米国神経学会年次総会にてレンボレキサントおよびペランパネルに関する最新データを発表

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、2019年5月4日から10日まで米国ペンシルベニア州フィラデルフィアで開催される「米国神経学会(American Academy of Neurology)年次総会:AAN2019」において、デュアルオレキシン受容体拮抗剤レンボレキサントおよび抗てんかん剤ペランパネル(製品名「フィコンパ®」、海外製品名「Fycompa®」)に関する最新データを発表しますのでお知らせします。

 

 主な発表としては、レンボレキサントに関して、プラセボおよび実薬を対照とした3つの無作為化、二重盲検臨床試験結果から、自動車運転能力、覚醒直後の姿勢安定性、注意力および記憶力の検査などを用いたレンボレキサントの翌朝への持ち越し効果を評価した口頭発表が予定されています。

 また、ペランパネルに関して、4歳以上12歳未満の小児てんかんの患者様を対象とした臨床第Ⅲ相試験(311試験)の最終解析結果、およびてんかん患者様に対するペランパネルでの治療前後において入院治療を要した割合を比較した研究結果など、18演題のポスター発表が予定されています。

 

 当社は、神経領域を重点疾患領域と位置づけており、レンボレキサント、ペランパネルの価値最大化を図ることにより、患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

 

 

■口頭発表

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演題番号・予定日時(現地時間)発表演題

セッション46:
睡眠の科学と治療の最新状況
発表:5月9日(木)13:00-15:00

レンボレキサントの翌朝への影響:3つの無作為化臨床試験の結果

■ポスター演題発表

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演題番号・予定日時(現地時間)発表演題
ポスター番号: 5-009
ポスターセッション:P1
発表:5月5日(日)17:30-18:30

てんかんの症状と影響:定性的な患者様インタビューからの知見

ポスター番号: 5-021
ポスターセッション:P1
発表:5月5日(日)17:30-18:30
4歳以上7歳未満および7歳以上12歳未満の小児てんかん患者様の部分発作または強直間代発作に対するペランパネル併用療法の安全性と有効性:311試験(臨床第Ⅲ相試験)最終解析結果
ポスター番号: 5-024
ポスターセッション:P1
発表:5月5日(日)17:30-18:30
12歳以上のてんかん患者様を対象とした市販後観察研究におけるペランパネル併用療法の安全性および忍容性の評価
ポスター番号: 5-029
ポスターセッション:P1
発表:5月5日(日)17:30-18:30
経口投与に代わるペランパネル静脈内投与製剤の生物学的同等性の薬物動態評価
ポスター番号: 5-001
ポスターセッション:P3
発表:5月7日(火)17:30-18:30
4歳以上12歳未満の小児てんかん患者様の部分発作または強直間代発作に対するペランパネル併用療法の安全性と有効性:311試験(臨床第Ⅲ相試験)最終解析結果
ポスター番号: 5-002
ポスターセッション:P3
発表:5月7日(火)17:30-18:30
消失半減期が長いまたは短い抗てんかん薬の治療を受けた難治性てんかん患者様の入院治療リスクの比較
ポスター番号: 5-005
ポスターセッション:P3
発表:5月7日(火)17:30-18:30

