東日本大震災から1年経って

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2012年9月

東日本大震災からすでに1年数ヶ月を経て、被災地では仮設住宅や医療施設などの整備は進みつつありますが、様々なコミュニティは未だ再建の途上といわれています。

エーザイでは認知症患者様が安心して暮らせるまちづくりを進めていましたが、3・11を機に再度この実現に向けて取り組んでおります。

今回、気仙沼市本吉地区で患者様がお互いの経験を交換し、医師・ケアマネージャー・認知症ケア専門士が専門家としての対応の仕方や症状の解釈などについて助言をする場づくりを行いました。MRはこのような場づくりを支援するとともに、自らも参加して患者様とそのご家族の喜怒哀楽に共感して、医薬品情報とともに何を成すべきかを考え、次の活動につなげます。今回のお話を通じて、医師・薬剤師とともに看護士・介護士など幅広い関係者への医薬品情報の必要性を認識し、具体的方法の検討に入りました。

また、震災発生時に南三陸町 公立志津川病院で自らも被災されながらも、3日間に渡って患者様に寄り添われた菅野 武先生(現丸森町国民健康保険丸森病院内科医長)からお話を伺う機会を設けました。先生は、米国Time誌の2011年度「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれ、被災地からのメッセージを発信されています。先生からは、「私たちが進む心の復興の道のりは、全ての人にとって苦しみを乗り越えるきっかけになるかもしれない。それぞれ自分に何ができるかを考えて、実践して欲しい」とのご示唆を頂きました。

東北の震災はまだ終わっていない。復興も途上にあり、この事実を忘れることなく後世に伝えていかなくてはならない。

医薬品に携わる私たちは、被災地で何を感じ何を実践していかなければならないのか、改めて私たちの役割を考えるよい機会となりました。

講演風景
中央:菅野 武先生 著書:「寄り添い支える~公立志津川病院 若き内科医の3.11」