欧州臨床腫瘍学会年次総会におけるエーザイのがん領域の製品・開発品に関する発表について

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、2023年10月20日から24日までスペイン・マドリードおよびバーチャル形式で開催される「欧州臨床腫瘍学会(European Society for Medical Oncology:ESMO)年次総会」(ESMO Congress 2023)において、当社のがん領域における製品・開発品の様々ながん種における最新知見を発表することをお知らせします。

 

 本学会では、当社創製の経口チロシンキナーゼ阻害剤レンバチニブ(製品名:レンビマ®)とMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ®)の併用療法について、進行性腎細胞がんの一次治療として、スニチニブと比較して評価した臨床第Ⅲ相CLEAR(307)試験/KEYNOTE-581試験のベースラインの転移巣別の腫瘍反応の事後解析結果をポスター発表します(NCT02811861;抄録番号:1903P)。また、子宮内膜がんを対象とした臨床第Ⅲ相309試験/KEYNOTE-775試験において、本併用療法の終了後、レンバチニブ単剤療法を継続した症例の治療アウトカムについてポスター発表します(NCT03517449;抄録番号:748P)。

 

 当社常務執行役、チーフサイエンティフィックオフィサーの大和隆志博士は、「当社は、ヒューマン・ヘルスケアコンセプトを推進する研究開発型企業として、強固な製品・開発品により、がん医療の科学を進歩させることで、患者様とその家族の生活に変化をもたらすことを目標としています。今年の欧州臨床腫瘍学会年次総会では、臨床第Ⅲ相CLEAR試験および309試験/KEYNOTE-775試験の解析結果の発表において、進行性腎細胞がんおよび進行性子宮内膜がん患者様の治療について、重要な知見を提供します。我々は、オンコロジー研究を前進させるために、サイエンティフィックコミュニティと、レンバチニブおよび当社の開発品のデータを共有し、意見交換を行う機会を重要と考えています」と述べています。

 

 レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法を評価するLEAP(LEnvatinib And Pembrolizumab)臨床プログラムの研究結果からは他にも、転移性食道扁平上皮がんにおいて、レンバチニブとペムブロリズマブに化学療法を加えた併用療法を評価する臨床第Ⅲ相LEAP-014試験の安全性確認パートの結果について発表します(NCT04949256;抄録番号:1534P)。また、切除不能肝細胞がん一次治療におけるレンバチニブと主要な対照薬を比較したネットワークメタアナリシスについてポスター発表する予定です(抄録番号:1007P)。

 

 さらに、E7389-LF(エリブリンリポソーム製剤)について、転移性または進行性HER2陰性乳がん患者における一次化学療法として評価する臨床第Ⅰ相試験用量拡大パートの結果をポスター発表します(抄録番号:405P)。加えて、葉酸受容体αをターゲットとした抗体薬物複合体であるfarletuzumab ecteribulin(FZEC、開発コード:MORAb-202)の子宮内膜がんにおける前臨床試験からの知見を発表します(抄録番号:786P)。

 

 本学会におけるプレゼンテーションは以下のとおりです。抄録(アブストラクト)は、2023年10月16日12:05 AM(中央ヨーロッパ夏時間)に、ESMOウェブサイト上で公開される予定です。

  

※左右にスクロールできます

がん種試験/化合物抄録題目発表形式および詳細
(中央ヨーロッパ夏時間)
レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法
泌尿生殖器がん CLEAR試験 レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法を受けた腎細胞がん患者におけるベースラインの転移巣別の腫瘍反応:CLEAR試験の事後解析結果

Poster Session
抄録番号:1903P
2023年10月23日
9:00 AM-5:00 PM

婦人科がん 309試験/
KEYNOTE-775試験
臨床第Ⅲ相309試験/KEYNOTE-775試験において、ペンブロリズマブ治療を完了し、レンバチニブ治療法を継続した進行性子宮内膜がん患者の治療アウトカム

Poster Session
抄録番号:748P
2023年10月22日
9:00 AM-5:00 PM

消化器がん LEAP-014試験 転移性食道扁平上皮がんの一次療法としてのレンバチニブとペムブロリズマブに化学療法を加えた併用療法:臨床第Ⅲ相LEAP-014試験の安全性確認パートの結果

Poster Session
抄録番号:1534P
2023年10月23日
9:00 AM-5:00 PM

レンバチニブ
消化器がん ネットワークメタアナリシス 切除不能肝細胞がん一次治療におけるレンバチニブと主要な対照薬を比較したネットワークメタアナリシス

Poster Session
抄録番号:1007P
2023年10月23日
9:00 AM-5:00 PM

リアルワールドエビデンス(肝がん) 韓国の実診療における切除不能肝細胞がん患者におけるレンバチニブの安全性と有効性

Poster Session
抄録番号:987P
2023年10月23日
9:00 AM-5:00 PM

エリブリン
乳がん エリブリン
再発転移性HER2 陰性乳がんにおけるエリブリンまたは他の単剤化学療法による一連の治療結果の健康アウトカム

Poster Session
抄録番号:405P
2023年10月21日
9:00 AM-5:00 PM

パイプライン

乳がん E7389-LF 転移性または進行性HER2陰性乳がん患者における一次化学療法としてのE7389-LF:臨床第Ⅰ相試験用量拡大パートの結果

Poster Session
抄録番号:405P
2023年10月21日
9:00 AM-5:00 PM

婦人科がん Farletuzumab Ecteribulin(FZEC) 4つの異なる分子サブタイプの子宮内膜がん患者腫瘍組織移植モデルのパネルにおけるfarletuzumab ecteribulinの抗腫瘍効果

Poster Session
抄録番号:786P
2023年10月22日
9:00 AM-5:00 PM

 レンバチニブの単剤療法およびペムブロリズマブとの併用療法に関して、当社は、2018年3月にMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAとグローバルな共同開発と共同販促を行う戦略的提携契約を締結しています。両社は、LEAP(LEnvatinib And Pembrolizumab)臨床プログラムを通じて、本併用療法の様々ながん種における複数の臨床試験を実施中です。

 

 FZECについて、当社は、2021年6月にブリストル マイヤーズ スクイブと共同開発・共同商業化に関するグローバルな独占的戦略的提携契約を締結しています。当社とブリストル マイヤーズ スクイブは、子宮内膜がんなどの特定の固形がんを対象とした臨床第I/II相試験、非小細胞肺がんを対象とした臨床第Ⅱ相試験、卵巣がん、腹膜がんおよび卵管がんを対象とした臨床第Ⅱ相試験を実施中です。

 

以上

 

   

<参考資料>

1. 当社のがん領域の取り組みについて

 当社は、「がん領域」を戦略的重要領域の一つとし、Deep Human Biology Learning創薬体制のもと、ヒューマン・バイオロジーに基づき、「微小環境」「タンパク質恒常性破綻」「細胞系譜や細胞分化」「細胞老化を伴う炎症、低酸素、酸化ストレス」などの創薬領域(ドメイン)における抗がん剤の研究開発にフォーカスしています。これらのドメインから新たな標的や作用機序を有する革新的新薬を創出し、がんの治癒の実現に向けて貢献することをめざしています。

 

*キイトルーダ®は Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの子会社であるMerck Sharp & Dohme LLCの登録商標です。