知的財産への取り組み

独自に開発した技術や製品を法的に保護し、有効に活用することは、企業の持続的成長と製品の安定的供給に不可欠です。当社は、患者様と生活者の皆様へ安定して医薬品その他のソリューションをお届けするために、特許、意匠、商標等の知的財産に関する諸活動を戦略的に進めています。

当社は、認知症領域とがん領域を中心とするソリューションの創出、他産業やグループとの連携によるhhcエコシステムの構築およびグローバルヘルスの実現を経営計画に掲げています。これらに基づいた当社の事業活動を支えるため、国内外の各リージョンに知的財産担当者を配置し、研究開発部門や事業部門と連携した知的財産活動をグローバルに展開しています。また、近年は創薬分野のみならず、デジタルソリューションをはじめとする新領域R&Dにも注力しており、AIやデータサイエンスを含む幅広い分野において知的財産活動を進めています。一方で、当社は第三者の知的財産を尊重し、事業活動に応じた特許調査や知財デューデリジェンスを通じて、他者の権利に十分配慮した対応を心がけています。

1.創薬活動と知的財産戦略

当社は、Human Biologyに基づく創薬活動と密接に連携した知的財産戦略を策定し、認知症領域とがん領域を中心とする創薬活動を知的財産の側面からも支えています。
低分子化合物、抗体、ADC(抗体薬物複合体)等の多様なモダリティからなる医薬品について、それらが適切に保護されるよう特許出願・権利化を行っています。医薬品の有効成分となる物質の発明に加え、創薬プロセスにおいて見出された結晶、用途、製法、製剤、中間体等の発明についても特許を取得し、最適なパテントポートフォリオの構築を目指しています。また、創薬活動で得られたスクリーニング方法やバイオマーカーの測定方法等の自社開発技術に関しても、特許出願または秘匿化することで戦略的な創薬活動を支援しています。

2.hhcエコシステムと知的財産活動

当社は、hhcエコシステムの構築において、各ビジネス領域における知的財産リスクを適切にコントロールしながら事業活動を推進しています。人々の日常から医療に至るすべてのライフステージを支えるため、様々なビジネスパートナーとの連携を通じた知的財産の活用に取り組んでいます。また、デジタルソリューション(のうKNOW*1、パシャっとカルテ*2、ササエル*3等)やAIを活用した技術(MCI予測AI、自然経過・治療・効果予測AI等)の開発をはじめとするデジタルヘルス事業においても、デジタル分野の知的財産動向を踏まえつつ技術の重要性や競争優位性等を勘案し、適切な知的財産の保護をめざしています。
*1: 当社が提供する脳の健康度セルフチェックツール
*2: Arteryex株式会社が提供する健康にまつわるPHRデータを管理できる一般消費者向けアプリ
*3: Theoria technologies株式会社が提供する軽度認知障害(MCI)・認知症における医師・患者・介護者のコミュニケーションアプリ

3.医薬品アクセスと知的財産

当社は、医薬品アクセス向上のための活動を新興国、開発途上国における長期的投資と位置付け、積極的かつ持続的に進めています。この取り組みについて、知的財産権と医薬品アクセスに関する当社ポリシー*4を定め、知的財産活動を通じたグローバルヘルスへの社会的貢献を実現しています。

*4: 知的財産権と医薬品アクセス | 医薬品アクセス向上に向けた研究開発 | エーザイ株式会社

4.特許への取り組み

当社は、グローバルに展開されるビジネスを知的財産面から支援すべく、研究開発活動により創出された発明を保護する特許を世界各国へ出願しています。
具体的には、当社の特許出願のうち国際出願が占める割合*5は約80%であり、医薬品開発において最重要である物質特許は、世界の約80の国と地域において出願・権利化を行っています。その他の発明については、発明の重要度や特許出願に伴うコストとベネフィットを考慮しながら出願の要否や出願国を決定することで特許マネジメントの最適化を図っています。特に、当社の事業活動の重点領域である神経領域およびがん領域を中心に、戦略的な知的財産への投資を行っております*6
また、各国の特許制度(特許期間延長やパテントリンケージ制度などを含む)の動向を注視し、適切な権利保護に努めています。さらに、当社・他者の特許に基づく特許係争においては、患者様と生活者の皆様へ医薬品その他のソリューションを安定してお届けすることを第一に考えて、適時・適切に必要な対応を行っております。

*5: 2015~2024年に出願された発明のうち国際出願された発明の割合を示したもの
*6: 2015~2024年にされた国際出願について、神経領域、がん領域、およびその他の領域(グローバルヘルスやデジタルソリューションを含む)に分類したもの

5.意匠への取り組み

当社は、患者様と生活者の皆様が安心して使用できるよう医薬品およびデジタルソリューション製品の形状、パッケージデザインや画面デザイン(GUI:Graphical User Interface)について、視認性・操作性・識別性等の観点から、適切な意匠権による保護をめざしています。

6.商標への取り組み

当社は、すべての医薬品について患者様に支持されるよう商品名を選定し、それらを商標権によって保護しています。また、マーケティング部門と連携して、ブランド戦略をグローバルに展開しています。

7.知的財産リテラシーの向上および専門的人財の育成

当社は、コンプライアンスおよびリスク管理を重視し、知的財産活動においても法令と倫理の遵守を徹底しています。そのため、研究開発活動等の業務に従事する社員を中心に幅広く知的財産教育を実施し、知的財産に関するリテラシーの向上に努めています。また、知的財産担当者に対しては、社外研修等による業務スキルの向上を図るとともに、知的財産管理技能士・弁理士・弁護士等の資格取得を推奨し、高質な知的財産活動の実現に向けた専門的な人財の育成に取り組んでいます。

    

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