2021年2月19日掲載
エーザイは、世界保健機関(WHO)を通じて、2013年から自社製のDEC錠をリンパ系フィラリア症(LF)蔓延国に無償で提供しています。今まで28カ国に20.1億錠を提供しています(2021年1月末時点)。
2020年12月に、DECの供給先の一つである、ケニアでLFリスクにある350万人の住民を対象とした集団投与(MDA)が実施されました。MDAは新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で延期されていましたが、ケニアのNTD制圧関係者の努力により、COVID-19の感染対策を実施した上で、ようやく12月に再開することができました。エーザイは、MDAの実施に向けて、DEC錠の無償提供だけでなく、MDAを実施するスタッフの感染対策のためのマスクとサニタイザーも一緒に提供しました。サニタイザーは、サラヤ株式会社のアフリカ・ウガンダ工場から調達しました。
LFを制圧するためには、できるだけ多くの地域住民がMDAに参加し、確実に薬を服用する必要があります。MDAのカバー率が高ければ高いほど、LFを早期制圧する可能性が高まります。今回のMDAは、2020年12月4―10日に実施され、対象の人口の多くをカバーできました。
エーザイは、ケニアに向けて、MDAの支援だけではなく、ドイツMerck社と共同で衛生的な水を供給するタンクも提供しています。タンクは、ケニア保健省によって指定された、衛生的な水の確保が困難な状況にある顧みられない熱帯病(NTDs)蔓延地域に設置されています。
LFは重症化すると、リンパ系機能障害により、足などの体の一部が肥大化し、細菌に感染しやすくなるため、衛生的な水で患部を清潔に保つことが重要になります。タンクは、地域住民がアクセスしやすくなるために、現地の学校の隣に設置され、地域住民だけでなく、学校にも衛生的な水の供給が可能になりました。タンクは、衛生的な水の供給のみならず、手洗いの習慣の定着にも役立ち、COVID-19対策に貢献しています。
エーザイは、今後もDEC錠の無償提供に加え、様々な活動を通じて、LF制圧に向けて取り組んでいきます。