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ニュースリリース

(2008年3月3日) 印刷用(PDF 189KB)

「アロキシ®注射剤」、
FDAより術後の悪心・嘔吐予防の効能・効果追加の承認を取得

エーザイ株式会社
エーザイ・コーポレーション・オブ・ノース・アメリカ
ヘルシン・ヘルスケア SA

 エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)と、エーザイの米国統括会社エーザイ・コーポレーション・オブ・ノース・アメリカ(本社:ニュージャージー州、会長:清水初)およびヘルシン・ヘルスケア SA(本社:スイス ルガーノ、CEO:Riccardo Braglia)は、FDA(米国食品医薬品局)より、「アロキシ®(一般名:パロノセトロン塩酸塩)注射剤」について、術後24時間までの悪心・嘔吐の予防の効能・効果の追加承認を受けたと発表しました。なお、術後24時間以降の有効性は実証されていません。

 アロキシ®は、米国で2003年から販売されています。従来から承認を取得していた中等度~高度リスクの催吐性抗がん剤による初回および反復的な化学治療に伴う急性の悪心・嘔吐の予防、および催吐性が中等度の抗がん剤による初回及び反復的な化学治療に伴う遅発性悪心・嘔吐の予防の両方の効能・効果を初めて取得した、唯一のセロトニン(5-HT3)受容体拮抗剤です。
 本剤の北米における販売権に関しては、エーザイ・コーポレーション・オブ・ノース・アメリカの100%子会社であるMGIファーマ(MGI PHARMA, INC, 本社:ミネソタ州、President & CEO:Lonnie Moulder)が、ヘルシン・ヘルスケア SAより取得しています。

 今回の追加承認の取得は、術後の悪心・嘔吐予防に関する有効性を、アロキシ®3用量とプラセボを直接比較したフェーズⅢ二重盲検比較試験に基づいたものです。本試験では、婦人科手術または腹腔鏡下手術を受ける574人の被検者(主に外来患者)を対象とし、麻酔薬投与の前に、アロキシ®(静脈注射による1回の投与量0.025mg、0.050mg、0.075mg)あるいはプラセボを無作為に割り付けて投与しました。術後の悪心・嘔吐へのアロキシ®の有効性は、手術当日(術後24時間)、およびその後2日間(術後24-72時間)で評価されました。

 本試験では、主要評価項目(コ・プライマリー エンドポイント)である完全奏功(CR: Complete Response)、すなわち術後24時間内に嘔吐なし、あるいは制吐剤での緊急対応なしにおいて、アロキシ®は、プラセボ投与群と比較して、統計的に有意な改善を示しました。(プラセボ投与群でCRが認められたのは25.9%であったのに対し、アロキシ® 0.075mg投与群の42.8%でCRが認められました。〔p=0.0035〕)。もうひとつの主要評価項目(コ・プライマリー エンドポイント)である術後24-72時間でのCRにおいては、プラセボ投与群の40.7%に対して、アロキシ® 0.075mg投与群の48.6%でCRが認められました。〔P=0.1877、有意差無し〕。

 さらに、アロキシ®0.075mg投与群は、プラセボと比較して悪心の程度を有意に低下させました。この結果は、悪心の程度をプラセボに比して有意に〔p=0.009〕低下させたフェーズⅡ試験の結果を裏付けるものでした。

 有害事象の発生率は、プラセボ群を含め全ての投与群間に差は認められませんでした。アロキシ®の投与に伴い、2%以上の割合で発生し、最も多く認められた有害事象は、心電図のQT延長(5%)、徐脈(4%)、頭痛(3%)と便秘(2%)でした。

 術後の悪心・嘔吐の効能・効果を加えた添付文書には、221人の健常人ボランティアによる、アロキシ®0.25mg、0.75mg、2.25mg投与でのモキシフロキサシンと比較した心電図への影響(これはセロトニン受容体(5-HT3)拮抗剤の潜在的な安全性上の懸念事項です)を検討した試験結果についても記載されました。その結果、2.25mgまでのアロキシ投与により、QTc時間(再分極)などの心電図への影響は認められませんでした。

 最近の試験の結果によれば、幾つかの予防薬の使用にもかかわらず、33%のハイリスクの患者では依然として術後6時間内に、緊急対応を必要とし、40%以上の患者では、術後24時間内に緊急対応を必要とする強い術後の悪心・嘔吐の症状を有していることが報告されています。

 アメリカでは毎年、約3,800万件の全身麻酔が行われています。(2006年データ)そのうちの39%、1,500万件で、術後の悪心・嘔吐の制吐療法が行われています。この1,500万件の89%、1,340万件で、アロキシ®などのセロトニン受容体拮抗剤が使用されています。

 エーザイ株式会社は2008年1月、MGIファーマの買収完了を発表しました。これにより、MGIファーマの製品、および開発品とともに研究開発・コマーシャル機能を手に入れ、成長基盤を確立しました。アロキシ®の効能・効果が追加されたことにより、当社は患者様とそのご家族のベネフィット向上にさらに貢献していきます。


[参考資料としてPONVについての用語解説とヘルシン・ヘルスケア SAの概要を添付しております]


本件に関する問い合わせ先
エーザイ株式会社 コーポレートコミュニケーション部
Tel:03-3817-5120



<参考資料>


1.用語解説
術後の悪心・嘔吐(PONV)
術後の悪心・嘔吐は、麻酔及び手術が原因で生じる術後合併症として一般的なものであり、多くの場合、手術直後あるいは術後3日以内に起こります。腹部、婦人科、耳鼻咽喉科や眼科の手術を受ける患者で、PONVのリスクが高くなります。この他、PONVリスクを高める要素としては、患者の性別(女性)、非喫煙習慣、過去のPONV発症歴、乗り物に酔いやすい体質や、手術時間、揮発性麻酔薬やオピオイドの使用などがあります。

2.ヘルシン・ヘルスケアSAについて
ヘルシン・ヘルスケアSAはスイスに本社を置く製薬グループで、パロノセトロンのグローバル・ライセンサーです。ヘルシン社の主力事業は、製薬業界のニッチ分野の医薬品のライセンシングです。同社の事業戦略は、開発の初期段階にある新規化合物を導入し、前臨床・臨床段階の実施、CMC(医薬品の製造および品質管理)開発業務を完了させ、欧米等、戦略的に重要なマーケットでの販売承認を得るというものです。同社製品は最終的に提携企業に導出され、販売されます。同社医薬品の有効成分及び最終製品はヘルシン社のcGMP(current GMP)工場で生産され世界中に供給されています。ヘルシン社についてのさらに詳しい情報は、同社のウェブサイトwww.helsinn.comをご覧ください。
以上