低炭素社会形成に向けて

エーザイグループでは、気候変動問題解決のため低炭素社会形成に向けた取り組みを着実に進めてきました。エーザイ株式会社として日本製薬団体連合会の低炭素社会実行計画に参画しており、国内グループとしても2020年度に向けた中期的なCO2排出量削減計画を定めて取り組んでいます。2018年度は、抗がん剤や抗てんかん剤を中心に生産量が増加し、国内外の工場におけるエネルギー消費量が増加しました。しかし、これまで培ってきた省エネ活動を確実に実施し、国内グループのCO2排出量を70,831トンと前年度比1.8%増加にとどめることができました。

海外では、蘇州工場(中国)の拡張に伴いエネルギー消費量が大きく増大し、3,500トン余りのCO2排出量増加につながりました。一方、バイザッグ工場(インド)では2018年9月より太陽光発電由来の電力購入を開始しました。2018年度総計では4,000トン余りのCO2排出量削減につながっており、エーザイグループ全体のCO2排出量削減に大きく寄与しました。国内グループと海外の工場・研究所を合わせたエーザイグループの排出量は、前年度比1.6%増にとどまりました。

SBT(Science Based Targets: 科学的根拠に基づく温室効果ガス排出削減目標)を設定

エーザイグループは、気候変動問題の緩和に寄与するため、事業活動に基づくCO2排出量の削減に取り組んでいます。特に、国内グループでは、2020年度に向けたCO2排出量削減計画を着実に進めてきました。しかし、今日、気候変動の進行を抑制するためには、科学的根拠に基づく中長期的な温室効果ガス排出削減の取り組みが求められており、エーザイグループでは2030年度に向けたSBTを下記の通り設定し、取り組むこととしました。設定した目標は、国際的NGOであるSBTiから認定を受けています(https://sciencebasedtargets.org)。

  • 温室効果ガスの排出量(スコープ1+2)を2030年度までに2016年度比で30%削減する。
  • 温室効果ガスの排出量(スコープ3のうち購入した製品・サービスに基づく排出量)を2030年度までに2016年度比で30%削減する。
  • スコープ1
    化石燃料使用により、大気中へ放出された温室効果ガス直接排出量
  • スコープ2
    他者から供給を受けた電気、蒸気の利用に伴う温室効果ガス間接排出量
  • スコープ3
    サプライチェーンにおける自社を除く間接的な温室効果ガス排出量
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再生可能エネルギー導入計画

エーザイグループでは、CSRの観点から事業活動に伴うCO2排出量の低減に努めてきました。しかし今日、気候変動の緩和に向けたより積極的な削減が求められています。今後、再生可能エネルギーの導入率を計画的に高め、一層のCO2排出量削減に努めてまいります。

オフィスにおける取り組み

国内グループでは、年度を通じて節電を進めています。管理・営業などオフィス系職場においても空調の温度設定管理や不要時の消灯、長時間離席時の電源オフなど節電を心掛けています。また、大きなビルではデマンドコントローラーの設置によるピーク電力管理も行っています。定期的な省エネパトロールや節電実績の見える化なども混じえ、社員の意識喚起にも注力しています。2018年度、国内グループのオフィス業務活動由来のCO2排出量は、2,972トン、前年度比9.9%減となりました。

営業用車両における取り組み

エーザイ株式会社では、CO2排出量削減の取り組みを営業段階においても行っています。ハイブリッド車(HV車)への切り替えを順次進めており、2010年度以降は、原則として車両変更時にHV車への変更を義務づけています。
2018年度における導入率は前年度比6.7%増の71.5%にまで高まっており、営業車両由来のCO2排出量は2,631トンと前年度比15.2%減少しました。今後も燃費性能の高い車両への移行を継続し、CO2排出量削減に努めてまいります。

気候関連リスクへのレジリエンス向上 TCFDフレームワークを活用した気候変動による影響の分析

エーザイグループでは、事業活動に伴うCO2 排出量削減に加えて、気候変動に関連した事業影響へのレジリエンス(強靭性)を高めることが製薬企業として社会的責任を果たし続けるために必要であると認識しています。そのため、2019年6月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同を表明し、TCFDのフレームワークを活用し、気候関連リスク・機会の分析にも取り組んでいます。中長期における気候変動の事業への影響を的確に捉えることで、リスク低減と機会創出に効果的に取り組み、順次、情報開示を拡充していきます。


ガバナンス

環境保全に関連した推進体制は、「環境マネジメント」に示した通りです。さらに、気候関連リスク・機会に関しては、総務・環境安全担当執行役を総責任者とする組織横断型のプロジェクトを立ち上げ、気候関連リスク・機会の特定を行っています。今後、レジリエンスを高めるための戦略、気候関連リスク管理についての検討を進めていきます。


戦略

エーザイは気候関連リスクと機会は戦略策定において考慮すべき重要な要素であると認識しています。WHOでは、気候変動により熱帯病が増加する予測しており、エーザイでは、マラリアや顧みられない熱帯病(NTDs)に対する医薬品の開発を進めています。
下記の表にはエーザイの事業及びサプライチェーンにおける気候関連リスクと機会に関する分析結果と対応策を示しています。今後、よりリスクが高いと考えられる項目についての詳しい分析と共に、長期的な気候関連リスク・機会を評価するため、シナリオ分析を進めていく予定です。


リスク管理

エーザイでは、中長期的な気候変動が事業に影響を与えるリスクの分析を開始しました。今後、従来のリスク管理活動(CSA:統制自己評価)に加えて、気候関連リスクもリスクマネジメント委員会で一元管理していく予定です。


指標と目標

気候変動リスクへのレジリエンスを高める上でも、自社のみならず、サプライチェーン全体における温室効果ガス排出削減に取り組むことが重要と考えています。気候関連の指標と目標は、「低炭素社会形成に向けて」に示した通りです。

 

 主要25か国・地域の中央銀行、金融監督当局、財務省等の代表からなる金融安定理事会(FSB)の下に設置された、民間主導による気候関連財務情報の開示に関するタスクフォースです。気候変動がもたらす「リスク」及び「機会」の財務的影響を把握し、開示することを狙いとした提言を公表しています。

    

※左右にスクロールできます

主な気候関連リスク・機会対応策

物理的リスク

自然災害の増加による生産活動及び調達活動への障害 事業所、調達先のリスク分析、レジリエンス対策を推進

自然災害によるヘルスケアニーズの高まりと生産活動の障害が同時に起こった場合の医薬品の供給不足

非常時の安定供給体制を強化
移行リスク

燃料、電力等の価格上昇による製造原価、物流コスト上昇

再生可能エネルギー利用拡大等により影響を最小化
環境規制の強化による工場及び調達先の操業への影響 将来の環境規制を見据えた工場及び調達先の環境管理の強化
環境要請の高まりへの対応が遅れた場合の機会損失 SBT 達成に向けた着実な温室効果ガス排出削減の推進
機会 気候変動に伴うヘルスケアニーズの高まりへの対応による市場機会の獲得 マラリア、NTDs に対する医薬品の開発
環境配慮を通じた外部からの評価の向上 環境配慮の推進、地域との共生
川島工場及び内藤記念くすり博物館では、枯渇植物の保護等生物多様性の保全に努めています。
(* 内藤記念くすり博物館の詳細はこちらをご参照くださいhttp://www.eisai.co.jp/museum/index.html

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