「レンビマ®」(レンバチニブ)と「キイトルーダ®」(ペムブロリズマブ)との併用療法について局所治療に適さない切除不能な進行性肝細胞がんの一次治療として米国FDAよりブレイクスルーセラピーに指定

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)とMerck & Co., Inc. Kenilworth, N.J., U.S.A.(NYSE:MRK、Chairman and CEO:Kenneth C. Frazier、北米以外ではMSD)は、このたび、エーザイ創製の経口マルチキナーゼ阻害剤「レンビマ®」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)とMerck & Co., Inc. Kenilworth, N.J., U.S.A.の抗PD-1抗体「キイトルーダ®」(一般名: ペムブロリズマブ)との併用療法について、局所治療に適さない切除不能な進行性肝細胞がんの一次治療として米国食品医薬品局(FDA)より、ブレイクスルーセラピーの指定を受けましたのでお知らせします。

 「レンビマ」と「キイトルーダ」との併用療法におけるブレイクスルーセラピーの指定は、2018年1月の進行性または転移性腎細胞がん、2018年7月の高頻度マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability-high:MSI-H)を有さない、またはDNAミスマッチ修復機能(proficient mismatch repair: pMMR)を有する進行性または転移性子宮内膜がんに次いで、今回が3回目となります。

   

 ブレイクスルーセラピーとは、重篤なあるいは命にかかわる疾患に関する薬剤の開発および審査の促進を目的とした米国FDAの制度です。本指定を受けるためには、一つ以上の臨床的に重要な評価項目において、既存の治療法と比較し、当該薬剤の顕著な改善を示す予備的臨床エビデンスが必要です。

 今回のブレイクスルーセラピーの指定は、臨床第Ib相試験(116試験/KEYNOTE-524試験)の中間解析結果に基づくもので、2019年の米国がん研究会議(American Aassociation for Cancer Research: AACR 2019)において発表しています。

   

 エーザイ株式会社の執行役 オンコロジービジネスグループ チーフメディスンクリエーションオフィサー兼チーフディスカバリーオフィサーである大和隆志博士は、「今回、局所治療に適さない切除不能な進行性の肝細胞がんに対して「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法が示した活性の重要性を、ブレイクスルーセラピー指定という形でFDAに認識していただけたことに、私たちは自信を深めています。私たちはMerck & Co., Inc. Kenilworth, N.J., U.S.A.と共に、患者様にさらなる治療の選択肢をお届けすべく全力を尽くしてまいります」と述べています。

   

 Merck & Co., Inc. Kenilworth, N.J., U.S.A. 研究開発本部 オンコロジークリニカルリサーチ バイスプレジデントであるJonathan Cheng博士は、「私たちはエーザイとの提携において、現在、さまざまな種類のがんを対象に「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法の可能性について検討しています。今回、FDAからブレイクスルーセラピーに指定されたことにより、エーザイと共に、この難治性のがんに対する適応をさらに追加していくことで、この併用療法を通じてさらに多くの患者様に貢献できることを楽しみにしています」と述べています。

 

以 上

   

   

米国における「レンビマ」および「キイトルーダ」の用量・用法・安全性情報などについては、英文プレスリリースをご参照ください。

https://www.eisai.com/news/2019/news201957.html

   

   

本件に関する報道関係お問い合わせ先

  • エーザイ株式会社

    PR部

    TEL:03-3817-5120

    FAX:03-3811-3077

  • Merck & Co., Inc. Kenilworth, N.J., U.S.A.

    Media Relations

    Pamela Eisele: +1(267) 305-3558

    Kristen Drake: +1(908) 334-4688

   

<参考資料>

1.116試験/KEYNOTE-524試験について

 116試験/KEYNOTE-524試験は、切除不能な肝細胞がんに対する「レンビマ」と「キイトルーダ」との併用療法に関する安全性と有効性を評価する、非盲検、単群、多施設共同臨床第Ⅰb相試験です。「レンビマ」は体重によって12mg(60㎏以上)または8mg(60㎏未満)を1日1回経口投与し、「キイトルーダ」は3週ごと200mgを静脈内投与しました。切除不能な肝細胞がんのステージについては、BCLC(Barcelona Clinic Liver Cancer)病期分類がステージB (肝動脈化学塞栓療法が不応であること)、またはステージC、Child-Pugh分類がクラスAおよびECOG(Eastern Cooperative Oncology Group)の全身状態のステータスが1以下の患者様を対象としました。主要評価項目として安全性、独立画像判定(IIR)によるmRECISTに基づく奏効率(Objective Response Rate: ORR)および奏効期間(Duration of Response: DOR)を、副次および探索的評価項目として全生存期間(Overall Survival: OS)、無増悪生存期間(Progression Free Survival: PFS)および無増悪期間(Time To Progression: TTP)などを評価しました。完全奏効(Complete Response: CR)または部分奏効(Partial Response: PR)の確定は、最初に奏効が認められた時点から4週間以上経過した後の評価によってなされました。パート1では、適切な治療方法がない患者様を対象に、治療第1サイクルにおける、用量制限毒性を含む忍容性を評価しました。忍容性の確認後、パート2では、全身化学療法歴のない切除不能な肝細胞がんの患者様が登録され、ORRおよびDORをmRECISTおよびRECIST1.1によって評価しました。

   

