薬をお届けすることは、希望をお届けすること

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2009年8月

京滋北陸エリア 京都医薬二部
松岳 千秋

講演に聞き入る社員

私は、医薬情報担当者(MR:Medical Representatives)として、医師・薬剤師の方々への薬の情報提供や、医療現場からの情報収集などの業務を行っています。普段、医療機関を中心に活動していますが、患者様の声を直接聞く機会は、残念ながら多くはありません。

そこで、MRの集まるエリアの研修で、「hhc理念」と「患者様に薬をお届けする意義」を再認識することを目的に、認知症の患者様の想いを聞くための講演会が企画され、参加しました。

今回、講演をひきうけてくださった患者様は、認知症と診断されて4年目になる方です。当日は、事前に何度も練習されたという原稿を読みながらの講演でした。内容は、認知症と診断された時の不安から始まり、日ごろの過ごし方、ブログの立ち上げ、家族の会講演時の様子などで、私も含め、社員全員が言葉を噛みしめるように聞き入っていました。

その中で、「薬を服用することで、心穏やかに生きることができる、これからも見守っていてください。本当にありがとう」と、思いが沢山詰まったお言葉をいただきました。奥様からも「今の主人の状態を少しでも継続して欲しい」との切なる思いを伺い、私は、涙がこぼれ落ちました。お二人にとって薬は、“将来を生きるための希望”なのだということを、あらためて気付かされました。

今までの業務を振り返ると私は、時に言い訳をしたり、時に受け流したりと、日々の仕事に追われる中で、自分の姿勢が売上げをあげることにシフトしてしまっていたことを大いに恥じ、悔いました。そして、薬が新規に処方されるということは、病で苦悩される患者様とご家族がいらっしゃるという事実であり、私はその現実に真剣に向き合っていこうと固く心に誓いました。

今回の講演は私にとって「薬を患者様にお届けするための日常活動の本質」を、自分自身に問い直す本当に良いきっかけとなりました。今後は、「薬をお届けすることは、希望をお届けすること」という想いをしっかりと胸に刻み込み、日々の活動に取り組んでいきます。