認知症エコシステム

認知症エコシステム構築によるSocietal Innovation

エーザイは、「アリセプト®」の発売以降20年以上にわたって、認知症当事者の方とともに時間を過ごし、長年にわたる「共同化」を経て、最終的に三つの患者様の「憂慮」を理解しました。一つ目は「私の症状はいつ出るのでしょうか?」、二つ目は「それを防ぐすべはあるのでしょうか?」、三つ目は「家族には迷惑をかけたくありません」というものです。
もしエーザイがこれらの質問に対してきちんと回答できれば、当事者の方々をより幸せにし、よりご安心いただけるかもしれないという仮説をもとにブレインストーミングを重ねて、社会を変えるイノベーション(Societal Innovation)をめざす認知症エコシステム プラットフォームモデルを導き出しました。

認知症プラットフォーム「Easiit」

今、エーザイが注力しているのが認知症プラットフォーム「Easiit(読み:イージット)」の構築です。

「Easiit」の核となるのは、認知症の当事者の方と、エーザイのデータプラットフォームとの間の情報ループです。

「Easiit」のコアアセットは、エーザイが「アリセプト®」以来蓄積してきた次世代認知症治療薬を含めた臨床試験データや外部の臨床研究から入手した高質なデータであり、当事者からの情報をAIで解析し、様々なものを予測したり、アドバイスしたりすることです。エーザイがまず当事者からいただきたいのは、日常生活領域における、睡眠の様子や歩行の様子、食事の様子、2020年3月より事業者様向けに販売を開始したデジタルツール「のうKNOWTM」によるブレインパフォーマンス(脳の健康度)のチェックの結果です。そして、エーザイが蓄積しているデータに基づいてAIで解析し、認知症予防情報や認知症のリスク予測を当事者の皆様にお返しすることを考えています。この情報ループにより、脳の健康状態の測定や予防行動の習慣化を促進します。

一方、医療領域では、医療機関での検査データや「のうKNOWTM」とアルゴリズムを共有する医療機器「Cognigram」を使ったブレインパフォーマンスの測定情報を「Easiit」に医師用アプリケーションを通じてインプットする計画です。これをAIで解析し、治療効果の可視化や副作用の検出をサポートすることで、最適治療や問診・診断の効率化につなげる構想です。このような、日常生活領域と医療領域の架け橋としての機能が「Easiit」の全体像であり、Societal Innovationの実現をめざすものです。