2.肝細胞がんについて

 肝がんの罹患率および死亡率は過去10年で増加の一途をたどっています。2019年は米国において42,000人以上が新たに肝がんに診断されると推定されおり(肝内胆管がんを含む)、米国では、肝がんによる死亡者が約32,000人に上ると推定されています。肝細胞がんは、肝がんにおいて最も発症頻度が高く、肝がんの約90%は肝細胞がんと考えられています。

 肝がんは、進行期に診断されることが多く、固形がんの中では死亡率が最も高く、5年生存率は約18%と報告されています。

 治療アプローチは診断時の病態ステージによって決定されます。肝細胞がんの第一治療選択は外科的切除や肝臓移植などの外科手術ですが、これらは初期の肝細胞がんにのみ適応されるため、外科手術に適さない切除不能な肝細胞がんの場合は、治療薬が限られており、予後が極めて悪く、生存期間の中央値は1年未満と報告されています。約70%の患者様は、外科的切除、腫瘍アブレーションや肝臓移植には適さず、切除不能な治療の選択肢は限られています。

   

3.「レンビマ」(一般名: レンバチニブメシル酸塩)ついて

 「レンビマ」は、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)であるVEGFR1、VEGFR2、VEGFR3や線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)のFGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4に加え、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)のPDGFRα、KIT、RETなどの腫瘍血管新生あるいは腫瘍悪性化に関与する受容体型チロシンキナーゼに対する選択的阻害活性を有する、経口投与可能なエーザイ創製のマルチキナーゼ阻害剤です。

 現在、本剤は、甲状腺がんに係る適応で米国、日本、欧州などで承認を取得しています。また、肝細胞がんに係る適応で米国、日本、欧州、中国、アジアなどで承認を取得しています。さらに、腎細胞がん(二次治療)に対するエベロリムスとの併用療法に係る適応で米国、欧州、アジアなどで承認を取得しています。欧州での腎細胞がんに係る適応については「Kisplyx®」の製品名で発売しています。

   

4.「キイトルーダ」(一般名:ペムブロリズマブ)について

 「キイトルーダ」は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。「キイトルーダ」はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との相互作用を阻害してTリンパ球を活性化し、がん細胞を攻撃するヒト化モノクローナル抗体です。 Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,000を超える「キイトルーダ」の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。「キイトルーダ」の臨床プログラムでは、さまざまながんにおける「キイトルーダ」の役割や、「キイトルーダ」による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。

   

5.エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による戦略的提携について

 2018年3月に、エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. (米国とカナダ以外ではMSD)は、「レンビマ®」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)のグローバルな共同開発および共同販促を行う戦略的提携に合意しました。本合意に基づき、両社は、「レンビマ」について、単剤療法およびMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の抗PD-1抗体「キイトルーダ®」(一般名:ペムブロリズマブ)との併用療法における共同開発、共同販促を行います。

 併用療法については、既に実施している腎細胞がんなど複数のがんを対象とした臨床試験に加え、6種のがん(子宮内膜がん、肝細胞がん、メラノーマ、非小細胞肺がん、頭頸部扁平上皮がん、尿路上皮がん)における11の適応取得を目的とした新たな臨床試験をLEAP臨床プログラム(LEnvatinib And Pembrolizumab)として実施します。また、LEAP臨床プログラムでは、さらに6種のがんを対象としたバスケット型試験(胆道がん、トリプルネガティブ乳がん、大腸がん、胃がん、膠芽腫 、卵巣がん)も実施します。

 現時点で、承認された「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法の適応はありません。

   

6.エーザイについて

 エーザイは、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念としています。当社はグローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、hhcの実現に向けて戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において、世界中の約1万人の社員が革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。

 当社はhhcの理念のもと、サイエンス、臨床科学、患者様の視点から、顧みられない熱帯病、持続可能な開発目標(SDG)を含む世界のアンメット・メディカル・ニーズに対して、革新的なソリューションの提供をめざします。

 エーザイ株式会社の詳細情報は、www.eisai.co.jpをご覧ください。Tiwtterアカウント@Eisai_SDGsでも情報公開しています。

   

7.Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.について

 Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は 1 世紀以上にわたり、バイオ医薬品のグローバルリーダー企業として人々の生命を救い、生活を改善するために、世界で最も治療が困難な病気のための革新的な医薬品やワクチンの製造に取り組んできました。Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は、米国およびカナダ以外の地域では MSDの名称で知られています。医療用医薬品、ワクチン、バイオ医薬品およびアニマルヘルス製品の提供を通じてお客様と協力し、世界 140 カ国以上で事業を展開して革新的なヘルスケア・ソリューションを提供しています。また、さまざまなプログラムやパートナーシップを通じて、医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。Merck & Co., Inc. Kenilworth, N.J., U.S.A.は今も、がん、生活習慣病、新種の動物病、アルツハイマー病、HIV やエボラなどの感染病をはじめとして、世界中で人々の命やコミュニティを脅かしている病気の治療や予防のために、研究開発の最前線に立ち続けています。詳細については当社ウェブサイト www.merck.com や Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の Twitter、Facebook、YouTube、LinkedIn をご参照ください。

   

8. Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.のがん領域における取り組み

 Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.では、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。オンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じて、がん免疫療法のポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。

   

9.Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の将来に関する記述

 Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(以下、当社)が発行した本リリースには、米国の 1995 年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、当社の経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、当社による将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対する当社の特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。当社は、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、当社に関する Form 10-K の 2018年度年次報告書および SEC のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できる米国証券取引委員会(SEC)に対するこの他の書類で確認できます。