顧みられない熱帯病治療薬探索のための化合物スクリーニングの実践

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2014年6月19日掲載

エーザイは、顧みられない熱帯病(NTDs)やマラリアに対する新薬開発のための活動の一環として、様々な団体と医薬品開発パートナーシップ(Product Development Partnership、PDP)を締結して、化合物スクリーニングを進めています。

化合物のスクリーニングとは、目標とする疾病に対して新規医薬品のシーズ(種)となりうる候補化合物を、多数の化合物群(ライブラリー)の中から絞り込むことであり、医薬品研究の初期段階で行われます。NTDsや特殊な感染症を対象とした化合物スクリーニングを行うためには、候補化合物の効果を評価する特別な実験系(アッセイ系)およびその実験系を持っている団体とのパートナーシップが必要です。

エーザイは、マラリアの新薬開発において、スイス・ジュネーブに本部を置く非営利団体Medicines for Malaria Venture(MMV)とPDPを組み、化合物スクリーニングを実施しています。このパートナーシップは、エーザイがマラリア原虫に対する新規薬剤のターゲット分子を見出したことに起因しています。本パートナーシップのもと、エーザイが所有する化合物ライブラリーをMMVの持つマラリア治療薬のアッセイ系を用いて、化合物のスクリーニングを行っています。

また、シャーガス病およびリーシュマニア症に対する新薬の開発において、同じくスイス・ジュネーブに本部を置く非営利団体のDrug for Neglected Diseases initiative(DNDi)とPDPを締結しています。シャーガス病の臨床試験プロジェクト(E1224)でのDNDiと提携が、本パートナーシップのきっかけとなりました。(ご参考https://www.eisai.co.jp/sustainability/atm/innovation/004.html

当PDPのもと、シャーガス病やリーシュマニア症の研究機関において、DNDiが有している研究ネットワークを活用して、エーザイが提供した化合物の薬理効果を検討しています。

両パートナーシップとも、2013年度より新たな段階に入りました。これらの化合物スクリーニングが、グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)のスクリーニングプログラムの助成金交付対象として採択されました。各研究機関に資金的助成がなされることで、各機関でのスクリーニング能力が一層向上することが期待されます。エーザイは提供する化合物の数を増やし、両パートナーとのパートナーシップに基づく化合物スクリーニングを鋭意進めていきます。

GHIT Fundのスクリーニングプログラムについては下記リンクをご覧ください。
https://www.ghitfund.org/about/mediacenter/pressdetail/detail/39/jp

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