、当社が創製したファースト・イン・クラスの抗てんかん剤です。てんかん発作は、神経伝達物質であるグルタミン酸により誘発されることが報告されており、本剤は、グルタミン酸によるシナプス後膜のAMPA受容体の活性化を阻害し、神経の過興奮を抑制する高選択、非競合AMPA受容体拮抗剤です。「フィコンパ」は1日1回就寝前に経口投与するタイプの錠剤です。米国および欧州では、経口懸濁液の承認も取得し、販売しています。現在までに、世界で27万人を超える患者様に「フィコンパ」が処方されました(すべての適応症の合計)。

 本剤は、12歳以上のてんかん患者様の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する併用療法について、米国、日本、欧州、中国、アジアなど65カ国以上で承認を取得しています。さらに本剤は、12歳以上の全般てんかん患者様の強直間代発作に対する併用療法について、米国、日本、欧州、アジアなど60カ国以上で承認を取得しています。米国においては4歳以上のてんかん患者様の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する単剤および併用療法の承認も取得しています。日本においては、てんかんの部分発作に対する単剤療法および4歳以上の小児てんかんの部分発作に係る適応、並びに細粒剤の剤形を追加申請しています。欧州においては、小児てんかん患者様の部分発作(二次性全般化発作を含む)および小児の特発性全般てんかん患者様の強直間代発作に対する併用療法に係る適応を追加申請しています。

 本剤について、レノックス・ガストー症候群に伴うてんかん発作を有する患者様を対象としたグローバル臨床第Ⅲ相試験(338試験)を実施しています。