社外取締役インタビュー

取締役議長
社外取締役

山下 徹

略歴

  • 1971年 4月

    日本電信電話公社入社

  • 1999年 6月

    株式会社エヌ・ティ・ティ・データ取締役

  • 2003年 6月

    同社常務取締役

  • 2005年 6月

    同社代表取締役副社長執行役員

  • 2007年 6月

    同社代表取締役社長

  • 2012年 6月

    同社取締役相談役

  • 2013年 4月

    (内閣府)公益認定等委員会委員長(現任)

  • 2013年 6月

    三井不動産株式会社社外取締役(現任)

  • 2014年 6月

    株式会社エヌ・ティ・ティ・データ相談役(現任)

  • 2014年 6月

    当社取締役(現任)、社外取締役独立委員会委員(現任)、指名委員会委員、報酬委員会委員

  • 2015年 6月

    当社指名委員会委員長

  • 2015年 7月

    住友生命保険相互会社社外取締役(現任)

  • 2016年 6月

    当社取締役議長(現任)

  • どのような経緯でエーザイの社外取締役に選任されたのですか?

    経緯は全く分かりません。私はエーザイとは疎遠な関係でしたので、連絡があった際は「エーザイさん?何故私にコンタクト?」と戸惑いました。内藤CEOと名刺交換したのは、社外取締役に内定した後です。このプロセスには本当に驚きました。ほかの社外取締役の方も皆そうだと思います。

    ほかの会社が社外取締役を選任する場合、経営者が「知り合いのあの人に頼みたいから、独立性や中立性に問題がないかチェックしてほしい」と依頼することが多いと思います。しかし、エーザイは全く違います。まず独立性や中立性を担保できる候補を絞った上で、社外取締役のみによって構成される指名委員会が専門性などのバランスを考えて社外取締役を選出します。CEOをはじめ執行部門からすれば、直接関与しないのでリスキーで勇気が必要です。このプロセスに、エーザイのガバナンスの本質がよく表れていると思います。

  • エーザイの取締役会の運営の印象や課題について教えてください

    エーザイでは、PDCAのサイクルが上手く回転し、取締役会での社外取締役の意見が執行部門に真剣に受け止められていると実感しています。社外取締役が疑問に思ったことには、執行部門より真摯に回答がなされます。要望すれば、詳細説明のためのミーティングも開催されます。また、社外取締役の問題提起で新たな議題が取締役会に取り入れられることもあります。これは、経験豊富な取締役事務局の方々が、社外取締役の立場に立って、執行部門へフォローしているからだと考えます。

    課題は、資料の見やすさや分かりやすさの改善など、テクニカルな点のみです。

  • エーザイの中期経営計画(中計)の期間は、通例は5年でしたが、社外取締役の提案により今回は10年となったというのは、本当ですか?

    それは、私が提案したんですよ。ただ「10年にしなさい」と言ったわけではありません。会社にはそれぞれの中計の立て方があります。5年で区切る会社もあれば、3年でローリングする会社もあります。私は「長期にわたって新薬開発を行うエーザイの事業の特徴に合った中計を立ててはいかがですか?ただ、ビジョンと目標は違うので、10年のビジョン、5年の数値目標を立ててみてはいかがですか?」と提案しました。内藤CEOは、10年の中計の妥当性について、社内の多くのメンバーから意見を聞いたようです。その結果、「今起きている現象のほとんどは、10年前に予測できたことがわかりました。10年後のことが分からないというのは、間違いですね」とおっしゃっていました。内藤CEOが社外取締役の意見を真摯に受け止めた上で、現場レベルにまで落とし込んで意見を消化されたことに、驚きました。

  • エーザイの社員や企業理念に対する印象について教えてください

    現場第一線のMRからは、「てんかん患者様の症状が改善し、多くの患者様や医師から感謝された」という話を聞きました。顧客から感謝される機会に恵まれていることは、本当に羨ましいと思います。また、研究開発の担当者からは、「身内ががんで亡くなり、そのため新薬をつくることを志した」という使命感にあふれたお話を聞きました。エーザイ社員は恵まれた環境で、やりがいのある仕事をしていると思います。その点はぜひ社員にも理解してほしいです。

    また、グループホームに訪問して患者様との共同化プログラムを私自身が体験することで、企業理念が浸透していることを実感しました。これは、内藤さんが長年CEOを務め、企業理念の浸透に努力してきたことが大きく寄与していると思います。トップが率先して努力し、企業理念が現場まで浸透しているか否かは、その会社のサステナビリティに大きく関係すると思います。

(聞き手:IR部長 金森 靖和)