医療機関で受け取る錠剤の表面には、アルファベットと数字を組み合わせた識別記号や、お薬の名前が記されています。医療機関では、患者様に薬をお出しする前に、お薬の種類、数、日数分等が正確に揃っていることを確認しています(「監査」と言います)。数種類のお薬を容器やシートから出して分包に入れた一包化調剤では、錠剤表面に記された記号や名前だけを頼りに監査しなければなりません。
ある介護施設で、看護師さんが、入居者が服用される一包化されたお薬を準備されているところを拝見しました。そのとき看護師さんから、「一つの分包には幾つも薬が入っていて、しかも記号や名前が錠剤の片側にしか書かれていないので、何度もひっくり返して両面を見なければならないので大変。一錠でも錠剤の両側に名前が書いてあれば助かるのに。」とのご意見を頂きました。そこで薬剤師さんや看護師さんが、分包中のお薬を確認する際の負担を少しでも軽くできるよう、読みやすいレーザー捺印で錠剤の両面にお薬の名前をカタカナ文字で印字する、という技術を開発し、すでに一部の製品に応用しています。

実際の錠剤のデザインとは異なります。)