悲観せず、前向きに、前向きに。治療と仕事の両立を目指すことで、モチベーションアップ

  • モチベーションが下がったのはどんなときでしたか?

    基本的には、病気を理由にモチベーションに影響することはありませんが、がんの診断を受けたときには、万一の場合の家族の生活を心配するとともに、娘の結婚式に出席できないのではないかと不安になりました。また、私の父親に病が見つかり、入院・手術が必要となった際には、毎日、仕事が終わってから病院に通いました。自らも闘病中であったため、体力的、精神的にきつい状況が続きました。

  • モチベーションが上がったのはどんなときでしたか?

    娘が大学を卒業して就職したときや、結婚し孫が生まれたときは、本当に嬉しかったです。近い将来の目標があることで、その目標の達成にむけたモチベーションにつながります。また、がんの診断を受けたという理由のみで直ぐに配置転換されなかったことには感謝しています。自分のやりがいのある仕事に取り組む上では、体力的にはきついこともありますが、仕事と治療を両立できているという自信が、モチベーションの向上に働いています。

  • 仕事との両立をする中で、どんなことでやりにくさや苦労を感じましたか?

    化学療法の副作用で頭髪、眉毛が抜け、そのこと自体もショックでしたが、街中で差別的な視線を投げかけられたり、怖がられたりしたときは、悲しい気持ちになりました。また薬の副作用による、身体のだるさ、手足のしびれ、爪の剥がれ、といった症状に苦しみました。周囲の気遣いはありがたいのですが、体調のことをいろいろと聞かれて戸惑ってしまうことがよくありました。化学療法を受けた翌々日は身体がしんどいとのことで、極力、業務に影響が出ないよう、投与を木曜日に設定するなどできる限りの工夫をしています。

  • 当時、どんな支えがあったらよかったと感じていますか?

    家族、会社の同僚、ドクターには精神的なサポートを受けましたし、経済面においては、健康保険の医療費補助の制度に助けられました。午後半休を取得して通院していますが、通院治療には十分ではありません。休暇の取得方法について、病気の治療と両立がしやすいフレキシブルな対応を期待しています。「エーザイは、例えがんを患ったとしても治療と両立しながら働くことを選択できる会社であってほしい!」と切に思っています。

    • 2017年10月より「がん、透析、不妊」に関して長期療養休暇を1日単位で取得することが可能となり、さらに2018年4月からは半日単位での取得も可能となりました。また、育児・介護に事由を限定していた短時間勤務について、2018年10月からは病気の治療と仕事の両立を目的として、「がん・脳血管疾患・心血管疾患・炎症性腸疾患・自己免疫疾患・腎疾患治療」のための私傷病療養短時間勤務制度を新設しました。
  • 今、同じような状況にある人に経験者として伝えたい事

    病気を隠すより、周囲に話し、自分のことを理解してもらうことをお勧めします。そうすることによって、周囲がフォローしやすくなりますし、逆に自分が周囲に迷惑をかけることも少なくなると考えます。がんになったからと言って、必ずがんで死ぬわけではありません。交通事故で死んでしまうかもしれません。人生、なるようにしかならないと考えれば、全く悲観する必要はありません。

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