BACE阻害剤elenbecestatの早期アルツハイマー病を対象とした臨床第Ⅲ相試験について安全性データモニタリング委員会が試験継続を推奨

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、現在開発中の経口βサイト切断酵素(BACE)阻害剤elenbecestat(開発コード:E2609)の早期アルツハイマー病(AD)を対象としたグローバル臨床第Ⅲ相試験(MISSION AD)について、8回目の独立安全性データモニタリング委員会において、認知機能の悪化を含めた安全性データがレビューされ、本試験の継続が推奨されたことをお知らせします。elenbecestatについて、当社はバイオジェン・インク (本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)と共同開発を行っています。

 

 Elenbecestatの臨床第Ⅲ相試験プログラム(MISSION AD)は、同一プロトコルの2つのグローバル臨床第Ⅲ相試験であるMISSION AD1(301試験)およびMISSION AD2(302試験)から構成されます。両試験ともアミロイドの脳内蓄積が確認されたアルツハイマー病による軽度認知障害(MCI due to AD)および軽度アルツハイマー病(総称して早期AD)と判定された患者様を対象にelenbecestatの有効性と安全性を検証する多施設共同、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較試験です。投与期間は24カ月、実薬群は50mg/日の1用量とし、患者様を実薬群とプラセボ群に無作為に割り付けます。また、プライマリーエンドポイントとしてCDR-SB(Clinical Dementia Rating Sum of Boxes)を用います。

 MISSION ADについて、2019年3月の患者様登録の完了を予定しています。

 

 当社は、世界的に大きな課題となっているアルツハイマー病に対する革新的な治療薬を一日も早く創出し、アンメット・メディカル・ニーズの充足と患者様とそのご家族のベネフィット向上に、より一層貢献してまいります。

 

以上

<参考資料>

  

1. Elenbecestat(一般名、開発コード:E2609)について

 Elenbecestatは、次世代経口アルツハイマー病(AD)治療剤として開発しているエーザイ創製のBACE(βサイト切断酵素)阻害剤です。ElenbecestatはAβ産生に関する重要な酵素であるBACEを阻害することにより、Aβの産生を低下させ、脳内のアミロイドプラーク形成を減少させることにより、ADの進行を抑制する疾患修飾作用が期待されています。現在、ADに伴う軽度認知障害から軽度のAD(総称して早期AD)を対象とした2つのグローバル臨床第Ⅲ相試験(MISSION AD1/2)が進行中です。本剤の米国での開発については、重篤な疾患に対する新たな治療法や重要なアンメット・メディカル・ニーズを満たす可能性のある薬剤として、米国食品医薬品局(FDA)が迅速に審査するファストトラック指定を受けています。

 

2. MISSION ADについて

 2016年10月に開始した、elenbecestatの臨床第Ⅲ相試験プログラム(MISSION AD)は、同一プロトコルの2つのグローバル臨床第Ⅲ相試験であるMISSION AD1(301試験)およびMISSION AD2(302試験)から構成され、世界30カ国、400以上の施設において実施中です。両試験ともアミロイドの脳内蓄積が確認されたアルツハイマー病による軽度認知障害(MCI due to AD)および軽度アルツハイマー病(総称して早期AD)と判定された患者様を対象にelenbecestatの有効性と安全性を検証する多施設共同、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較試験です。投与期間は24カ月、実薬群は50mg/日の1用量とし、患者様を実薬群とプラセボ群に無作為に割り付けます。また、プライマリーエンドポイントとしてCDR-SB(Clinical Dementia Rating Sum of Boxes)を用います。