漢の時代、紀元1〜2世紀頃には最古の薬物書として、『神農本草経』が編纂されています。この薬物書は伝説上の皇帝・炎帝神農(えんていしんのう)が記したといわれ、当時の薬学知識の集積と位置づけられました。
唐から伝来した書物が、日本の本草学発祥のきっかけに
唐の時代には『神農本草経』の注釈書を始めとしたいくつかの書物が日本に伝えられ、後の日本の本草学発祥のきっかけとなりました。
日本の本草学は、江戸時代に最も発展
16世紀末に明の李時珍(りじちん)の『本草綱目』が日本に伝わり、日本での本草学の研究は、江戸時代に盛んになりました。それまでの文献的考証から実物観察を重視し、日本の風土や植生に合致する実用的な学問へと変遷を遂げました。