レノックス・ガストー症候群に光を当て、患者様グループに声を届ける

  • シェア
  • ツイート
  • シェア
  • ツイート

2012年3月

レノックス・ガストー症候群(Lennox - Gastaut Syndrome: LGS)は、最も重篤で難治性の小児期てんかんのひとつです。通常、LGSの患者様は発作を抑制するために数種類のてんかん治療剤を服用しています。発作型が複数に及び発作の発生頻度も高いため、発達遅延や行動障害を伴う場合もあるなど、患者様とそのご家族の生活に計り知れない影響を及ぼす疾患です。

エーザイ社員のシルビア・ブラウンは、米国食品医薬品局(FDA)によるBANZEL(一般名:ルフィナマイド)の新薬承認を受け、何組かのLGS患者様とご家族とお会いしました。どの患者様もLGSと診断されるまでに非常に苦労されたうえ、ご家族は将来の見通しが立たず、孤立感を抱えていらっしゃいました。LGSの研究成果は限られており、専門医も少ないことから、このような患者様とご家族の体験談を一般に公開し、LGSの認知度を高めるというかたちの支援を行うこととなりました。

シルビア・ブラウンとそのチームのメンバーは、LGS患者様とそのご家族と多くの時間を共に過ごし、緊密な関係性を築きながら、LGSやそれに伴う発作の新たな治療法について情報提供する専用ウェブサイトBANZEL.comを立ち上げたのに続き、LGS患者様とご家族の体験をつづったドキュメンタリー映画「Minute by Minute: a Documentary about Living with LGS(ひと時ひと時を:レノックス・ガストー症候群と共に生きる)」を制作しました。

※LGSドキュメンタリーはこちらからご覧頂けます。(英語のみ)

このドキュメンタリーは、LGS患者3名とそのご家族の体験を描いています。初期の症状や初めての発作、原因究明のための模索、最終的な診断などについて説明する中で、どのご家族もニーズに対応してくれる信頼できる専門医を探し出すまでに、何人もの小児科医、神経専門医、てんかん専門医を訪れたと語りました。最終的には専門の医療チームと出会うことができ、障がいを持つお子さんが生活技能を習得して日常活動を行えるための教育プログラムにたどり着きました。こうしたご家族の努力によって、LGS患者様はQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を可能な限り満喫できます。出演したご家族たちは、LGSと向き合う方法や、発作を念頭に置きながらも時間を大切に過ごす方法を示して下さいました。

今後も本ドキュメンタリーを医療関係者および患者様とご家族や介護者の啓発資料として活用していくとともに、さらに幅広いニーズをカバーする資料を作成し、多くのLGS患者様とそのご家族のQOL向上に貢献したいと考えます。