エーザイ、メダック社と抗リウマチ剤メトトレキサート皮下注射製剤に関して日本におけるライセンス契約を締結

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、medac GmbH (本社:ドイツヴェーデル、以下 メダック社)と、同社が欧米を中心に販売中の抗リウマチ剤メトトレキサート(MTX)皮下注射製剤(プレフィルドシリンジ製剤)について、日本における商業化に関するライセンス契約を締結したことをお知らせします。

 

 本契約により、当社は、日本におけるMTXの皮下注射製剤に関する独占的販売権を獲得します。日本においては、メダック社が臨床試験を実施し、製造販売承認申請を行う予定です。承認取得後は、当社が販売を行います。なお、本契約に基づき、当社は、メダック社に対して契約一時金と開発ならびに販売マイルストンを支払います。

 

 MTXは、関節リウマチ治療において第一選択薬として使用されています。しかし、経口投与においては、生物学的利用能(bioavailability)の個体間変動の存在が知られています1。今回、当社がメダック社から導入したMTX皮下注射製剤は、1週間に1度皮下に注射することにより、生物学的利用能を高く維持できることが期待されています。また、経口剤に比べて消化管の副作用が低くなることが報告されています2,3

 

 日本には約70~80万人の関節リウマチ患者様がいるといわれています4。当社は、国内において、抗リウマチ剤「ヒュミラ®」および「ケアラム®」を販売しており、関節リウマチ領域における豊富な臨床データと経験を有しています。今回、これらの製品に関節リウマチ治療の第一選択薬である本剤が加わることで、治療初期から幅広いステージの関節リウマチ患者様への貢献が可能となります。

 当社は、関節リウマチの薬物治療における新たな選択肢を提供することにより、関節リウマチ患者様の多様なニーズの充足とベネフィット向上に、より一層貢献してまいります。

  

以上

<参考資料> 

1. メトトレキサート皮下注射製剤について

 メトトレキサート(MTX)は、関節リウマチ治療のアンカードラッグに位置づけられています5。関節リウマチへの作用として、リンパ球等における葉酸代謝阻害による細胞増殖抑制作用および滑膜の血管内皮細胞等におけるアデノシン合成促進による抗炎症作用などが考えられています。MTX皮下注射製剤は、1週間に1度、皮下に注射することにより、生物学的利用能を高く維持できることが期待されています。また、経口剤に比べて消化管の副作用が低くなることが報告されています2,3

 

2. メダック社について  

 メダック社は、1970年に創設され、がん、泌尿器および自己免疫疾患の治療と診断について展開するハンブルク郊外・ヴェーデルにある製薬会社で、これらの領域における特定の専門性を追求しています。メダック社は、事業活動と専門性についてその責任を自覚し、患者様、医師、研究者および医療機関に対して、完璧な品質で信頼のある製品を提供しています。

 メダック社の詳細情報は、https://www.medac.de(ドイツ語)をご覧ください。

 

1 Lebbe C, et al. Ann Rheum Dis 1994; 53(7) 475-477

2 Rutkowska-Sak L, et al. Reumatologia 2009; 47 (4) 207-211

3 Cipriani P, et al. Clin Ther 2014; 36(3) 427-435

4 Report from Study Committee on Rheumatoid Arthritis and Allergy

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001nfao-att/2r9852000001nfdx.pdf

5 日本リウマチ学会 関節リウマチにおけるメトトレキサート(MTX)診療ガイドライン 2016年改訂版