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ニュースリリース

2018年2月10日

抗がん剤レンバチニブ 肝細胞がんにおける臨床第III相試験結果がThe Lancetに掲載

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、自社創製の抗がん剤レンバチニブメシル酸塩(一般名、製品名:「レンビマ®」「Kisplyx®」、以下 レンバチニブ)に関する肝細胞がんを対象とした臨床第III相試験(REFLECT/304試験)の結果が、世界的に最も権威のある医学雑誌の一つであり、最新の文献引用影響率が世界第二位のThe Lancet電子版に掲載されたことをお知らせします1。(筆頭著者:近畿大学医学部主任教授 工藤正俊、論文タイトル:“Lenvatinib versus sorafenib in first-line treatment of patients with unresectable hepatocellular carcinoma: a randomised phase 3 non-inferiority trial”)

 本論文で報告されたREFLECT試験は、全身化学療法歴のない切除不能な肝細胞がんの患者様を対象とした、レンバチニブと標準治療薬であるソラフェニブとの有効性および安全性を比較する多施設共同、非盲検、無作為化グローバル臨床第III相試験です。レンバチニブは、本試験においてソラフェニブに対し、全生存期間について統計学的な非劣性を証明し、主要評価項目を達成しました。また、副次評価項目である無増悪生存期間、無増悪期間、および奏効率について、ソラフェニブに対して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。

 また、本論文では、副次評価項目に関して、盲検下でのRECIST評価基準(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors:固形がんに対する効果を判定する際に用いられる評価基準)における、独立画像判定による探索的な解析結果を報告しています。独立画像判定においては、腫瘍径の変化を効果判定に用いた従来の評価基準(RECIST1.1)、並びにRECIST1.1に腫瘍壊死領域を効果判定に加えた評価基準(mRECIST)を用い、その双方において、主治医判定(mRECIST評価基準)と同様、レンバチニブのソラフェニブに対する優れた腫瘍縮小効果に基づく無増悪生存期間、無増悪期間の延長および奏効率の上昇が確認されました。本試験のレンバチニブ投与群で高頻度に確認された有害事象(上位5つ)は、高血圧、下痢、食欲減退、体重減少、疲労であり、これまでに認められた安全性プロファイルと同様でした。

 当社は、レンバチニブの肝細胞がんに係る適応について、日本(2017年6月)、米国・欧州(同年7月)、中国(同年10月)、台湾(同年12月)などにおいて承認申請中です。当社は、引き続き本剤の患者様価値をさらに増大すべく、エビデンスの創出に邁進し、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

以上

<参考資料>

1.  レンバチニブ(一般名:レンバチニブメシル酸塩、製品名:「レンビマ」「Kisplyx」)について

 レンバチニブは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)であるVEGFR1、VEGFR2、VEGFR3や線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)のFGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4に加え、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)のPDGFRα、KIT、RETなどの腫瘍血管新生あるいは腫瘍悪性化に関与する受容体型チロシンキナーゼに対する選択的阻害活性を有する経口投与可能な、自社創出の新規結合型チロシンキナーゼ阻害剤です。
 現在、本剤は、「レンビマ」の製品名で甲状腺がんに係る適応で米国、日本、欧州、アジアなど50カ国以上で承認を取得しています。また、米国、欧州など40カ国以上で、腎細胞がん(二次治療)に対するエベロリムスとの併用療法に係る承認も取得しています。欧州での腎細胞がんに係る適応については「Kisplyx」の製品名で発売しています。
 さらに本剤については、腎細胞がん(一次治療)を対象とした、エベロリムスあるいはペムブロリズマブとの2つの併用療法に関して、臨床第III相試験進行中です。また、ペムブロリズマブとの併用による固形がん(子宮内膜がん、非小細胞肺がん、腎細胞がん、尿路上皮がん、頭頸部がん、メラノーマ)を対象とした臨床第Ib/II相試験および肝細胞がんを対象とした臨床第Ib相試験が進行中です。また、日本において、ニボルマブとの併用による肝細胞がんを対象とした臨床第Ib相試験を開始しました。

2.  REFLECT試験(304試験)について1

 REFLECT試験は、全身化学療法歴のない切除不能な肝細胞がんの患者様954人を対象とした、レンバチニブと標準治療薬であるソラフェニブとの有効性および安全性を比較する多施設共同、非盲検、無作為化グローバル臨床第III相試験です。本試験には、954人の患者様が各投与群に1:1の割合で無作為に割り付けられ、レンバチニブ群(478人)では、体重によって1日1回12mg(60kg以上)または8mg(60kg未満)が投与され、ソラフェニブ群(476人)では1回400mgを1日2回投与されました。投与は病勢進行あるいは忍容できない有害事象の発現まで継続されました。
 本試験は、主要評価項目を全生存期間とし、非劣性の検証を目的に実施しました。また、副次評価項目として、無増悪生存期間、無増悪期間、奏効率、およびクオリティ・オブ・ライフなどを評価しました。本試験のレンバチニブ投与群で高頻度に確認された有害事象(上位5つ)は、高血圧、下痢、食欲減退、体重減少、疲労であり、これまでに認められた安全性プロファイルと同様でした。

3.  RECIST(Response Evaluation Criteria In Solid Tumors)について

 RECIST1.1は、固形がんに対する効果(腫瘍径の変化)を判定する際に用いられる評価基準です。mRECISTは、RECIST1.1に腫瘍壊死領域を効果判定に加えた新しい基準です。

4.  肝細胞がんについて

 肝がんはがん関連死亡原因の第2位であり、世界で毎年約78万人が新たに肝がんと診断され、約75万人の死亡が報告されています。地域差も大きく、中国、日本を含むアジアに新規患者様の約80%が集中しています2。肝細胞がんは、肝がんにおいて最も発生頻度が高く、肝がん全体の85~90%を占めています。現在、肝細胞がんの一次療法に対して承認されている全身化学療法は限られており、アンメット・メディカル・ニーズが高い疾患の一つです。

5.  The Lancetについて

 1823年の創刊で190年以上の歴史を有し、世界的に評価が高くかつ影響力がある総合医学雑誌です。
 文献引用影響率(インパクトファクター)は、「2016 Journal Citation Reports®、Clarivate Analytics 2017」に基づいています。

1 Kudo M et al.,“ Lenvatinib versus sorafenib in first-line treatment of patients with unresectable hepatocellular carcinoma: a randomised phase 3 non-inferiority trial” The Lancet, 2018
2 GLOBOCAN2012: Estimated Cancer Incidence, Mortality and Prevalence Worldwide in 2012. http://globocan.iarc.fr/