職場の理解が励みとなった

ステージⅢの大腸がんとの闘病を経験されたJさん。周囲の協力を得て治療に専念したことで復帰できたと話します。本人の強さ、それを支える上司、同僚。治療と仕事の両立のためには周囲との環境づくりが大切だと改めて実感させられました。

  • モチベーションが下がったのはどんなときでしたか?

    病気がわかったときです。検査に行ってその日のうちに大腸がんを告知されました。普段から何事にも動じないように心がけているので、びっくりはしましたが、家族、特に両親に心配をかけたくなかったので、どうやって話そうかと、病気のことよりそれにとても悩みました。
    検査をしていくと、がんも大きく、かなり長い期間をかけて進行していたためステージⅢで五分五分と言われ、その時は最悪の場合も覚悟しました。

  • モチベーションが上がったのはどんなときでしたか?

    制がん剤の効果が顕著で自分でも効果がよくわかったときです。また、告知の翌日すぐに上司に報告したところ、快く、しっかり療養するよう勧めてくれ、大変助かりました。医療機関も信頼でき、安心して治療を受けることができました。私の仕事内容の特性や、職場の理解もあり、治療についても時間の調整がしやすかったです。また、健保制度が手厚く、本当に助かりました。病気になって初めて気づきました。

  • 仕事との両立をする中で、どんなことでやりにくさや苦労を感じましたか?

    制がん剤の通院投与だったため、2~3週間ごと3日ずつ休むような勤務体系となり、長期療養休暇は使用できず、年度末に有給がなくなったときには困りました。投薬のクールは決まっていましたが、白血球の数値が上がらないとスケジュールがずれ込み、はっきりした予定が立てられなかったことにも苦労しました。投薬後は2日は安静のため休みましたが、3日目からの勤務時もすぐに体が楽になるわけではなく、辛い時もありました。最初の手術入院の時期が仕事で一番忙しい時期にあたってしまったため、周囲に迷惑をかけたことが申し訳なかったです。

  • 当時、どんな支えがあったらよかったと感じていますか?

    がん治療の体制が変わってきているので(通院投与1日、自宅投与2日)少ない日数でも長期療養休暇が使えるといいと思いました*。私は上司や周囲の人に助けられ、スケジュールの調整もしやすかったけれど、ほかの仕事では難しいかもしれません。しかしながら、しっかり休ませてもらったから復帰できるようになったのだと思っています。病気になった時、私は周囲の方に相談しましたが、信頼できる医療機関などを相談できるところが会社にあればいいと思いました。

    • 2017年10月より1日単位での取得が可能となりました
  • 今、同じような状況にある人に経験者として伝えたい事

    信頼できる医療機関を選び、先生を信じて治療してほしいと思います。
    また、周囲に隠さずに話し、協力を得ることも重要です。
    投薬後に療養をしっかりすることで、より高い治療効果が得られます。気兼ねせず、割り切って治療に専念することが早い復帰につながると思います。
    また、病気で落ち込まないことも重要です。

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