化学物質管理

PRTR対象物質の適正管理

医薬品の研究開発や生産活動に用いる化学物質中には、環境への影響が懸念されるPRTR対象物質が含まれており、取扱量、環境への排出量、廃棄物への移動量把握による適正管理が求められています。そのため、国内グループでは独自の試薬管理システムにより試薬類の利用状況を把握するとともに、PRTR対象物質の使用量削減、環境への排出抑制に努めています。指定の取扱量を越えたPRTR対象物質に関しては、所在の都道府県へ遅滞なく届出を提出しています。

化学物質使用量は医薬品の生産量に大きく依存しますが、商業生産の段階では原薬の品質維持のため製造条件の変更は容易ではありません。そこで、化学物質使用量削減に向け、研究開発段階より代替溶媒の利用や、使用物質量を削減した合成方法の開発に取り組んでいます。有機溶媒の再利用も積極的に行い、大気中への排出を最小限にとどめる工夫も製造工程中に取り入れています。

2019年度の国内グループにおけるPRTR対象物質総取扱量は264トンであり、前年度比ほぼ横ばいとなりました。届出対象物質数も昨年同様7物質でした。

 

揮発性有機化合物の排出抑制

酢酸エチル、アセトン、メタノールなど揮発性が高く、大気中で気体となる揮発性有機化合物(VOC)は、工場等から排出される窒素酸化物とともに光化学オキシダントの生成要因となります。そのため、大気汚染防止の観点から大気中への排出抑制が求められており、国内主要工場・研究所では、PRTR制度対象物
質と同様、使用量削減に努めるとともに、工程中からの排出が最小限となるよう設備の運用法を定めています。

「環境省が示す主なVOC100種」からPRTR対象物質を除いた55物質を対象に、国内グループ工場・研究所の取扱量と大気排出量の
経年変化を下図に示します。2019年度は、鹿島事業所における生産量増加に伴い、国内グループのVOC使用量は1,127トンと前年度比17%増加しました。一方、大気排出量は、排出抑制の取り組みにより24トン(取扱量比2.2%)にとどめました。

PCB廃棄物の適正管理

PCB廃棄物は、施錠、囲いや掲示の設置、あるいは揮発・飛散・流出の防止など適正な管理下で保管しています。2018年度には筑波研究所保管分の廃棄処理が完了し、昨年度は川島工場のみでPCB廃棄物を保管していました。2019年度には、蛍光灯安定器をはじめとする川島工場保管のPCB廃棄物につきましても積極的に廃棄を進めた結果、保管中のPCB廃棄物は、変圧器1台とPCB含有塗料一式のみとなりました。

今後、計画的な廃棄を積極的に進めるとともに、処理および保管状況を各都道府県へ遅滞なく提出してまいります。

2019年度に実施した調査により新たに廃棄対象が見いだされました。

フロンの適正管理

国内グループでは、フロン含有設備の廃止や更新を計画的に行い、オゾン層破壊作用のない代替フロン(HFC)やノンフロン(NON)への移行を進めています。また、フロンには強力な温室効果作用があるため、定期点検により漏えい事故を防止するとともに、万一漏えい事故が起きた場合には、事故情報の即時
共有・再発防止に努めています。

2019年度に実施したフロン類使用量調査では、国内主要生産拠点・研究所で使用されているフロン類の91.8%が代替フロン(HFC)、8.1%が指定フロン(HCFC)であり、この2種類のフロンが使用のほとんどを占める結果となりました。強力なオゾン層破壊作用を有する特定フロン(CFC)の使用は、全体の0.1%にとどまりました。国内グループ主要生産拠点・研究所におけるフロン使用量は、CO2に換算して48,530t-CO2に相当しました。

設備廃止時には、フロン回収・破壊処理を確実に行い、回収業者からの引き取り証明書とともに廃棄処理を進めています。フロン排出抑制法に基づくエーザイ株式会社単体の2019年度フロン算定漏えい量は、621t-CO2となり、厚生労働省への届出閾値を下回りました。

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