2022年12月29日掲載
エーザイは、2019年に日本の国際NGOである特定非営利活動法人 難民を助ける会(AAR Japan)と活動支援契約を締結し、マイセトーマの蔓延国の一つであるスーダンにおいて、疾病啓発や医療支援などのマイセトーマ対策事業を開始しました。マイセトーマに関する知識や早期治療の重要性を伝えるために、これまで2400名以上の住民に啓発活動を実施し、医療団派遣により約100名の患者様に治療と手術を提供しました(2021年度末時点)。
これまでの活動成果を踏まえ、2022年度からはAAR Japanとの協業を拡大し、手術後の患者様への心理的ケアの提供や現地協力団体の能力強化など、より包括的かつ持続可能なアプローチで取り組んでいます。スーダンでの能力強化と認知度向上活動は厚生労働省令和4年度「医療技術等国際展開推進事業」にも採択されました。事業の一環として長崎大学熱帯医学研究所の協力を得て、2022年7月と8月にスーダンでマイセトーマ対策に携わる協力団体と医療関係者を対象としたオンライン研修を実施しました。



本研修では、マイセトーマ対策に向けたAAR Japanとの協働のほか、マイセトーマ新規治療薬として開発している当社創製の抗真菌剤「ホスラブコナゾール(E1224)」、ヒト・動物の健康と環境の健全性に分野横断的に取り組むOne Healthの重要性などについて紹介しました。講義後のワークショップ・質疑応答セッションで参加者との活発な議論が行われ、マイセトーマ対策における現地ニーズや課題解決に必要な取り組みなどの知見を得ることができました。今後、AAR Japanおよび国内外の関係者と協力し、マイセトーマへの取組みを強化していきます。
マイセトーマは、明確な感染経路や罹患者数などの基本情報が不足し、診断・治療法も確立されていないことから、最も顧みられない熱帯病(NTDs)の一つともいわれています。マイセトーマを含むNTDs制圧への取組みにはセクターを超えたパートナーシップが必要となります。エーザイは、今後もパートナーとの協働を通じて、マイセトーマに苦しむ患者様、生活者の皆様の憂慮の解消に貢献してまいります。
マイセトーマに対するパートナーとの連携を描いたアニメーション動画はこちらからご覧いただけます。
AAR Japanのインタビュー記事はこちらからご覧いただけます。