アッヴィとエーザイ、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ®」について更なる適応追加として既存治療で効果不十分な膿疱性乾癬に係る承認を取得

アッヴィ合同会社
エーザイ株式会社

アッヴィ合同会社(本社:東京都、社長:ジェームス・フェリシアーノ、以下 アッヴィ)とエーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)は、ヒト型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体「ヒュミラ®」(一般名:アダリムマブ<遺伝子組換え>、以下「ヒュミラ」)について、既存治療で効果不十分な膿疱性乾癬に係る適応追加の承認を本日取得したことをお知らせします。今回の承認により、ヒュミラは日本において10番目の適応症を得たこととなります。

今回の適応追加の承認は、日本人患者さんを対象とした臨床第Ⅲ相試験のデータに基づいています。本試験は、膿疱性乾癬(汎発型)と診断され、既存の膿疱性乾癬治療薬 (エトレチナート、シクロスポリン等) で十分な効果が得られなかった患者さんにおいて、ヒュミラの有効性と安全性を評価したものです。非盲検試験における投与16週後に臨床的改善(ベースラインからの皮膚症状スコアが改善又は寛解)を達成した患者さんの割合は70%(7/10例)でした1。副作用は30%(3/10例)で認められ、その内訳は好酸球増多症、細菌性腸炎、帯状疱疹及び眼挫傷(それぞれ10%(1/10例))でした。新たな安全性のシグナルは認められませんでした2

膿疱性乾癬は厚生労働省により難病に指定されている疾患で、主な症状として発熱、全身倦怠感、発赤や四肢のむくみとともに全身に出る膿疱(のうほう~皮膚に膿がたまったもの)を伴います。この疾患により特定疾患の受給を受けている患者さんは、全国で2,072人いると報告されており、最近5年間で200人以上増加しています(平成28年度末時点)3。膿疱性乾癬の診療ガイドライン4では、エトレチナートやメトトレキサート、シクロスポリンと共に、抗TNF-α抗体製剤も膿疱性乾癬治療の選択肢として位置づけられています。

東京慈恵会医科大学皮膚科学講座 主任教授  中川秀己先生は「近年、膿疱性乾癬に関する研究及び診療技術は大きな変化を遂げていますが、その疾患の重大性からより一層の発展が望まれています。今回、ヒュミラが本疾患の適応を取得したことに対し、患者さんはもとより医療従事者からも、期待が寄せられています」 と述べています。

アッヴィ合同会社社長ジェームス・フェリシアーノは、次のように述べています。「難病に指定されている膿疱性乾癬の患者さんに、新たな治療の選択肢を提供できることをうれしく思います。既にヒュミラは100カ国以上で100万人の患者さんに使用されています。ヒュミラは発売から10年目を迎え、10番目の適応が追加されてなお、これからも患者さんのアンメット・メディカル・ニーズに応えるため、チャレンジを続けていきます」

 エーザイの代表執行役日本事業担当兼CIOである林秀樹は、「エーザイは、ヒュミラの適正使用の推進と情報提供に努め、膿疱性乾癬治療におけるアンメット・メディカル・ニーズの充足と、患者様とそのご家族のベネフィットの最大化をめざしてまいります」と述べています。

以上

<参考資料> 

1. 製品概要(関連項目の抜粋、下線部が今回の追加部分)

1) 製品名:

ヒュミラ®皮下注40mgシリンジ0.8mL

ヒュミラ®皮下注40mgシリンジ0.4mL

ヒュミラ®皮下注80mgシリンジ0.8mL

ヒュミラ®皮下注40mgペン0.4mL

ヒュミラ®皮下注80mgペン0.8mL

 

2) 一般名:

アダリムマブ<遺伝子組換え>

 

3) 効能効果:

既存治療で効果不十分な膿疱性乾癬

 

  1. 4) 用法および用量:

通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として初回に80mgを皮下注射し、以後2週に1回、40mgを皮下注射する。なお、効果不十分な場合には1回80mgまで増量できる。

 

2.ヒュミラの安全性情報の概要

1)禁忌

①重篤な感染症(敗血症等)の患者

②活動性結核の患者

③本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

④脱髄疾患(多発性硬化症等)及びその既往歴のある患者

⑤うっ血性心不全の患者

2)副作用

関節リウマチ、尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、強直性脊椎炎、若年性特発性関節炎、腸管型ベーチェット病、クローン病、潰瘍性大腸炎及び非感染性ぶどう膜炎の国内臨床試験において、日本人安全性評価対象1,308例中1,079例(82.5%)に副作用が認められ、その主なものは、鼻咽頭炎389例(29.7%)、注射部位紅斑126例(9.6%)、注射部位反応111例(8.5%)、発疹98例(7.5%)、上気道感染83例(6.3%)等でした。

 

3.アッヴィについて

アッヴィは、世界で最も複雑かつ深刻な疾患に対する革新的な先進治療薬の開発に努める研究開発型のグローバルなバイオ医薬品企業です。その専門知識、献身的な社員、イノベーション実現に向けた独自の手法を通じて、自己免疫疾患、オンコロジー、ウイルス感染症およびニューロサイエンスの4つの主要治療領域での治療を大きく向上させることをミッションに掲げています。世界中の人々が持つ健康上の課題への解決策を進歩させるため、75カ国以上の国でアッヴィ社員が日々取り組んでいます。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。

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日本においては、アッヴィ合同会社の約1,000人の社員が、医療用医薬品の研究・開発や販売に従事しています。自己免疫疾患・新生児・肝疾患・ニューロサイエンスの各領域を中心に、患者さんの生活に大きく貢献できることを願っています。詳しくは、www.abbvie.co.jpをご覧ください。

 

4.エーザイについて

エーザイ株式会社は、本社を日本に置く研究開発型グローバル製薬企業です。患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念としています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において、世界で約1万人の社員が革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。
エーザイ株式会社の詳細情報は、www.eisai.co.jp をご覧ください。

 

アッヴィ 今後の見通しに関する陳述

本リリースにおける記載には、1995年米国私募証券訴訟改革法に示される「今後の見通しに関する陳述」が含まれています。「確信」「期待」「予測」「計画」という言葉およびそれに類する表現は、一般に将来予想に関する陳述となります。当社からの注意喚起として、このような将来予想に関する陳述はリスクおよび不確実性による影響を受け、実際の結果と将来予想に関する陳述での予測との間に大幅な相違が生じる可能性があります。このようなリスクおよび不確実性には、知的財産に対する脅威、他社製品との競合、研究および開発プロセスに特有の困難、敵対的訴訟または政府による介入、業界に関連する法律および規制の変更などがあります。

 

アッヴィの経営に影響を及ぼす可能性のある経済、競合状況、政府、科学技術およびその他の要因については、Securities and Exchange Commission(米国証券取引委員会)に提出済みのアッヴィの2016年度アニュアルレポート(10-K書式)の1A項「リスク要因」に記載しています。アッヴィは、法律で要求される場合を除き、本リリースの発表後に発生した出来事または変化によって、今後の見通しに関する陳述を更新する義務を負わないものとします。

 

本件に関する報道関係お問い合わせ先

  • アッヴィ合同会社

    広報部 橋本

    TEL:03-4577-1112

  • エーザイ株式会社

    PR部

    TEL:03-3817-5120

                   

1 ヒュミラ添付文書 

2 ヒュミラ申請資料
3 難病情報センター(http://www.nanbyou.or.jp/
4 膿疱性乾癬(汎発型)診療ガイドライン 2014、日本皮膚科学会膿疱性乾癬(汎発型)診療ガイドライン作成委員会、日皮会誌:125(12)、2211-2257、2015