第55回米国臨床腫瘍学会年次総会におけるエーザイのがん領域の開発品・製品に関する演題について

エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、2019年5月31日~6月4日に米国シカゴで開催される「第55回米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology:ASCO)年次総会」において、当社が創製したレンバチニブメシル酸塩(マルチキナーゼ阻害剤、製品名:「レンビマ®」、以下 レンバチニブ)、エリブリンメシル酸塩(ハリコンドリン系微小管ダイナミクス阻害剤、製品名:「ハラヴェン®」、以下 エリブリン)、MORAb-202(抗体薬物複合体、ADC:antibody-drug conjugate)、およびオンコロジー領域のプレシジョンメディシンの研究開発に重点を置く当社米国子会社H3 Biomedicine Inc.創製のH3B-6527(線維芽細胞増殖因子受容体4阻害剤)、H3B-6545(選択的エストロゲン受容体α共有結合型アンタゴニスト)に関する最新情報を発表することをお知らせします。

 主な発表として、当社初のADCであるMORAb-202について、日本において固形がんを対象に進行中の臨床第Ⅰ相試験に関する最新データが発表されます。MORAb-202は、自社創製で臨床開発中の抗葉酸受容体α(FRA)抗体ファルレツズマブに、自社創製の抗がん剤エリブリンを結合薬剤(ペイロード)として組み合わせた新規ADCです。

 当社は、がん領域を重点領域の一つと位置づけており、がんの「治癒」に向けた革新的な新薬創出をめざしています。最先端のがん研究から革新的な創薬を行い、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

■主なポスター発表

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製品・化合物発表演題・予定日時(現地時間)
レンバチニブ
抄録番号: 6081
レンバチニブ治療を受けた放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がん患者様の予後に対するベースラインの腫瘍サイズおよびECOG(米国東海岸がん臨床試験グループ)パフォーマンスステータスの影響
ポスター発表:6月1日(土) 1:15 PM-4:15 PM
レンバチニブ
抄録番号: TPS5607
進行性子宮内膜がん患者様を対象としたレンバチニブとペムブロリズマブ併用療法の有効性と安全性を評価する臨床第Ⅲ相試験
ポスター発表:6月1日(土) 1:15 PM-4:15 PM
レンバチニブ
抄録番号: TPS9118
転移性非扁平上皮非小細胞肺がん患者様を対象とした一次療法としてのレンバチニブ併用または非併用下におけるペムブロリズマブとプラチナ製剤(化学療法)の併用療法:無作為化二重盲検臨床第Ⅲ相試験(LEAP-006試験)
ポスター発表:6月2日(日) 8:00 AM-11:00 AM
レンバチニブ
抄録番号: TPS4152

進行性肝細胞がん患者様を対象とした一次療法としてのレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法:臨床第Ⅲ相試験(LEAP-002試験)
ポスター発表:6月3日(月) 8:00 AM-11:00 AM

レンバチニブ
抄録番号: TPS9594
抗PD-1/PD-L1抗体療法歴を有する進行性メラノーマ患者様を対象としたレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法:臨床第Ⅱ相試験(LEAP-004試験)
ポスター発表:6月3日(月) 8:00 AM-11:00 AM
エリブリン
抄録番号: 2606
HER2陰性転移性乳がん患者様を対象としたBalixafortide(CXCR4拮抗薬)とエリブリンの併用療法:臨床第Ⅰ相試験における生存との関係性
ポスター発表:6月1日(土) 8:00 AM-11:00 AM
MORAb-202
抄録番号: 5544
葉酸受容体α(FRA)陽性の進行性固形がん患者様に対するMORAb-202のファースト・イン・ヒューマン臨床第Ⅰ相試験
ポスター発表:6月1日(土) 1:15 PM-4:15 PM
H3B-6545
抄録番号: 1052
エストロゲン受容体陽性の転移性乳がん患者様を対象としたH3B-6545の臨床第Ⅰ相試験における血中循環腫瘍DNA(ctDNA)の分子特性とモニタリング
ポスター発表:6月2日(日) 8:00 AM-11:00 AM
H3B-6545
抄録番号: 1059
エストロゲン受容体陽性/HER2受容体陰性の乳がん患者様を対象としたファースト・イン・クラス選択的エストロゲン受容体α共有結合型アンタゴニスト(SERCA)の臨床第Ⅰ相用量漸増試験
ポスター発表:6月2日(日) 8:00 AM-11:00 AM
H3B-6527
抄録番号: 4095
肝細胞がんまたは肝内胆管がん患者様を対象としたH3B-6527の臨床第Ⅰ相試験
ポスター発表:6月3日(月) 8:00 AM-11:00 AM
H3B-6527
抄録番号: 4121
肝細胞がん患者様サンプルを用いたH3B-6527の臨床バイオマーカーアッセイ法の開発および特性評価
ポスター発表:6月3日(月) 8:00 AM-11:00 AM

以上

<参考資料>

 

1. エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による戦略的提携について

 2018年3月に、エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. (米国とカナダ以外ではMSD)は、「レンビマ®」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)のグローバルな共同開発および共同販促を行う戦略的提携に合意しました。本合意に基づき、両社は、「レンビマ」について、単剤療法およびMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の抗PD-1抗体「キイトルーダ®」(一般名:ペムブロリズマブ)との併用療法における共同開発、共同販促を行います。

 併用療法については、既に実施している腎細胞がんなど複数のがんを対象とした臨床試験に加え、6種のがん(子宮内膜がん、肝細胞がん、メラノーマ、非小細胞肺がん、頭頸部扁平上皮がん、尿路上皮がん)における11の適応取得を目的とした新たな臨床試験をLEAP臨床プログラム(LEnvatinib And Pembrolizumab)として実施します。また、LEAP臨床プログラムでは、さらに6種のがんを対象としたバスケット型試験(胆道がん、乳がん、大腸がん、胃がん、脳腫瘍、卵巣がん)も実施します。

 現時点で、承認された「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法の適応はありません。

 

 キイトルーダ®は Merck & Co., Inc. Kenilworth, NJ, USAの子会社であるMerck Sharp & Dohme Corpの登録商標です。