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ニュースリリース

2013年5月7日

欧州医薬品庁が抗がん剤「ハラヴェン®」の適応追加申請を受理
~転移性乳がんに対するより早期からの治療貢献をめざして~

 エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、このたび、英国子会社であるエーザイ・ヨーロッパ・リミテッドが、抗がん剤「ハラヴェン®」(一般名:エリブリンメシル酸塩)に関して、転移性乳がんに対してより早期から治療貢献することをめざした適応拡大申請を行い、欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)によって、本申請が受理されましたので、お知らせします。

 本申請に用いた臨床第III相試験(301試験)は、アントラサイクリン系およびタキサン系抗がん剤による前治療歴を有する局所進行性・転移性乳がんの患者様1,102人を対象とした、多施設共同、無作為化、非盲検による、カペシタビンとの群間比較試験として実施されました。対象の患者様の多くは、転移性乳がんに対する0~1レジメンの前治療歴を有していました。

 本剤は、2~5レジメンの前治療歴のある局所進行性・転移性乳がん患者様を対象とした臨床第III相試験(305試験:EMBRACE試験)において、主治医選択治療に対して、単剤で統計学的に有意に全生存期間を延長した世界で初めてのがん化学療法剤です。欧州では、現在、アントラサイクリンおよびタキサン系抗がん剤による2レジメン以上の前治療歴のある局所進行性・転移性乳がんの適応で承認を取得し、販売しています。今回の申請は、前治療歴が2レジメン以上に限られた現在の適応から、より前治療歴の少ない転移性乳がん患者様への適応拡大をめざすものです。

 乳がんの診断・治療は、新しい技術や薬剤の開発により年々進歩していますが、転移性乳がん治療においては、依然として高いアンメット・メディカル・ニーズが存在しています。当社は、引き続き、本剤が患者様価値増大に結びつくべくエビデンスの創出に邁進し、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

以上

[参考資料として、ハラヴェン®、301試験概要について添付しています]

<参考資料>

1.「ハラヴェン®」(一般名:エリブリンメシル酸塩)について

 「ハラヴェン®」は、新規の作用機序を有する非タキサン系微小管ダイナミクス阻害剤です。海洋生物クロイソカイメン(Halichondria okadai)から抽出されたハリコンドリン類の全合成類縁化合物であり、微小管の短縮(脱重合)には影響を与えずに伸長(重合)のみを阻害し、さらにチューブリン単量体を微小管形成に関与しない凝集体に変化させる作用を有しています。
 海外で実施された、アントラサイクリン系及びタキサン系抗がん剤を含む前治療歴のある進行または再発乳がん患者様762人を対象とした臨床第III相試験(EMBRACE試験)では、ハラヴェン®投与群は主治医選択治療群と比較し、全生存期間を、2.5カ月間延長しました(全生存期間:13.1カ月 対 10.6カ月、ハザード比:0.81、p値:0.041)。また、当社は欧州と米国の審査当局からの依頼によりプロトコールの規定に加えてEMBRACE試験の結果をアップデートしました。その最新の解析データは、ハラヴェン®投与群では主治医選択治療群に比べて2.7カ月間の全生存期間の延長が認められました(全生存期間:13.2カ月 対 10.5カ月、ハザード比:0.81、p値:0.014)。ハラヴェン®投与群で高頻度(頻度25%以上)に認められた有害事象は、無気力(疲労感)、好中球減少、貧血、脱毛症、末梢神経障害(無感覚、手足等のしびれ)、悪心、便秘でした。この中で、特に重篤な有害事象として報告されたのは好中球減少(発熱を伴う症例が4%、発熱を伴わない症例が2%)です。またハラヴェン®投与中止に至った主な有害事象は末梢神経障害(5%)でした。また、日本で実施された臨床第Ⅱ相試験でも、前治療歴を有する進行または再発乳がん患者様に対し、良好な抗腫瘍効果と忍容性プロフィールを示しました。
 本剤は、乳がんについて2010年11月に最初の承認を米国で取得し、これまでに欧州、日本、シンガポール、スイス等、40カ国以上で承認を取得しています。日本では、「手術不能又は再発乳癌」を効能・効果として承認され、2011年7月より発売をしています。また、本剤の製品価値最大化に向け、前治療歴の少ない乳がん、また、軟部肉腫、非小細胞肺がんについても後期臨床開発を進めています。

2. 301試験概要について

 本試験は、局所進行性・転移性乳がんの患者様1,102人を対象として、多施設共同、無作為化、非盲検による、カペシタビンとの群間比較試験として実施されました。本試験では、前治療として術前・術後補助療法を含む3種類以下かつ進行性・転移性乳がんに対する治療として2種類以下の治療歴を有すること、加えて、アントラサイクリンやタキサン系抗がん剤による前治療歴を有する患者様を対象としました。また、HER2(Human Epidermal Growth Factor Receptor Type2)の発現レベル(陽性、陰性および未確認)および実施地域(東欧、北米、中南米、西欧、南アフリカ、アジア)に応じて、患者様が両群で1:1になるよう無作為化されました。ハラヴェン®投与群は、21日を1クールとして、1.4mg/m²/dayを1日目と8日目に静注により投与され、カペシタビン投与群は、21日を1クールとして、2.5g/m²/dayを1日目から14日目まで経口投与されました。主要評価項目として、「全生存期間(Overall Survival: OS)」と「無増悪生存期間(Progression Free Survival: PFS)」が設定されました。
 本試験の結果は、2012年12月に開催されたサンアントニオ乳がんシンポジウムで発表されています。(参考:2012年12月7日付の当社ニュースリリース; http://www.eisai.co.jp/news/news201281.html