タイにおいて、タイ保健省と認知症領域での協働に合意

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、当社のタイ販売子会社であるEisai(Thailand)Marketing Co., Ltd.(以下 エーザイ・タイランド)が、タイ保健省医療サービス局(以下タイ保健省)と、タイにおけるアルツハイマー病(AD)をはじめとする認知症の治療に対するアクセス改善に向け協働することに合意したことをお知らせします。

 

 タイでは、急速な高齢化に伴い、認知症当事者様数は現在の70万人から2050年には200万人へと大幅に増加すると予測されています1。また、認知症およびADは女性の死因の第3位(総死亡数の7.1%)、男性では第9位(同3.3%)2となっており、認知症対策の体制構築が急務とされています。

 

 今回の合意にあたり、エーザイ・タイランドとタイ保健省は、タイにおける認知症とADの問題に対処する上での主要な課題として、(1)ADを含む軽度認知障害(MCI)および認知症の疾患啓発、(2)ADを含むMCIおよび認知症の診断インフラの整備とそのアクセスの確保、(3)認知症当事者様および介護者様のための認知症コミュニティやエコシステムの構築を通じたトータルケアの確保、の3点を特定しました。

 これらの課題の解決には国が本疾患対策のガイドラインを策定することが肝要であり、エーザイ・タイランドとタイ保健省は、その策定に向けた調査等を共同で実施します。また、他産業を含む多様なステークホルダーと連携して認知症エコシステムを構築し、ガイドラインの運用を推進するとともに、タイの認知症コミュニティに対する強力な支援体制の構築をめざします。

 

 当社は、引き続き、人々の「健康憂慮の解消」や「医療較差の是正」という社会善を効率的に実現することをめざし、認知症当事者様とそのご家族の皆様の「生ききるを支える」ことに貢献してまいります。

 

以上

 

1 Alzheimer’s Disease International. & Alzheimer’s Australia. (2014). Dementia in the Asia Pacific Region. London: Alzheimer’s Disease International.

2 Burden of Disease Thailand Report 2019