EZH2阻害剤タゼメトスタットについて日本以外の地域における売上ロイヤルティ受領の権利をRoyalty Pharmaに譲渡

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、抗がん剤として開発中のタゼメトスタット(一般名)について、日本以外の地域における売上に応じたロイヤルティ受領の権利をRoyalty Pharma(本社:米国ニューヨーク州)に譲渡する契約を締結したことをお知らせします。

 

タゼメトスタットは、Epizyme, Inc.(本社:米国マサチューセッツ州、以下 Epizyme社)が創出したファースト・イン・クラスの経口EZH2阻害剤です。当社は、2015年3月に改定したEpizyme社との契約にて、日本におけるタゼメトスタットの開発、商業化を担うとともに、日本の売上に応じたロイヤルティをEpizyme社に支払うことが規定されています。一方、Epizyme社は、日本以外の地域における開発および商業化を担うとともに、開発の進捗および承認取得に応じたマイルストンペイメント、ならびに日本以外の地域における売上に応じたロイヤルティを当社に支払うことが規定されていました。

 

今回のRoyalty Pharmaとの契約では、日本以外の地域における売上に対するEpizyme社からのロイヤルティ受領の権利をRoyalty Pharmaに譲渡します。その対価として当社は、一時金110百万米ドルを受領します。また、米国において本剤の承認が取得された場合、最大220百万米ドルを受領する権利を取得します。

 

当社は、がん領域を重点領域の一つと位置づけており、がんの「治癒」に向けた革新的な新薬創出をめざしています。本契約によって得られた資金を含む経営リソースの有効活用により、最先端のがん研究に基づく創薬を加速し、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

  

以上

 

<参考資料>

  1. 1. タゼメトスタット(一般名、開発コード:E7438、Epizyme社の開発コード:EPZ-6438)について

 タゼメトスタットは、Epizyme社が独自の創薬プラットフォームから創製したエピジェネティック関連酵素EZH2を標的とするファースト・イン・クラスの経口低分子阻害剤です。EZH2は遺伝子発現を調節するヒストンメチル基転換酵素を構成するタンパク質の一つであり、細胞増殖の調節機能を持っていることから、発がんに関わる重要な役割を担っていると考えられています。

 日本においては、当社がB細胞性非ホジキンリンパ腫を対象とした臨床第Ⅱ相試験を実施中です。

 

  1. 2. Royalty Pharmaについて 

 1996年に設立されたRoyalty Pharmaは、160億ドルを超えるロイヤルティ資産を有するロイヤルティビジネスのリーディングカンパニーです。Royalty Pharmaは、ライフサイエンスのイノベーションに直接および間接的に資金を提供しています。直接的には、ライフサイエンス企業と提携のもと、後期臨床試験において共同開発および共同出資します。間接的には、オリジナルのイノベーター(アカデミック、病院、財団、発明者など)から既存のロイヤルティ権益を取得します。同社のロイヤルティ権益には、AbbVieとJ&JのImbruvica、アステラスとPfizerのXtandi、BiogenのTysabri、GileadのHIVフランチャイズ、MerckのJanuvia、NorvartisのPromacta、Vertexの嚢胞性線維症フランチャイズなど、50を超える承認済み製品のロイヤルティ権益が含まれています。Royalty Pharmaは、2011年以来、承認取得前の製品のロイヤルティに40億ドル以上を投資し、ロイヤルティと引き換えに9億ドル以上の直接研究開発資金提供にコミットしています。Royalty Pharmaの詳細については、www.royaltypharma.com. をご覧ください。