欧州臨床腫瘍学会年次総会におけるエーザイのがん領域の開発品・製品に関する演題について

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、2019年9月27日から10月1日までスペイン・バルセロナで開催される「欧州臨床腫瘍学会年次総会(European Society for Medical Oncology):ESMO2019 Congress」において、自社創製の「レンビマ®」(一般名:レンバチニブメシル酸塩、経口マルチキナーゼ阻害剤、以下 レンバチニブ)および「ハラヴェン®」(一般名:エリブリンメシル酸塩、ハリコンドリン系微小管ダイナミクス阻害剤、以下 エリブリン)に関する最新試験データを発表しますのでお知らせします。

 

 本学会における口頭発表として、レンバチニブとMerck & Co., Inc. Kenilworth, N.J., U.S.A.の抗PD-1抗体「キイトルーダ®」(一般名:ペムブロリズマブ、以下 ペムブロリズマブ)との併用療法について、固形がんを対象とした111/KEYNOTE-146試験(臨床第Ⅰb/Ⅱ相試験)における子宮内膜がんコホートの最終解析結果に関する発表が予定されています(抄録番号:994O)。本併用療法について、2019年9月に、米国食品医薬品局(FDA)の「プロジェクトOrbis」の下で初めてとなる、米国、オーストラリア、カナダの3カ国における承認を達成しました。

 

 ポスター発表として、レンバチニブとペムブロリズマブとの併用療法による、切除不能な肝細胞がんを対象とした116/KEYNOTE-524試験(臨床第Ⅰb相試験)のアップデート(抄録番号:747P)、および111/KEYNOTE-146試験の子宮内膜がんコホートにおける、免疫チェックポイント阻害剤治療後に進行した転移性腎細胞がんを対象とした中間解析結果(抄録番号:1187PD)のほか、エリブリンのリポソーム製剤(E7389-LF)による固形がんを対象とした臨床第Ⅰ相試験の最新データ(抄録番号:348P)の発表など、合計11演題のポスター発表が予定されています。

 

 レンバチニブについて、当社は、2018年3月にMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.とグローバルな共同開発と共同販促を行う戦略的提携契約を締結しています。

 

 当社は、がん領域を重点領域の一つと位置づけており、がんの「治癒」に向けた画期的な新薬創出をめざしています。最先端のがん研究から革新的な創薬を行い、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

  

■口頭発表

※左右にスクロールできます

製品・化合物発表演題・予定日時(現地時間)
レンバチニブ
抄録番号:994O
進行性子宮内膜がん患者様におけるレンバチニブとペムブロリズマブ併用療法
口頭発表:9月29日(日)09:30-09:45

■主なポスター発表

※左右にスクロールできます

製品・化合物発表演題・予定日時(現地時間)
レンバチニブ
抄録番号:1676PD
2歳から25歳以下の再発/難治性骨肉腫の患者様を対象としたレンバチニブ+エトポシド+イホスファミド併用療法の第Ⅰ相用量設定コホート/第Ⅱ相拡大コホート
ポスター発表:9月28日(土)15:00-16:00
レンバチニブ
抄録番号:747P
切除不能な肝細胞がん患者様を対象としたレンバチニブとペムブロリズマブとの併用療法における臨床第Ⅰb相試験の最新結果
ポスター発表:9月29日(日)12:00-13:00
レンバチニブ
抄録番号:1063TiP
第Ⅲ相ENGOT-EN9/LEAP-001:進行性または再発性子宮内膜がん患者様を対象とした一次療法としてのレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法
ポスター発表:9月29日(日)12:00-13:00
レンバチニブ
抄録番号:1187PD

PD-1/PD-L1免疫チェックポイント阻害剤治療後の転移性淡明細胞型腎細胞がん患者様を対象としたレンバチニブとペムブロリズマブとの併用臨床第Ⅱ相試験の中間解析結果
ポスター発表:9月30日(月)08:45-09:45

レンバチニブ
抄録番号:1862PD

放射性ヨウ素治療抵抗性の分化型甲状腺がんの患者様を対象としたレンバチニブの臨床第Ⅲ相試験(SELECT試験)における肺転移の治療成績への影響
ポスター発表:9月30日(月)10:30-11:30

レンバチニブ
抄録番号:1863PD
放射性ヨウ素治療抵抗性の分化型甲状腺がんの患者様を対象としたレンバチニブの処方と治療パターン:カナダの患者様支援プログラム(PSP)の後ろ向き分析
ポスター発表:9月30日(月)10:30-11:30
レンバチニブ
抄録番号:990TiP
第Ⅲ相LEAP-011試験:PD-L1陽性かつシスプラチン不適応、またはプラチナ製剤不適応の進行性尿路上皮がん患者様を対象とした一次療法としてのレンバチニブとペンブロリズマブの併用療法
ポスター発表:9月30日(月)12:00-13:00
レンバチニブ
抄録番号:1375TiP
第Ⅲ相LEAP-003:進行性メラノーマ患者様を対象とした一次療法としてのレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法
ポスター発表:9月30日(月)12:00-13:00
エリブリン
抄録番号:1683P
日本における希少性サブタイプを含む軟部肉腫患者様に対するエリブリンの1年間の追跡結果に基づくリアルワールドデータを用いた観察研究
ポスター発表:9月28日(土)12:00-13:00
エリブリン
抄録番号:348P
進行性固形がん患者様を対象としたエリブリンリポソーム製剤(E7389-LF)の臨床第Ⅰ相試験における用量漸増試験結果
ポスター発表:9月29日(日)12:00-13:00
エリブリン
抄録番号:366P
エリブリン、ゲムシタビンまたはカペシタビンによる治療を受けた肝臓または肺転移を伴う転移性乳がん患者様のリアルワールドデータに基づく1年生存率分析
ポスター発表:9月29日(日)12:00-13:00

 以上

<参考資料>

1. エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による戦略的提携について

2018年3月に、エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. (米国とカナダ以外ではMSD)は、「レンビマ®」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)のグローバルな共同開発および共同販促を行う戦略的提携に合意しました。本合意に基づき、両社は、「レンビマ」について、単剤療法およびMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の抗PD-1抗体「キイトルーダ®」(一般名:ペムブロリズマブ)との併用療法における共同開発、共同販促を行います。
 併用療法については、既に実施している複数のがんを対象とした臨床試験に加え、6種のがんにおける11の適応取得を目的とした新たな臨床試験をLEAP臨床プログラム(LEnvatinib And Pembrolizumab)として実施します。また、LEAP臨床プログラムでは、さらに6種のがんを対象としたバスケット型試験も実施します。

 キイトルーダ®は Merck & Co., Inc. Kenilworth, NJ, USAの子会社であるMerck Sharp & Dohme Corpの登録商標です。

2. エーザイのがん領域の取り組みについて

エーザイは、がん領域において、真の患者様ニーズが満たされておらず、かつ当社がフロントランナーとなり得る機会(立地)として、「ハラヴェン」や「レンビマ」で経験知のある「がん微小環境」とRNAスプライシングプラットフォーム等を用いた「ドライバー遺伝子変異とスプライシング異常」を標的とした抗がん剤の開発にフォーカスしています。これらの立地から新たな標的や作用機序を有する革新的新薬を創出し、がんの治癒の実現に向けて貢献することをめざしています。