内部監査

内部監査部門の方針

内部監査とは、経営目標の達成に役立つように、会社の主要なビジネス活動を客観的に評価して、必要な助言を行う業務です。「内部」と表現されるとおり、内部監査は社内の人間が行いますが、より客観的な評価を行うために、事業部門から独立した組織として、内部監査部門は構成されています。

エーザイグループの内部監査部門は、事業部門が、持続可能な成長と社会的課題の解決に役立つ活動を展開するとともに、常にコンプライアンス(法令と倫理の遵守)の考えに基づいて適時・適切な判断と行動を実践し、患者様と生活者の皆様のベネフィット向上に貢献しているかの観点から評価しています。

内部監査部門のミッションステートメント

エーザイグループにおいて、内部監査の存在意義は、監査活動を通じた企業理念の実現への貢献にあると考えています。そのため、エーザイグループの内部監査部門は、以下のミッションステートメントを策定・公表し、私たちの監査活動が企業理念の実現に貢献しているかを点検しながら、絶えず、私たちの取り組みを進化させています。

ミッション

内部統制の継続的改善を促すことによって、エーザイグループのヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業としての企業理念実現に貢献する。

ビジョン(めざす組織像)

企業理念に基づく、患者様と生活者の皆様への持続的な貢献をめざし、リスク・ベースで客観的なアシュアランスおよび助言を提供できる、信頼されるアドバイザーとなる。

行動指針

  1. 私たちは、部員一人ひとりが監査のプロフェッショナルとして、能力の向上をはかります
  2. 私たちは、部員一人ひとりを尊重し、その力を引き出せるチーム力の向上をはかります
  3. 私たちは、客観的かつ独立した立場から、監査を受ける組織が抱える問題に誠実に耳を傾け、監査を行います
  4. 私たちは、より良い内部統制の整備に向け、リスク・ベースかつ将来を見据えた監査を行います
  5. 私たちは、実効的な改善策の提言に軸を置く監査を行います
  6. 私たちは、エーザイグループの持続可能な成長と企業価値の向上に資する監査を行います

内部監査部門の特徴

2019年、エーザイグループの内部監査体制および活動が、一般社団法人日本内部監査協会によって高く評価され、同協会の第33回「会長賞(内部監査優秀実践賞)」 1 を受賞しました。エーザイグループの内部監査部門は、その特徴として、企業理念に掲げる「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業」として、患者様と生活者の皆様の満足増大並びに他産業との連携によるhhcエコシステムを通じて、日常と医療の領域で生活する人々の「生ききるを支える」ことへの貢献に力点を置きながら、以下の取り組みを進めています。

  • グローバルな監査体制を構築している
  • リスク判断に基づく監査計画を策定している
  • テーマ監査を中心とした経営に資する監査を実施している
  • アシュアランス機能に加えてコンサルティング機能を有している
  • 監査をとおして内部統制の整備を支援している
  • 監査によって発見された課題に対する改善状況を継続的にフォローしている
  • 監査の品質を保つために監査メンバー全員の意見を反映できる仕組みを有している
  • 監査品質を向上するために外部評価委員会を立ち上げ、継続的に評価を受けている
  • 専門性の確保に向けた人財の育成に積極的に取り組んでいる

グローバル内部監査体制

エーザイグループでは、内部監査を担当する執行役のもとに、日本、米国、欧州、中国、アジアの内部監査部門が協力しながら、グローバルに内部監査を実施しています。

エーザイグループは、グローバルな内部監査体制を維持・強化するため、定期的にグローバル会議を開催するなど、全地域の監査部門間での緊密なコミュニケーションをはかっています。また、毎年、各地域の内部監査部門メンバーで構成するグローバルチームを形成し、グローバル監査を実施しています。グローバル監査では、企業理念の実現に向けた重要なリスクが、エーザイグループ全体としてどのように管理され、どこに課題があるのかを一元的に把握し、改善を促すことで、全世界における患者様と生活者の皆様のベネフィット向上への貢献に努めています。

グローバル内部監査体制
  • ※1
    内部監査担当執行役の業務を補佐する役割として、エグゼクティブインターナルオーディターを配置しています。(2024年3月現在)
  • ※2
    コーポレートIA部が、エーザイグループの本社機能として、各地域の内部監査部門間の調整を担っています。
  • ※3
    日本については、EAファーマ株式会社の内部監査部門と分担して監査業務を遂行しています。

内部監査部門による環境監査の実施

エーザイグループの内部監査部門では、グループ全体におけるコンプライアンスやリスク管理の状況を評価する業務監査、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制評価に加えて、特に環境・労働安全衛生に関するコンプライアンスやリスク管理の状況を専門的に評価する環境安全監査を実施しています。

エーザイグループは、「エーザイ・ネットワーク企業(ENW)環境方針」に基づき、地球環境の保護を重視した企業活動を展開しています。そうしたなか、事業部門から独立した内部監査部門が、環境安全マネジメントに対する監査を実施することで、より客観的な視点から、地球環境の保護を重視した企業活動の推進に貢献できるよう、努めています。

監査品質に対する外部評価

内部監査人および内部監査活動の基準となる、IIA(The Institute of Internal Auditors: 米国に本部を置く内部監査人協会)の「内部監査の専門職的実施の国際基準」(以下、国際基準)によれば、最低でも5年に1度は、内部監査に対する外部評価を実施しなければならないと定められています。

そうしたなか、エーザイグループでは、2013年に会計、法務、内部統制・内部監査等の社外専門家で構成する外部評価委員会を設置し、以降、内部監査に対する外部評価を3年に一度実施することに加え、外部評価委員会から、原則隔月で内部監査活動に対する助言を受けています。具体的には、外部評価委員会を中心とする以下の取り組みのなかで、IIAの国際基準に基づいた客観的な評価や、患者様と生活者の皆様のベネフィット向上への貢献という観点に基づく助言を受け、監査活動を改善させるといった、継続的かつ自律的な監査品質向上の仕組みを構築し、運用しています。

  • 年間監査計画に対して、外部評価委員からの助言を受けて、個別の監査の着眼点やアプローチを改善させています
  • 個別の監査結果に対して、外部評価委員からの助言を受けて、発見事項に対するフォローアップや次回の監査活動に活かしています
  • 内部監査部門が行う、監査品質の年次自己評価に対して、外部評価委員会からの年次レビューを受け、翌年の監査活動を継続的に進化させています

1 「会長賞(内部監査優秀実践賞)」とは、一般社団法人日本内部監査協会が、創立30周年(1987年)を記念して、わが国の内部監査の発展に資するために創設したものです。会長賞は、協会会員であって、内部監査が制度的に充実し、かつ長期にわたり内部監査活動が継続して積極的に行われ、成果をあげ、内部監査の普及・発展に貢献している企業・経営組織体を表彰しています。