難治および超難治性を含むてんかん重積状態へのペランパネル投与:オーストリア、フィンランド、ドイツ、スペインの症例提示

ポスター番号: 5-007
ポスターセッション:P3
発表:5月7日(火)17:30-18:30
4歳以上12歳未満の部分てんかん患者様を対象としたペランパネル併用療法の酵素誘導型抗てんかん薬併用有無別の安全性と有効性:311試験(臨床第Ⅲ相試験)最終解析結果
ポスター番号: 5-017
ポスターセッション:P3
発表:5月7日(火)17:30-18:30
生後1カ月以上24カ月未満の小児てんかん患者様を対象としたペランパネル経口懸濁液に関する非盲検薬物動態試験、臨床第Ⅱ相試験:238試験のデザインと予備的な安全性データ
ポスター番号: 5-018
ポスターセッション:P3
発表:5月7日(火)17:30-18:30
ペランパネルまたはラコサミドの治療を受けたてんかん患者様の入院治療率
ポスター番号: 5-019
ポスターセッション:P3
発表:5月7日(火)17:30-18:30
410試験の登録状況アップデート: 12歳以上のてんかん患者様の部分発作または強直間代発作に対するペランパネル単剤療法あるいは一次併用療法に関する多施設共同、非盲検、臨床第Ⅳ相試験
ポスター番号: 5-022
ポスターセッション:P3
発表:5月7日(火)17:30-18:30
てんかん患者様におけるペランパネルによる治療前後の入院治療リスク
ポスター番号: 5-027
ポスターセッション:P3
発表:5月7日(火)17:30-18:30
活動性強直間代発作を有する患者様の増加する医療負担
ポスター番号: 5-004
ポスターセッション:P5
発表:5月9日(木)17:30-18:30
てんかん患者様に対するペランパネル併用療法:母集団薬物動態解析および曝露反応解析
ポスター番号: 5-008
ポスターセッション:P5
発表:5月9日(木)17:30-18:30
てんかん患者様を対象としたペランパネルの実臨床下治療:レトロスペクティブ臨床第Ⅳ相の506試験 – 第2回中間解析
ポスター番号: 5-009
ポスターセッション:P5
発表:5月9日(木)17:30-18:30
506試験:リアルワールドデータを対象としたペランパネルのレトロスペクティブ臨床第Ⅳ相試験:小児てんかん患者様(12歳未満)サブグループの第2回中間解析
ポスター番号: 5-014
ポスターセッション:P5
発表:5月9日(木)17:30-18:30
てんかんを有するメディケイド利用患者様のペランパネル投与前後における入院治療リスク
ポスター番号: 5-017
ポスターセッション:P5
発表:5月9日(木)17:30-18:30
506試験 – リアルワールドデータを対象としたペランパネルのレトロスペクティブ臨床第Ⅳ相試験の第2回中間解析:青年期(12歳以上18歳未満)のてんかん患者様のサブグループ解析

  

以上

<参考資料>

1. レンボレキサントについて

 レンボレキサントは、エーザイ創製の新規低分子化合物で、オレキシン受容体の2種のサブタイプ(オレキシン1および2受容体)に対し、オレキシンと競合的に結合する拮抗剤です。正常な睡眠覚醒リズムにおいて、オレキシンの神経伝達によって覚醒が促進されると考えられていますが、不眠障害では、覚醒を制御するオレキシンの神経伝達が正常に働いていない可能性があります。正常な睡眠時はオレキシン作動性神経が抑制されることから、オレキシンによる神経伝達の阻害により睡眠導入や睡眠維持をはかることができる可能性があると考えられています。加えて、軽度、中等度アルツハイマー型認知症に伴う不規則睡眠覚醒リズム障害(ISWRD)を対象とした臨床第Ⅱ相試験が進行中です。

 

2. ペランパネル(一般名、日本製品名「フィコンパ」、海外製品名「Fycompa」)について

 ペランパネルは、当社が創製したファースト・イン・クラスの抗てんかん剤です。てんかん発作は、神経伝達物質であるグルタミン酸により誘発されることが報告されており、本剤は、グルタミン酸によるシナプス後膜のAMPA受容体の活性化を阻害し、神経の過興奮を抑制する高選択、非競合AMPA受容体拮抗剤です。ペランパネルは、1日1回就寝前に経口投与するタイプの錠剤です。米国では、経口懸濁液の承認も取得しています。

 本剤は、12歳以上のてんかん患者様の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する併用療法について、米国、日本、欧州、アジアなど55カ国以上で承認を取得しています。また、中国において、部分てんかん併用療法に係る適応で申請中であり、優先審査の指定を受けています。さらに本剤は、12歳以上の全般てんかん患者様の強直間代発作に対する併用療法について、米国、日本、欧州、アジアなど50カ国以上で承認を取得しています。米国においては4歳以上のてんかん患者様の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する単剤および併用療法の承認も取得しています。日本においては、てんかんの部分発作に対する単剤療法および4歳以上の小児てんかんの部分発作に係る適応、並びに細粒剤の剤形を追加申請しています。欧州においては、小児てんかん患者様の部分発作(二次性全般化発作を含む)および小児の特発性全般てんかん患者様の強直間代発作に対する併用療法に係る適応を追加申請しています。

 本剤について、レノックス・ガストー症候群に伴うてんかん発作を有する患者様を対象としたグローバル臨床第Ⅲ相試験(338試験)を実施しています。