アルツハイマー型認知症患者様とそのご家族の啓発

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2011年7月22日掲載

アルツハイマー型認知症の分野で世界をリードするエーザイは、世界各地の非営利・学術機関と共に、この領域においてさまざまなプログラムに取り組んでいます。各国のアルツハイマー型認知症協会などと協力し、患者様やそのご家族、介護者の皆様の啓発を行うことが活動の主体です。具体的には、パブリック・フォーラムの開催、集団検診や疾患に関する患者様向け情報の発信などです。

インドでは、2005年に教育・啓発プログラムを開始しました。当時のインドにおいては、認知症に関し一般国民が共有する理解はごく限られたものでした。2005年の報告によれば、インドにおける認知症患者様の数が210万人であったのに対し、実際に治療を受けた患者様の数は8万5000人に過ぎませんでした。このような状況に対し、まずエーザイはこの疾患に関する意識の向上を図りました。非営利団体やメディアと共に、患者様とご家族向けに認知症への意識向上を目的とした無料パンフレットを、インドで使用されている10言語で作成し配布を行うなど、教育資料の開発と配布を進めてきました。高齢者の多いコミュニティにおいては、認知症に関し神経科医や精神科医による講演会の企画を行っています。さらに、毎週土曜日と日曜日に、ボランティアの医師による移動スクリーニングキャンプ開催の支援を行っています。

認知症の症状を示す患者様には、専門医の受診を推奨されます。患者様が確実に適切な治療を受けられるように、メモリークリニック(「物忘れ外来」)開設や医療スタッフの教育訓練の支援を行っています。

今日まで、エーザイは高齢者協会や退職者協会、その他のNGOとも協力し、全部で4,421ヶ所においてスクリーニングキャンプを実施し、61,883人以上の高齢者の方々のスクリーニングを行いました。さらに、エーザイはメモリークリニックの開設を進めてきましたが、その一部は「アルツハイマー型認知症並びに関連疾患協会(ARDSI)」と関連したものです。エーザイはARDSIに対し、認知症国家啓発プログラム用に啓発資料を提供し、「認知症国家戦略協議会(National Dementia Strategy Consultative Meeting)」の運営に参画し、その結果、「認知症国家戦略 2010(National Dementia Strategy 2010)」がARDSIを中心に作成され、2010年にインド政府に提出されました。

認知症への意識向上を図るエーザイの取り組みにより、メモリークリニックの数はインド全土で69となり、治療を受けた患者様の数は8万5000人より55万人へと着実に増加しました。

エーザイのこのような取り組みはインド以外でも展開されています。例えばフィリピンにおいては、フィリピン認知症学会との協力のもと、全土でメモリークリニック開設支援、神経科医や精神科医、老人病専門医の教育訓練を実施するなど、さまざまな活動を実施しています。

認知症患者様をしっかり支える社会環境の構築を目的とした、これらのエーザイの取り組みは、ヒューマン・ヘルスケア(hhc)理念を反映するものです。