脱炭素社会形成への取り組み

国内グループでは、気候変動問題解決のため低炭素社会形成に向けた取り組みを進めてきました。エーザイ株式会社工場・研究所は、2020年度を最終年度とする日本製薬団体連合会の低炭素社会実行計画(フェーズⅠ)に参画しており、国内グループも同様に2020年度に向けた中期的なCO2排出量削減計画を定めて取り組んできました。結果を下図に示します。基準年度である2005年度の排出量91,558トンに対し、2020年度の排出量は65,846トン(基準年度比28.1%減)となりました。

一方、国内グループでは、独自のCO2排出量管理計画を2013年度にスタートさせています。同計画では当時不透明であった電気使用に基づく排出係数を想定し、排出目標値を定めています(環境・社会報告書2014、P44参照)。同計画の最終年度である2020年度の目標値は71,008トンであり、実績値は54,967トン(計画比22.6%減)と計画を上回る排出削減を達成しています。

SBT(Science Based Targets: 科学的根拠に基づく温室効果ガス排出削減目標)

エーザイグループは、気候変動の緩和に寄与するため、下記に示す科学的根拠に基づく中長期的な温室効果ガス排出削減目標(SBT2℃目標)を設定し事業活動に基づくCO2排出量の削減に取り組んでいます。

  • 1.
    温室効果ガスの排出量(スコープ1+2)を2030年度までに2016年度比で30%削減する
  • 2.
    温室効果ガスの排出量(スコープ3、カテゴリー1;購入した製品・サービスに基づく排出量)を2030年度までに2016年度比で30%削減する

2020年度は、がん領域および脳・神経領域を中心とした国内外の生産活動、研究開発活動が引き続き活発化しており、CO2排出量増加の大きな要因となりました。これに対し国内の工場・研究所では、ヒートポンプシステムの導入や高効率的な空調設備への更新、実験用ドラフトの風量調節、製品保管条件の最適化等を進め1,500トンを上回るCO2排出量の削減につなげました。さらに、海外工場・研究所を中心に再生可能エネルギー導入も促進し、20,000トンを上回る飛躍的なCO2排出量削減を達成しました。また、コロナ禍において、営業部門では医療従事者とデジタル機器を用いたリモート面談による情報提供を進めています。営業車両へのHV車(ハイブリッド車)導入割合も着実に高めており、これら取り組みにより営業車両由来のCO2排出量は、国内グループで2019年度比741トンの減少(エーザイ株式会社単体で530トン減少)となりました。以上の結果、2020年度のスコープ(1+2)排出量は、81,573トンと2019年度比22.5%の減少、基準年度比39.4%の減少となり、SBT目標達成に向けて大幅な進展が見られました。

一方、スコープ3、カテゴリー1の「購入した製品・サービスに基づく排出量」につきましては、新製品や導入品売り上げ伸長を背景に2019年度比6.5%の増加となりました。売上高を分母とする原単位も米メルク社からの販売マイルストンペイメントの減少等の要因が重なり、2019年度比14.7%増加しています。自社品比率の向上や原材料の有効利用を推進し、今後も一層の削減を図ってまいります。

国際的NGOであるSBTi(Science Based Targets initiative)からの認定を受けています。(https://sciencebasedtargets.org/)

     
       

再生可能エネルギー導入実績

エーザイグループでは、Good Laboratory Practice; 医薬品の安全性に関す非
臨床試験の実施の基準)およびGMP(Good Manufacturing Practice; 医薬品 の製造及び品質管理に関する基準)を遵守した研究開発・生産活動を展開しています。一定の温湿度条件下における業務進行が求められており、空調の運転など多大な電力を消費しています。そのため、電力使用に基づくCO2排出量の削減には、再生可能エネルギーの導入促進が必要不可欠となります。
これまで、バイザッグサイト(インド)では太陽光発電による電力を調達しており、またエクストンサイト(米国)では、場内で太陽光発電による発電と自家消費を行ってきました。さらに2019年度には、欧州ナレッジセンターにおいて再生可能エネルギー100%電力の使用を開始するとともに、中国・インドに位置する3工場を対象にI-RECs(アジア対象のグリーン電力証書)購入による再生可能エネルギー導入を進めました。その結果、2019年度のエーザイグループにおける再生可能エネルギー導入率は、26.8%まで高まりました。
2020年度はこれらに加え、主として国内外の工場・研究所を対象に電力証書や水力発電100%電力を購入し、再生可能エネルギー導入率を54.1%まで高めました。今後は、再生可能エネルギー100%電力の利用やPPA(Power Purchase Agreement)を利用した再生可能エネルギー導入、あるいは、緊急時対応も考慮に入れた自社設備の導入等を進め、2030年度までの総使用電力における再生可能エネルギー使用率100%を目指します。

営業用車両における取り組み

エーザイ株式会社では、CO2排出量削減の取り組みを営業段階においても推進しています。ハイブリッド車(HV車)への切り替えを順次進めており、2010年度以降は、原則として車両変更時にHV車への変更を義務づけています。2020年度における導入率は前年度比0.1%増の73.7%であり、昨年度と同水準の導入比率となりました。一方、営業車両由来のCO2排出量は1,573トンと前年度比25.2%減少しました。コロナ禍において、医療従事者への情報提供にデジタル機器を用いたリモート面談方式を導入したことにより車両の使用頻度が大きく減少、排出量削減につながりました。今後も燃費性能の高い車両への移行を継続すると同時に、環境にやさしい営業スタイルを追求しCO2排出量削減に努めてまいります。

JCIへの加盟

エーザイは、気候変動対策に積極的に取り組む企業や自治体、NGOなどのネットワークである「気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative、JCI)」に加盟しています。

 

これまで賛同したメッセージは以下の通りです。

「2030年度の再生可能エネルギー電力目標を40~50%に」(2021年1月18日、92社が呼びかけ)

https://japanclimate.org/news-topics/re2030increment/

 

「パリ協定を実現する野心的な2030年目標を日本でも」(2021年4月19日、290団体が呼びかけ)

http://japanclimate.org/news-topics/call-for-ambitious-2030-target/

 

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