2010年5月
エーザイは、新入社員研修のカリキュラムの一部として、「高齢者疑似体験」を実施しています。4月14日、2010年度の新入社員98名が本プログラムに参加しました。
高齢者疑似体験とは、老人性難聴を体験するための耳栓、白内障と視野狭窄を体験するための特殊メガネ、筋力低下や関節の動きにくさを体験するための手足に装着する重りやサポーター、手先が使いにくくなるという体験をするための手袋など身に付けることにより、高齢(75~80歳位)になった時の身体的機能低下や心理的変化を、疑似的に体験するものです。
本プラグラムでは、6~7名のグループにわかれ実習を行いました。参加者は、交代で高齢者役となり、5~6人が周りで手助けする介助役も体験します。
特殊メガネを装着していることで、新聞に目を通してもぼやけて見える。手袋をはめているため、お財布の中から小銭を取り出すことが困難になる。また、封筒を開けようとしてもテープをはがせず封が開けられない。普段、何気なく行っている日常生活が、加齢に伴い困難になっていくということを、参加者は身をもって体感しました。
高齢者疑似体験を新入社員研修に導入している目的は、患者様や高齢者の方々の目線に立つことの重要性を体感することです。つまり、相手を理解するためには、相手と同じ視線で考えることの大切さを、身を持って体験し、相手を思いやる、気遣う心、助けてもらったことに対する感謝の気持ちを持つことが必要であることを、新入社員のときから体得することです。これは、当社のヒューマン・ヘルスケア(hhc)理念の基本です。
参加者からは、「自分の想像以上に患者様や高齢者の負担を実感した」、「介助してくれる人の優しさがうれしかったので、自分から手をさしのべられる人になりたい」など、自らが体験することによって新たな気づきや想いが得られたとの感想が寄せられました。
今回の体験から、患者様や高齢者の方々の苦労や悔しさなどを身にしみて感じることが、ニーズにあったよりよい新薬を創り出し、一日でも早く患者様にお届けしたいという原動力につながると考えています。今後も「患者様の立場に立って考え行動する」企業風土とhhcマインドのさらなる醸成をはかり、エーザイの原動力となるhhcを追求していきます。