2050年ネットゼロ達成に向けた温室効果ガス削減への取り組みの強化JCI Race to Zero Circleへの参加ならびにSBT1.5℃目標の承認を取得

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、中長期的な温室効果ガス(GHG)の削減に向けた取り組みについて、「気候変動イニシアティブ(JCI)」より2050年までのネットゼロ達成にコミットするJCI Race to Zero Circleへの参加承認を取得しました。また、「Science Based Targets(SBT)イニシアティブ」より、当社の新たなGHG削減目標についてSBT1.5℃目標として以下の概要で承認を取得しました。

    • GHGの排出量(スコープ1+2)を2030年度までに2019年度から55%削減する。
    • GHGの排出量(スコープ3のうち購入した製品・サービスに基づく排出量)を2030年度までに2019年度から27.5%削減する。

    スコープ1:化石燃料使用により、大気中へ放出されたGHG直接排出量

    スコープ2:他者から供給を受けた電気、蒸気の利用に伴うGHG間接排出量

    スコープ3:サプライチェーンにおける自社を除く間接的なGHG排出量

 

 2015年12月の国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で成立したパリ協定以降、世界共通の目標として、世界の気温上昇を産業革命前と比べて1.5℃以内に抑える削減目標(1.5℃目標)と、その延長にある2050年ネットゼロ達成に向けた取り組みが加速しています。2023年12月に開催された同第28回締約国会議(COP28)では、1.5℃目標達成のための緊急的な行動の必要性が再確認されました。当社は、2019年度以降、SBT2℃目標(2016年度比で2030年度までにGHGを30%削減)を掲げ、2022年度まで3年連続で目標を達成し、GHG排出量削減は2016年度比で60%を超える水準まで到達しました。今後は、2050年までにネットゼロを達成するため、既に加盟する国際イニシアティブRE100の取り組みに加え、今回参加したJCI Race to Zero Circleおよび新たに承認されたSBT1.5℃目標への取り組みを通じてGHG削減を強化していきます。

 

 当社は患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献することを企業理念と定めています。このヒューマン・ヘルスケア(hhc)理念を実現するためには、事業活動の基盤である地球環境の保全が必要不可欠です。当社は、設定した目標に沿って気候変動緩和への取り組みを着実に推進し、社会の持続性確保によって人々の「生ききるを支える」ことに貢献してまいります。

 

ネットゼロ(SBTイニシアティブネットゼロ基準による定義)

  • スコープ1、2、3の排出量をゼロにするか、もしくは適格な1.5℃目標に沿ってグローバルまたはセクターレベルでのネットゼロ排出達成と整合性がある残余排出量水準まで削減
  • ネットゼロ目標の時点における残余排出量およびそれ以降に大気中に放出されるすべてのGHG排出量を中和すること

以上

 

<参考資料>

1.気候変動イニシアティブ(JCI)について

 JCIは、気候変動対策に積極的に取り組む企業や自治体、団体、NGOなど、国家政府以外の多様な主体のゆるやかなネットワークであり、当社も参加しています。JCI Race to Zero Circleは、国連が支援する気候変動対策キャンペーンRace To Zeroの公式パートナーです。

 詳細は、JCIのホームページをご覧ください。

 

2.Race To Zeroについて

 Race To Zero(ゼロへのレース)は、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局が開始した国際キャンペーンであり、企業、自治体、投資家、大学などの非政府アクターに、2050年までのGHGネット排出量ゼロ達成に向けた行動を迅速に起こすことを呼びかけています。Race To Zeroへの参加には、5つの要件(誓約・計画・実行・公開・説得)に適合することが必要です。

 

3.Science Based Target (SBT)イニシアティブについて

 SBTイニシアティブは、環境分野に関わる情報開示プログラムを運営する国際NGOであるCDP、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、世界自然保護基金(WWF)、および世界資源研究所(WRI)による国際的な共同イニシアティブです。SBTは、科学的根拠に基づいて設定するGHG削減目標のことで、SBTイニシアティブにより審査・認定されており、現在では国際的なデファクトスタンダート(事実上の標準)となっています。

詳細は、SBTイニシアティブのホームページ(英語)をご覧ください。

 

4.エーザイの環境への取り組みについて

 事業活動の基盤である地球環境の保全は、患者様や生活者の皆様の日々の暮らしに大きくかかわる重要な経営課題です。定款に定めた長期的視野に基づく社会の持続性への貢献にも密接に関係するテーマであり、当社では「ENW環境方針」、「環境経営ビジョン」の下、社会的課題の解決につながる環境活動を強化しています。

 当社の環境への取り組みについては、こちらをご覧ください。