The Teacher Project

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2021年1月

The Teacher Projectは、オーストリアにあるエーザイの子会社 Eisai GesmbHが、小児てんかんの患者様が安心して学校に通えるよう、学校の先生方にてんかんの啓発活動を行っているhhc活動です。

以下、オーストリアのチームからのレポートを掲載します。

 

2018年11月、オーストリア教育省は、オーストリアのすべての学校の校長に「教師は、てんかん発作のある子供に応急処置を行い、あらかじめ保護者から通知を受け投薬が可能な場合は応急処置薬を与える法的な義務がある」という趣旨の通知を出しました。この通知は、「教師はてんかんについて十分な情報を持っていない」という理由で教職員組合がてんかん発作に対する応急処置や投薬を拒否し続けていたために出されたものです。

この通知について神経小児科のKOL(Key Opinion Leader)であるMartha Feucht教授を通じて知った私たちは、ブレインストーミングを行い、てんかん治療薬を持つ企業としてこの問題を解決するために何ができるかを検討し、そして、Feucht教授と共に、てんかんに関する情報提供のための資材を作成することにしました。

本資材には、てんかんに関する基本的な情報が記載されています。例えば、発作症状、発作の見つけ方、発作を起こした際の応急処置の原則、(あらかじめ神経小児科医によって処方され、教師に提供された場合には)応急処置薬をいつどのように使用するか、緊急連絡先、患者様団体の連絡先などです。

頻繁に欠席するために「怠惰」と見なされたり、一点を凝視する発作のために「空想家」と思われている一部の子供たちは、実はてんかんに罹患している可能性があるため、このような情報を提供することも非常に重要でした。

                                                                                 

この資材は、法的、医学的な観点による審査を経て承認され、発行されました。

 

次のステップは、このプロジェクトを私たちの営業チームのメンバーに紹介し、その進め方について説明することでした。説明後、営業チームのメンバー全員が小学校の校長に連絡を取り、それぞれの学校を訪問し、資材の提供を開始しました。

本プロジェクトは大変成功裏に始まり、私たちが提供するサポートについて校長や教師の方々から素晴らしいフィードバックをいただいています。

しかし、オーストリアには何千もの学校があり、全てを訪問することはできないため、私たちは、教師の標準教育として、てんかんやその応急処置に関する教育訓練を実施することを次のステップとして定めました。このために、私たちはオーストリア教育省と地域教育局長にコンタクトし、教師の皆さんに対する教育実施の支援を申し出る計画を進めています。Feucht教授もこの教育訓練の実施に協力してくださる予定です。

私たちは、てんかんを持つ生徒を受け持つことに対する教師の不安を取り除き、てんかんを持つ子供たちの保護者が安心して子供を学校に通わせることができるようにすることを最終目標としてプロジェクトを推進し続けます。