欧州臨床腫瘍学会年次総会におけるエーザイのがん領域の開発品・製品に関する演題について

エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、2018年10月19日から23日までドイツ・ミュンヘンで開催される「欧州臨床腫瘍学会年次総会(European Society for Medical Oncology): ESMO2018 Congress」において、当社が創製した「レンビマ®/Kisplyx®」(一般名:レンバチニブメシル酸塩、新規結合型選択的チロシンキナーゼ阻害剤、以下 レンバチニブ)および「ハラヴェン®」(一般名:エリブリンメシル酸塩、ハリコンドリン系微小管ダイナミクス阻害剤、以下 エリブリン)に関する最新試験データを発表しますのでお知らせします。

 本学会における口頭発表として、レンバチニブについて、放射性ヨウ素治療抵抗性の分化型甲状腺がん患者様を対象とした投与前の腫瘍増殖速度とレンバチニブの有効性に関する発表が予定されています。
 ポスター発表として、転移性腎細胞がんを対象とした、レンバチニブ、エベロリムスおよび2剤併用療法における血清バイオマーカーと有効性の相関解析結果をはじめ、レンバチニブで2演題、エリブリンで3演題の合計5演題が予定されています。

 当社は、レンバチニブについて、2018年3月にMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.とグローバルな共同開発と共同販促を行う戦略的提携契約を締結しています。

 当社は、がん領域を重点領域の一つと位置づけており、がんの「治癒」に向けた画期的な新薬創出をめざしています。最先端のがん研究から革新的な創薬を行い、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

■口頭発表

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製品・化合物発表演題・予定日時(現地時間)
レンバチニブ
抄録番号:1819O
放射性ヨウ素治療抵抗性の分化型甲状腺がんにおけるレンバチニブ投与前の腫瘍増殖速度とレンバチニブの有効性
口頭発表:10月22日(月)15:09-15:21

■主なポスター発表

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製品・化合物発表演題・予定日時(現地時間)
レンバチニブ
抄録番号: 76P
転移性腎細胞がん患者様を対象としたレンバチニブ(LEN)、エベロリムス(EVE)およびLEN+EVE併用療法の臨床第Ⅱ相試験における血清バイオマーカーと有効性の相関解析
ポスター発表:10月20日(土)12:30-13:30
レンバチニブ
抄録番号: 59PD
切除不能な肝細胞がん患者様に対するレンバチニブとソラフェニブを比較した臨床第Ⅲ相試験(REFLECT試験)における血清バイオマーカーの最終解析
ポスター発表:10月20日(土)15:00-16:00、ポスター議論:15:30-16:00
エリブリン
抄録番号: 314P
進行性または転移性のHER2陰性乳がんにおけるエリブリンの一次、二次化学療法: 実臨床における前向き研究
ポスター発表:10月22日(月)12:45-13:45
エリブリン
抄録番号: 311P

HER2陰性、ヒアルロン酸高発現の転移性乳がん患者様を対象としたエリブリン+ PEG化遺伝子組換えヒト型ヒアルロン酸分解酵素(PEGPH20)併用療法における臨床第Ⅰb/Ⅱ相試験の早期結果
ポスター発表:10月22日(月)12:45-13:45

エリブリン
抄録番号: 348P

英国でのトリプルネガティブ乳がん治療におけるエリブリンの医療経済的評価
ポスター発表:10月22日(月)12:45-13:45

以上

<参考資料>

1. 「レンビマ®/Kisplyx®」(一般名: レンバチニブメシル酸塩)について

「レンビマ」は、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)であるVEGFR1、VEGFR2、VEGFR3や線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)のFGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4に加え、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)のPDGFRα、KIT、RETなどの腫瘍血管新生あるいは腫瘍悪性化に関与する受容体型チロシンキナーゼに対する選択的阻害活性を有する経口投与可能な、エーザイ創製の新規結合型チロシンキナーゼ阻害剤です。
 現在、本剤は、甲状腺がんに係る適応で米国、日本、欧州など50カ国以上で承認を取得しています。また、米国、欧州など45カ国以上で、腎細胞がん(二次治療)に対するエベロリムスとの併用療法に係る承認も取得しています。欧州での腎細胞がんに係る適応については「Kisplyx®」の製品名で発売しています。
 さらに、肝細胞がんに係る適応で、日本、米国、欧州、中国などにおいて承認を取得しています。また、台湾(2017年12月)などにおいて承認申請中です。

2. エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による戦略的提携について

2018年3月に、エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. (米国とカナダ以外ではMSD)「レンビマ」のグローバルな共同開発および共同販促をおこなう戦略的提携に合意しました。本合意に基づき、「レンビマ」について、単剤療法およびMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の抗PD-1抗体「キイトルーダ®」(一般名:ペムブロリズマブ)との併用療法における共同開発、共同販促を行います。併用療法については、既に実施している臨床試験に加え、6種のがんにおける11の適応取得を目的とした臨床試験、複数のがんに対するバスケット型臨床試験を共同して同時並行で実施すべく、準備を進めています。現時点で、承認された「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法の適応はありません。

キイトルーダ®は Merck & Co., Inc. Kenilworth, NJ, USAの子会社であるMerck Sharp & Dohme Corpの登録商標です。