hhceco(hhc理念+エコシステム)

中期経営計画 EWAY Future & Beyond

「患者様」から「生活者一人ひとり」へ

2021年度よりスタートした中期経営計画「EWAY Future & Beyond」では、当社が貢献すべき主役を「患者様とそのご家族」から「患者様と生活者の皆様」に拡大しました。

患者様と生活者の皆様の「“生ききる”を支える」をビジョンとして、当社が最も強みを持つニューロロジー領域とオンコロジー領域に立脚したサイエンスとデータに基づくソリューションを創出し、他産業やグループとの連携によるエコシステムの構築を推進します。

加えて、長年実践してきたヒューマン・ヘルスケア(hhc)理念に基づく、顧客の憂慮を知り、取り除くための戦略を立案し、解決するというhhcプロセスを磨き、一人ひとりの人生に寄り添います。その結果として、健康な状態から最期の時まで、その人らしく生ききることを叶え、支えるhhceco(hhc理念+エコシステム)へと進化することをめざしています。

認知症hhcecoモデル

当社が解決すべき社会課題としてまず取り組むのが、認知症のhhcecoモデルの構築です。このモデルの土台となるのが、エーザイならではの優位性のあるHuman Biologyデータの取得と蓄積です。自社内の研究開発プロセスやパートナーとの連携で得られたデータをインプットとし、価値創造の中心的な役割を果たすのがDeep Human Biology Learning(DHBL)をコンセプトとする研究開発体制であり、レカネマブやADパイプラインといった創薬はもちろんのこと、その研究結果としてのデータ・モデルの構築や、ソリューションパッケージを創出していきます。

この価値創造プロセスを加速させるのが、アカデミア、企業、自治体などのパートナーとの連携です。土台となるデータはパートナーとの連携を通じて蓄積され、研究開発では、アカデミアやスタートアップとの共同研究が展開されています。
また、創出されたデータ・モデル、薬、デジタルソリューションは、エーザイが直接、あるいはパートナーである企業、自治体と連携して幅広い人々に提供され、認知症発症前の健康な状態から発症・治療後の経過観察・予後の段階まで含めて、あらゆるステージの人々の憂慮を解消していきます。例えば、健常な人々に対しては発症リスク予測AIツールの提供、高リスクの人々には認知機能をチェックするアプリの実施、また、治療中の人々には治療効果を可視化するソリューションの活用、というように、様々なソリューションを企業や自治体との連携を通じて提供することで、適切な当事者の方に適切なタイミングでアプローチすることが可能になります。

これらのソリューションは人々のベネフィット向上に貢献し、様々なステークホルダーへの社会インパクトの提供を実現します。こうした社会インパクトは、次なる価値創造のための効率的なファンディングにつながり、また、新たなソリューション開発につながっていくという好循環のスパイラルを生んでいく、それがhhceco Modelの全体像です。

*1 Washington University in St. Louis
*2 Japan Health Research Promotion Bureau 国立高度専門医療研究センター医療研究連携推進本部
*3 Personal Health Record
*4 PCやタブレット端末を用いたトランプテストによって脳の健康度を評価するセルフチェックツール(非医療機器)
*5 Electronic Patient Reported Outcome 

*6 Real World Data 

*7 Digital Therapeutics