ASCO GIおよびASCO GUにおいて複数のがんに対する最新の開発研究に関する演題を発表

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、米国カリフォルニア州サンフランシスコおよびバーチャル形式で開催される「米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム2024(ASCO GI 2024)」(開催期間:2024年1月18日から20日)、および「米国臨床腫瘍学会泌尿器がんシンポジウム2024(ASCO GU 2024)」(開催期間:2024年1月25日から27日)において、肝細胞がん、胆管がん、ならびに腎細胞がんについての開発研究に関する知見を発表することをお知らせします。

 

ASCO GI 2024における当社製品・開発品に関わる主な発表について

 ASCO GI 2024では、2023年12月に日本において新薬承認申請を行った、経口投与可能な線維芽細胞増殖因子(FGF)受容体(FGFR1、FGFR2、FGFR3)選択的チロシンキナーゼ阻害剤タスルグラチニブ(開発コード:E7090)について、FGFR2融合遺伝子を有する胆管がんを対象とした単群臨床第Ⅱ相試験の最新知見を発表します(NCT04238715;抄録番号:471)。また、CREB-binding protein(CBP)/β-catenin相互作用阻害剤E7386*1について、進行肝細胞がんを対象とした臨床第Ib相試験のバイオマーカー解析結果も発表します(NCT04008797;抄録番号:535)。

 当社創製の経口チロシンキナーゼ阻害剤レンバチニブ(製品名:レンビマ®)とMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ®*2)の併用療法を評価するLEAP(LEnvatinib And Pembrolizumab)臨床プログラムの研究結果としては、切除不能肝細胞がんの一次治療として、レンバチニブ単剤療法と比較して評価した臨床第Ⅲ相LEAP-002試験における長期の有効性と安全性の解析結果を発表します(NCT03713593;抄録番号:482)。

 

 ASCO GI 2024における当社の主なプレゼンテーションのリストは以下のとおりです。抄録(アブストラクト)は、ASCOウェブサイトで、2024年1月16日2:00 PM(米国太平洋標準時)に公開される予定です。

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がん種試験/ 化合物抄録題目発表形式および詳細
(米国太平洋標準時 )
パイプライン
消化器がん E7090 FGFR2融合遺伝子陽性の胆管がん患者を対象としたタスルグラチニブの単群臨床第II相試験

Poster Session
抄録番号:471
2024年1月19日
12:30-2 :00 PM

E7386 CREB-binding protein (CBP)/β-catenin相互作用阻害剤E7386とレンバチニブの併用療法を進行肝細胞がんにおいて評価した臨床第Ⅰb相試験のバイオマーカー解析

Poster Session
抄録番号:535
2024年1月19日
12:30-2:00 PM

レンバチニブ+ペムブロリズマブ
消化器がん LEAP-002試験 進行肝細胞がんの一次治療としての、レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法、およびレンバチニブ単剤療法の比較評価:臨床第Ⅲ相LEAP-002試験の長期有効性と安全性の解析結果

Poster Session
抄録番号:482
2024年1月19日
12:30-2:00 PM

 

ASCO GU 2024における当社製品・開発品に関わる主な発表について

 ASCO GU 2024では、レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法について、進行腎細胞がんの一次療法において、スニチニブを対照とした臨床第Ⅲ相CLEAR試験(307試験/KEYNOTE-581試験)のサブグループ解析結果をrapid oral abstract session(NCT02811861;抄録番号:364)で、他の一次療法と比較したネットワークメタアナリシスの結果をポスター(抄録番号:482)で発表します。また、本併用療法については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAが、非淡明細胞型腎細胞がんの一次治療として評価した臨床第Ⅱ相KEYNOTE-B61試験の延長追跡解析結果(NCT04704219;抄録番号:2)についてポスター発表します。さらに、治療歴のある進行腎細胞がんにおけるレンバチニブとエベロリムスの併用療法のリアルワールドエビデンスについてポスター発表します(抄録番号:437)。

 

 ASCO GU 2024における当社の主なプレゼンテーションのリストは以下のとおりです。抄録(アブストラクト)は、ASCOウェブサイトで、2024年1月22日2:00 PM(米国太平洋標準時)に公開される予定です。

※左右にスクロールできます

がん種試験/ 化合物抄録題目発表形式および詳細(米国太平洋標準時 )
レンバチニブ+ペムブロリズマブ
泌尿器がん CLEAR試験 非盲検臨床第Ⅲ相CLEAR試験におけるベースライン腫瘍サイズによる有効性アウトカムのサブグループ解析

Rapid Oral Abstract Session
抄録番号:364
2024年1月27日
1:00-2:15 PM

ネットワーク
メタアナリシス
進行腎細胞がんにおいて、レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法の有効性を他の1次療法と比較して評価したネットワークメタアナリシス

Poster Session
抄録番号:482
2024年1月27日
7:00 PM

KEYNOTE-B61試験 非淡明細胞型腎細胞がんの一次治療としてのペムブロリズマブとレンバチニブの併用療法:臨床第Ⅱ相KEYNOTE-B61試験の延長追跡解析(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの発表)

Poster Session
抄録番号:2
2024年1月27日
7:00 PM

レンバチニブ+エベロリムス
泌尿器がん リアルワールドエビデンス 治療歴のある進行腎細胞がんにおけるレンバチニブとエベロリムスの併用療法:リアルワールドエビデンス

Poster Session
抄録番号:437
2024年1月27日
7:00 PM

 

 レンバチニブについて、単剤療法およびペムブロリズマブとの併用療法に関して、当社は、2018年3月にMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAとグローバルな共同開発と共同販促を行う戦略的提携契約を締結しています。現在、本併用療法については、LEAP(LEnvatinib And Pembrolizumab)臨床プログラムのもと、様々ながん種における複数の臨床試験を実施中です。

 

以上

     

<参考資料> 

  1. 1.  当社のがん領域の取り組みについて

 エーザイは、「がん領域」を戦略的重要領域の一つとし、Deep Human Biology Learning創薬体制のもと、ヒューマン・バイオロジーに基づき、「微小環境」「タンパク質恒常性破綻」「細胞系譜や細胞分化」「細胞老化を伴う炎症、低酸素、酸化ストレス」などの創薬領域(ドメイン)における抗がん剤の研究開発にフォーカスしています。これらのドメインから新たな標的や作用機序を有する革新的新薬を創出し、がんの治癒の実現に向けて貢献することをめざしています。

  

*1 株式会社PRISM BioLab(本社:神奈川県)との共同創製品

*2 キイトルーダ®は Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの子会社であるMerck Sharp & Dohme LLCの登録商標です。