エーザイとUK Dementia Research Institute
認知症研究を加速する新しい博士研究員プログラムを共同で開始

エーザイ株式会社

UK Dementia Research Institute

 

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)とUK Dementia Research Institute(以下 UK DRI)は、このたび、英国において認知症研究を支援するための博士研究員プログラムを共同で開始しましたのでお知らせします。UK DRIとして初めてとなる本産学共同プログラムは、あらゆるタイプの認知症に関する診断、治療、予防の改善に向けた橋渡しに繋がる革新的研究を推進することを目的としています。

 

 認知症の患者様数は、全世界で約5,000万人と推計されています。世界の人口高齢化が進む中、認知症患者様数は増加の一途をたどり、2030年には8,200万人、2050年には1億5,200万人に達すると予測されています1

 

 この世界的課題に取り組むため、UK DRIは世界をリードする研究者を集め、アルツハイマー病、パーキンソン病、前頭側頭型認知症、血管性認知症、ハンチントン病などを含む全ての認知症に関する研究を行う国立認知症研究機構です。本共同プログラムでは、2019年から2023年の間に、認知症を研究する博士研究員に研究助成金が支給されます。助成を受けた博士研究員は、UK DRIの世界最先端の研究施設において、エーザイの探索研究およびトランスレーショナル研究の支援のもと、認知症に関する新しい治療ターゲット分子およびメカニズムの探索研究、新規認知症モデルの構築をめざすとともに、これらの研究成果の診断、治療、ケアへの橋渡しを加速します。

 

 UK DRIのDirector兼COOであるAdrian Ivinson博士は、「本コラボレーションは、UK DRIが認知症サイエンスと患者様アウトカムに貢献するために、企業とパートナーシップを組んでいくという素晴らしい事例です。私たちは、エーザイからの投資とパートナーシップ、そして認知症治療のために新たなフロンティアに挑戦する研究者の努力に感謝しています。私たちは、認知症研究に新しい考え方を取り入れること、そしてアイデアとエネルギーに満ちたUK DRIのコミュニティーに、優れた研究者を迎え入れることを楽しみにしています」と述べています。

 

 エーザイの執行役 ニューロロジービジネスグループのチーフディスカバリーオフィサーである木村禎治博士は、「世界最大の認知症研究機構であるUK DRIと、エーザイが民間企業として初めて共同プログラムを開始できることを大変嬉しく思います。本共同プログラムは、英国において世界最先端の認知症研究に取り組む博士研究員に、自身の能力を最大限に発揮する環境を提供する極めてユニークな試みです。本プログラムのもとで、認知症治療に結びつく斬新なアイデアが具現化することに期待しています」と述べています。

 

 エーザイは、1990年以来、英国において神経変性疾患に関する研究を行っています。2012年には、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)と共同研究を開始しました。本共同研究は、エーザイのオープンイノベーション構想の一環として、最先端の研究者とともに、最新の研究成果を神経変性疾患に対する革新的な治療法に繋げるべく2023年まで実施されます。

  

以上

   

本件に関する報道関係お問い合わせ先

  • エーザイ株式会社

    PR部

    TEL:03-3817-5120

  • UK Dementia Research Institute Media Enquiries

    Lucy Wilson

    TEL:+44 (0)20 3108 6853

    Lucy.Wilson@ucl.ac.uk

 

<参考資料> 

1. エーザイ株式会社について
 エーザイは、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念としています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において、世界で約1万人の社員が革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。

 また、当社は開発途上国・新興国における医薬品アクセスの改善に向け主要なステークホルダーズとの連携を通じ積極的な活動を展開しています。

 エーザイ株式会社の詳細情報は、www.eisai.co.jpをご覧ください。

 

2. UK Dementia Research Institute(UK DRI)について  

 UK DRIは、Medical Research Council(英医学研究会議)、Alzheimer's Society(英アルツハイマー協会)、Alzheimer's Research UK(アルツハイマー・リサーチUK)の出資のもと、認知症研究における世界的リーダーらにより運営されている国立研究機構です。UK DRIは、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン (UCL)、ケンブリッジ大学、カーディフ大学、エジンバラ大学、インペリアル・カレッジ・ロンドン、キングス・カレッジ・ロンドンの英国内の6つの研究センターおよびハブ機能としてのUCL(本部)から構成され、世界有数の優れた研究資源へのアクセスと緊密な連携を実現し、世界をリードする認知症研究者を集結させることで認知症に対する革新的なアプローチをもたらし、患者様のより良いケアに繋げることをめざしています。

   

1 Alzheimer’s Disease International. World Alzheimer Report 2018.

 https://www.alz.co.uk/research/world-report-2018 (2019年3月時点).