インドのオミ村におけるリンパ系フィラリア症患者様と社員のオンライン交流 患者様の声にならない想いを感じ取る

2024年11月

2024年3月に、エーザイ本社のサステナビリティ部のメンバーは、リンパ系フィラリア症(LF)治療薬のジエチルカルバマジン(DEC)錠を製造しているインド・バイザッグ工場のメンバーの協力を得て、インドのオミ村のLF患者様とのオンライン共同化を実施しました。

サステナビリティ部のメンバー

現地小学校での共同化の様子

サステナビリティ部のミッションの一つは、社内外の関係者との連携によりLF制圧の支援をすることであり、今回、LF患者様の想いを理解するため、蔓延地域の一つであるオミ村のLF患者様とのハイブリッド形式による共同化を企画しました。オミ村の4名の患者様に現地の小学校に集まっていただき、東京本社とオンラインで繋いで共同化を実施しました。ご参加いただいた患者様は、罹患歴が15年から30年の50代から60代の男女(男性1名、女性3名)です。

想像を絶する患者様の苦しみ

LF患者様から伺う疾患による苦しみは、想像を超えるものでした。痛みは背中にまで及び、水すらも飲めず、一人で病院に行くこともできません。痛みが治っても発熱の症状が出てしまい、楽しみにしていた親族の結婚式にも行けず、いつ熱が下がるか分からない不安の中でベッドから出られない日々が続いた、という患者様の言葉が印象に残りました。

オミ村の住民は主に農業で得た収入で暮らしていますが、LFに罹患すると農作業といった作業は難しく、全く就労できなくなることもあるそうです。罹患により生活が成り立たたなくなり、患者様は非常に不安定な局面に置かれることになります。そのようななかでも、ご家族やご友人などの周りの人から温かいサポートが得られている状況も共有いただいた一方、すべての患者様がご自身の子供や孫にはLF罹患による自身と同じ苦しみを経験してほしくないと切実に願っていらっしゃいました。

共同化の後、サステナビリティ部のメンバーでLF患者様のためにエーザイができる貢献について話し合いました。蔓延地域の人々が広く疾患や治療薬の集団投与(MDA)について正しく理解することは、LFの蔓延を防ぎ、制圧をはかるためだけでなく、患者様が周囲から適切なサポートを得るためにも非常に大切です。次世代の人たちにLF罹患による苦しみを経験してほしくないという想いに応えるためにも、継続的な疾患啓発やMDAの認知度向上を図る必要があります。

今回の共同化を通じて得た知見をもとに、社内外の関係団体とのネットワークも駆使して、治療薬の提供、疾患啓発、MDAの認知度向上や実施支援、衛生環境の整備など、LF制圧に向けた包括的な取り組みを続けてまいります。

オンラインでの交流の様子

協力してくださったオミ村の患者様とそのご家族

各国・地域の法令を遵守し、患者様とそのご家族、生活者の皆様と、ともに過ごす共体験により、患者様とそのご家族、生活者の皆様の暗黙知(喜怒哀楽、言葉にならない想い、日々を暮らすありのままの環境など)に共感し、真のhhcニーズ(かなえたい夢、希望、切なる願い、解消すべき課題など)を感じとるために実施する活動

  

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