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ニュースリリース

(2007年8月10日) 印刷用(PDF 47KB)

英国高等裁判所は英国国立医療技術評価機構
(National Institute for Health and Clinical Excellence: NICE)の
「アルツハイマー型認知症治療ガイダンス」が差別的であるとの判決


 エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)の英国子会社エーザイ・リミテッド(本社:ロンドン、社長:ポール・フーパー)は、NICEが当社のアルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト®」(一般名:塩酸ドネペジル)を含む認知症治療薬の軽度アルツハイマー病患者様への使用を認めないとした、アルツハイマー型認知症治療ガイダンス(以下、ガイダンス)の作成プロセスに関する司法審査請求を英国高等裁判所に提出していましたが、審査の結果、英国高等裁判所は2007年8月10日(英国時間)、ガイダンスが差別的であるとする当社の主張を支持するとの判決を示しました。この判決において同裁判所は、ガイダンスの修正案を起案することを求めています。

 エーザイ・リミテッドは2007年1月、「アリセプト®」の共同販促パートナーであるファイザー・リミテッド(社長:ジョン・ヤング)の協力を得て、NICEが2006年11月に発行したガイダンスの作成プロセスに関し、下記の点について英国高等裁判所に対し司法審査請求を行いました。

  • 不公正性:NICEは、認知症治療薬の軽度アルツハイマー病治療における医療経済的効果の検証に用いた費用対効果算出モデルの開示を拒否しており、本ガイダンス作成の手順は公正性を欠いている。
  • 不合理性:医療経済的評価の算定において、介護者の費用など必要なデータが十分に反映されておらず、前提条件において合理性を欠いている。
  • 差別性:ガイダンス作成プロセスでは、アルツハイマー病の進行度診断指標としてMini Mental State Examination (MMSE)スコアのみを使用しており、言語能力・学習能力に問題がある場合や母国語が異なる場合には進行度が正しく判定されないことがあるため、一部の患者様を差別することになる。

今回の判決では、不公平性と不合理性については当社の主張が認められませんでした。エーザイ・リミテッドは、この点について控訴を含めた今後の対応を検討中です。

 当社は今後も高品質な薬剤の安定供給を通じて、英国におけるアルツハイマー病患者様とそのご家族のベネフィット向上に貢献してまいります。

以上


[参考資料として用語解説、製品概要を添付しています]


<参考資料>


1.用語解説
 ○アルツハイマー型認知症治療ガイダンスとは
 英国NICEは、医療技術評価(Health Technology Assessment: HTA)により薬剤等の医療経済的効果について査定を行い、疾病ごとの標準的な医療のあり方をガイダンスとして提言しています。2006年11月に発行されたガイダンスでは、その作成プロセスにおいて「アリセプト®」を含む認知症治療薬の医療経済的効果が評価されており、この中でNICEは中等度アルツハイマー病治療における認知症治療薬の医療経済的効果を認めたものの、軽度アルツハイマー病治療については費用対効果が不十分としてNational Health System(NHS)下での使用/償還を認めていません。

 ○軽度アルツハイマー病とは
 アルツハイマー病の進行度の診断にはいろいろな指標が使用されますが、NICEが用いている指標MMSEテストでは、0~30のスケールのうち、30~27が正常、26~21が軽度、20~10が中等度、10以下が高度と定義されています。

 ○司法審査とは
 行政・司法の決定について異議を申し立てることができる英国の法制上の制度です。審査にあたっては、請求者による請求、対象となった行政に対する書面での通達、高等裁判所による承認が必要となり、これらを経た後、書類による審査やヒアリングが開かれ、判決となります。