認知症エコシステム構築に向けたデジタル事業会社「Theoria technologies株式会社」を設立

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役 CEO:内藤晴夫)は、このたび、認知症エコシステム構築を加速させるデジタル事業会社「Theoria technologies株式会社」(以下、新会社)を設立したことをお知らせします。Theoria technologiesは当社の完全子会社となります。

 

 当社は、認知症がもたらす当事者様とご家族の憂慮の解消ならびに社会課題の解決をめざし、治療薬の創出に留まらず、デジタルソリューションの開発や他産業との連携による認知症エコシステムの構築に取り組んできました。新会社は、認知症の種類やステージに関わらず、すべての生活者の皆様の「生ききるを支える」べく、エコシステム構築の基盤となる透明性高く中立的な認知症プラットフォームの中核を担います。

 

 新会社では、デジタルビジネスに最適な組織体制のもとで意思決定の迅速化とデジタル人財の採用・育成強化をはかり、エーザイが長年に亘り蓄積した臨床研究データのほか、コホート研究データおよびPHR(Personal Health Record)等を活用し、様々な予測アルゴリズムの開発や、デジタルソリューションの創出、データ提供に取り組みます。2024年4月より事業を開始し、MCI・認知症の早期発見に向けた発症リスク予測アルゴリズムについては2024年度中のサービス提供開始をめざします。また、認知症当事者様の日常生活動作を記録することで、診療における当事者様・医師・介護者間のコミュニケーション円滑化を支援するアプリ「ササエル」の開発・提供を当社と共に担います。さらに新会社は、他企業との連携によりデジタルサービスの開発を推進します。

 

 当社は、エコシステムの構築を通じて、認知症当事者様・生活者の皆様が自分らしく生活できる「認知症と共生する社会」を実現し、社会的インパクトの創出をめざしてまいります。

    

以上

 

    

<参考資料>

1. Theoria technologies株式会社

【会社概要】

会社名:

Theoria technologies株式会社(テオリア テクノロジーズ)

所在地:

東京都文京区小石川4丁目6番10号

代表者:

城倉 亮

事業内容:

医療・健康に関するデータを活用したサービス、その他ヘルスケア関連サービスの提供

資本金:

3億5千万円

設立日:

2023年9月4日

  

【ビジネスモデル】

  

2. MCI・認知症の早期発見に向けた発症リスク予測アルゴリズム

 MCI・認知症においては、症状の進行に気づかず受診・診断が遅れるという課題があります。当事者が自身の状態を予測できるようになることで、予防活動につなげたり、早期診断に向けた行動に移したりすることが期待されます。2024年度のサービス開始をめざします。

 

3. 軽度認知障害(MCI)・認知症における医師・患者・介護者のコミュニケーションアプリ「ササエル」

 「ササエル」は、認知症診療で重要な情報である日常生活動作(Activities of Daily Living;ADL)を記録し、その変化を視覚的に捉えることのできる、当社が開発したアプリです。認知症の診療現場における、医師・当事者・介護者間のコミュニケーション課題の解消を目的としています。2023年5月に認知症専門医による学術研究会であるアルツハイマー病研究会でサービス提供開始を発表しました。2024年度以降はTheoria technologies株式会社のサービスとして、当社との連携のもと、さらに多くの医療機関でPOC(Proof of Concept:概念実証、本格的な開発に入る前の検証)を行い、エビデンス構築を図り、全国展開を進めていきます。